今日も元気で頑張るニャン

家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

サバイバルゲーム (台風15号の爪痕)・番外編

2019年09月21日 | その他(分類なし)
東電の復旧作業の関係者、作業の応援に駆けつけて頂いた方々に感謝を込めて

(前後編より続く)
停電が解消してから10日が経ち、当家では猫たちも含めすっかりいつもの生活に戻りました。しかし千葉県では21日時点でまだ2万世帯が停電、2300世帯が断水しています。報告漏れの被災者の方もいるようだし、完全復旧までは少なくともあと1週間はかかると言われている。ただ少し救われたのは、当家に電気が点いた11日の午後になってようやく西風が出てきた。翌日には北風となって真夏日が解消した。さらに13日の金曜日にはすっかり秋の気配が漂って、朝晩は冷え込んだほどだった。熱中症の危機に直面していた被災者の人たちがどれだけ救われたか、まだまだ予断を許さないが、天は被災者を見放してはいなかった。

ニャー(右)とちび太

お店は再起不能かと思われるほどの被害を受けたけど徐々に復旧、倒れた用土販売棚と壊れたフェンスを除いて外観上はほぼ元に戻りました。スタッフの努力の賜物です。本当に人間の力というのは素晴らしい。一方商品である植物は壊滅状態。今は仕入れを繰り返して補充を急いでいます。自分が担当している庭木類はほぼ植え直した。しかし温室の植物たちは植替えたばかりの鉢が多かったので木が抜けてしまい、さらに困ったことにラベルが飛んでしまった。樹種なら見分けがつくが、品種までとなると苗木を見ただけではわからない。とりあえず植え直して、さあこれからどうするか悩んでいます。用土棚の復旧もまだ時間がかかるらしい。手の空いた業者がいないのです。

スタッフの家も停電は復旧し、今は通常のシフトに戻っています。ただ、連絡のつかなかった隣町のスタッフは大変なことになっていた。あの猛暑の2日間電気と水が使えない中、母上の様子がおかしくなり救急車で運ばれた。熱中症で一時は危篤状態と言われたが、今週になってICUを出るまでに回復した。ただ、病院の要請で今も家族が交代で付き添っていると言う。これまで3名の停電熱中症死亡者が報道されているが、その直前で生死の間を彷徨った人は何人もいたのに違いない。

リン

先日のニュースで、ワンちゃんニャンちゃんと離れられないから避難所に行けない人が多いと。これまでも災害のたびに繰り返される報道だけど、何とかならないものだろうか。ペットは家族などと言いながら、いざとなれば器物の扱いをする。人間はいったいどこまでエゴを剝き出せば気が済むのだろうか。役所の人たちにはもう少し血と心の通った災害対策をお願いしたいし、メディアには、もっと問題提起を促したい。

家に電気が戻った11日は1日中各局テレビの報道番組を見ていた。全国区4局がそれぞれ朝昼夕方に夜、それにNHKニュースを加えれば1日に20番組くらいのワイドニュースがある。チャンネルを変えながら観ていると、各番組が付和雷同的に同じ場所で現地中継していることがわかった。おいおい、千葉県はそんなに狭くないんだがな。さらに観ていると、言っていることまでみな同じ。まあ、同じ問題を報じているのだからやむを得ないとは思うけど、例えば「どうして(復旧に)こんなに時間がかかるのか」というタイトルは、20ある各番組が5日間くらい延々と続けたのです。うーん、進歩がないというか何というか。しかしその話を妻にすると、いともあっさりと「そりゃそうよ」と言われた。そもそも時間帯によって観る視聴者が違うのであって、それらを全部観る暇人なんていないというわけだ。そう言えば、長い番組では放送の中で同じ話を何度も繰り返していた。それも報せる相手が違うということか。

