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家族になった保護猫たちの日常を綴りながら、ノラ猫たちとの共存を模索するブログです。

エサをやるなは殺せと同じ・第12弾 ~論点再確認・著名サイトへの質問状~

2024年12月28日 | シリーズ:エサをやるなは殺せと同じ
ノラ猫保護団体や個人ボランティアさんのブログのみならず、「ねこちゃんホンポ」「ねこのきもち」等の著名サイトにも見られる『ノラ猫には餌をやるな』の表現、本シリーズ第4弾「言葉の真相を暴く」でその記述の矛盾と危うさを指摘しました。以下に第4弾の内容を再掲します。

「ノラ猫に餌をやるな」の主張について
1.まず第一に、餌やり禁止は法律違反
餌やりを禁止することは動物愛護法違反です。実際、愛護法の対象動物であるノラ猫への餌やりそのものを禁止している自治体はありません。餌をバラ撒くなど"不適切な"餌やり方法を禁止しているのです。下に紹介した記事(ねこちゃんホンポ)の中で、「ノラ猫への餌やりを禁止している地域(自治体)がある」という記述は明らかに誤りです。和歌山県では、「適切な餌やり」の表現がわかりにくいとして条例が改正された。その要点を下に抜粋したので参考にしてください。
(引用記事は割愛します。)

2.ノラ猫は人間の施し物を頼りに生活している
「ノラ猫の食べ物」をネット検索すると、前出のサイトも含め判で押したように同じことが書いてあります。YahooやGooなどの質問サイトでこのようなスレが立つと、それらの記事をコピーしたような回答が続きます。要は小動物を食べ虫を食べ鳥を食べ・・。しかし考えてみて下さい。春夏秋冬毎日、自分の身の回りでそのような生き物と出会いますか? つまりこの説明は、イリオモテヤマネコのような野生の猫についての説明なのです。田舎ならまだしも、人間のために開発された住環境ではこのような猫が捕食する生物はそう簡単には見つからない。特に冬は、動くものしか捕食しない猫にとって、自然の食べ物は皆無と言っていいでしょう。人間の落とし子であり人間社会で暮らすノラ猫は、人間の施し物を頼りに、人間と密接な関係を持って生きています。つまり、誰も餌をあげなければノラ猫は生きていけないのです。

3.餌をあげてはいけない理由、その①「近所迷惑」
近所迷惑とは主に糞害のこと。他に植木鉢を壊したり鳴き声がうるさかったり。猫好きはさほど気にしなくても、猫が嫌いな人にとっては迷惑そのものだろう。継続的な餌やりはノラ猫を集めてしまい、これらの迷惑が顕在化してクレームに繋がるという理由です。
確かに生きるということは、どこかで糞はするし悪戯もするでしょう。仮に、たまたまノラ猫が通りかかって庭に糞をしたらどうするのでしょう。誰にクレームを言うのかな? 要は許容限度の問題なのであって、顕在化しなければよいのでは? 目の前の空腹で瀕死の猫に餌をあげたからって、ノラ猫が集まってはきません。 継続的に餌をあげるならマナーを守るべきは当然。だからと言って、マナー違反を餌やり禁止に結び付けることはノラたちにとって致命的な混同なのです。

4.餌をあげてはいけない理由、その②「繁殖して数が増える」
過酷な環境下に生きるかわいそうなノラ猫を増やしたい、と思う人は誰もいない。猫嫌いさんに限らず、保護団体もボランティアさんもみな同じだ。犬猫を食い物にするペットショップ業界の経営者たちや悪徳ブリーダーですら、同じ思いに違いない。でも、ノラ猫を増やさない、だからノラ猫に餌をやるな? つまり餌をあげればその子が生きながらえて子供を作ってノラ猫が増えるから、餌をげないで餓死させろということだ。それ以外に意味があるだろうか。
「かわいそうなノラ猫を増やさないためにも、ノラ猫に餌をあげるのはやめましょう。」
もうおわかりでしょう。この表現には、明らかに今いるノラ猫を殺せという意味が含まれているのです。それがこの表現の最大の矛盾であり欺瞞です。ノラ猫を守るどころか、人間性のかけらもない残忍で身勝手な表現なのです。ノラ猫はいつも飢えている。衰弱している。目の前のその子に手を差し伸べることこそ、人間性に満ちた行為と言うべきです。参考までに、自分が推奨する言い方を下に添付しておきます(どうぶつ基金)。
(引用記事は割愛します。)

5.猫嫌いさんたちとの協調
ノラ猫の繁殖については、「1頭のノラ猫♀が3年後には2000頭になる」 という環境省のパンフに基づいた記述が多く見られるが、これが誇大表現だということは本シリーズ第3弾の前編に記した。実際には過酷な環境下、交配頻度や一才生存率が理論最大値には程遠い低さなのです。それでも自然増があるという事実に変わりはないが、TNRで活躍しているボラさんたちがいる。そもそも自然増を問題にするのなら、その前にすべきことがあるはずだ。
「動物愛誤と書く諸兄へ」という過去記事で、ノラ猫の自然増に匹敵するくらいの人為的な増加(猫捨て等)を防止するための協調を呼びかけた。不幸なノラ猫たちを減らすために先ずすべきことは「餌やり禁止」でノラたちをさらに苦しめることではなく、「猫捨て防止」に力を入れることではないでしょうか。

ノラ時代のダイフク(5年ぶりに再会した当時)

上記再掲記事の最後のくだり、当ブログではその後「どんなノラでもそのルーツを辿れば捨て猫に当たる」の一文で表現しています。つまりノラ猫が増える本当の原因は「猫捨て」で、自然増は二次的な問題なのです。どんなにTNRしても、猫捨てが今のままではノラ猫は減りません。

第4弾で引用した「ノラ猫に餌をやるな」という記述があるねこちゃんホンポの4つの記事に関しては、同サイトにその真意を問い合わせたことがあります。答えは予想通り「(殺せなんてつもりは)まったくない。今後表現には注意する」でした。しかしその後も同サイトには同様表現の記事が見受けられるので(下にリンク)、改めて真意を問い正すと同時に上記(緑色)の内容を数行にまとめて見解を求めています。また、同様記述のある記事を掲載したPRESIDENT Online 社にも同じく真意と見解を求めました。(記事は本シリーズ第5弾で紹介)

回答が得られたら本シリーズで紹介します。今後もこのような記述に出会ったときは真意と見解を求めていくつもりです。

※「ノラ猫に餌を与えてはいけない」の記述がある記事


ノラ時代のモドキ

◆エサをやるなは殺せと同じ:シリーズ過去記事一覧
第1弾     雑感:エサをやるなは殺せと同じ  2017.6.30
第2弾     理屈で勝負の巻  2018.8.23
第3弾前編 →ノラたちとの共存を目指して・番外編3  2020.6.30
第3弾後編 →ノラたちとの共存を目指して・番外編4  2020.8.31
第4弾      言葉の真相を暴く 2021.3.31
第5弾      コメント欄に見る世相  2022.2.25
第6弾      殺処分か餓死か  2022.7.13
第7弾      だから言ったじゃないの  2022.11.19
第8弾      偽善はもう許されない   2023.3.14
番外編    意に反したコメントをどうする  2023.4.20
第9弾    動物愛護って