それにしても、「当番組独自の」とか「当番組がスクープした」とか言いながら、各番組とも同じものを放映している。ホントに懲りない人たちだと思います。一方解説者や知ったかコメンテーターの東電非難は相変わらずだった。復旧作業や被害状況の把握が遅れる原因が道路を塞いだ夥しい数の倒木にあることは、11日には東電の報告でわかっていた。なのに「誤算だらけ」「想定できなかった」と東電を非難する。彼らの情報の源は東電からの報告で、それにケチをつけているだけ。被災者にとっても東電にとっても何の足しにもならないのです。

ツインズ:キー(下)とクウ

11日には県知事も千葉市長も東電非難の声明を出した。あの東北大震災のときもそうだが、東電を非難できるのは被害を受けた人たち、つまり被災者だけだ。専門家も政治家も役人も報道関係者も、原発は危険だから直ちに止めろと声を大にして訴えていた人以外は、東電と同じ穴の狢(むじな)じゃないか。それがいつの間にか被災者の側に回って東電を非難する。それと同じ構図が今回も繰り返されたのです。自衛隊の出動要請は県知事の権限。千葉県知事は被災者支援に対する自衛隊出動要請を10日に行ったが、倒木撤去に対する出動要請は11日に行った。東電からの報告があるまでわからなかったのだろうか。

知事さんも市長さんも、東電を非難している場合ではなかったはずだ。何故なら被害状況の把握は首長さんの第一義的な義務だからです。県は把握のために何を行ったのか。東電からの報告を待っていた? 県や市が早い段階でヘリを飛ばすなりドローンを飛ばすなりして状況把握に努めたら、東電の復旧工事はもっと早く進んだかもしれない。東電だけではない、他県からも応援に来てくれた電気復旧のプロたちが、倒木の処理に追われてしまったのは反省点とすべきだと思うのです。報道も同じ。独自の能力を駆使して被害状況の把握に努め、東電にフィードバックすることこそ被災者第一の行動ではないのか。「動物愛護とメディア批評」で書いた、あのダイアナ妃を見殺しにしたパパラッチの行動と相通ずるところはなかったか。この点に関して県知事やニュース番組(特ダネ)から反省の弁が聞かれたのはまだ救われるが、それは18日のことだった。

実は今回の災害では東電自体も被害者なのです。何故ならあの夥しい数の倒木には必ず所有者(その土地の所有者)がいる。その所有者にはもちろん管理責任がある。民法でも他人の土地の樹木を無断で破損(剪定、伐採など)することは禁じられています。さて、「想定できなかったのか」と東電を非難した解説者たちは、どういう想定と事前対策を提案するのか。民間企業である東電に法律を強化しろとでも言うのだろうか。後になって、溝腐病という幹を空洞化させる病気を放置したことが広範囲倒木の要因だとわかってきた。これも東電の責任なのか。自分は東電とは無縁の人間です。しかしこのような公共の電波を通しての無知無責任な他者批判は、「動物愛護とメディア批評」で書いた戦時中国民を欺き通し何人もの人身御供を創り出したあの地獄の放送と同質なのです。

シロキとチキン(右)

今回の災害はまだ終わっていません。お店の用土棚もそうだが破損した家屋や施設の修復目処は立ってないし、まだまだ停電や断水の世帯も多い。県の中央を横断する久留里線は昨日時点で全面運休、小湊鉄道は部分営業だ。生活の不便は続きます。しかし今週には災害復旧ボランティアの人たちが集まりだした。本当に有難いし尊い行為だと思います。そして忘れてはならないこと、被災地域では被災者と一緒に暮らしていた、あるいは何らかの形で関わっていたワンちゃんニャンちゃんも一緒に被災していることです。既に一部の保護ボラ団体が動いているようだけど、ここはひとつ、我々全員が"人間愛"というものの真価を発揮する時なのではないでしょうか。

店:倒れた用土棚とレオ

※今日は台風17号が沖縄に来襲。4万世帯が停電していると報道されています。一刻も早い復旧と、被災者の方々の無事を心より祈っております。

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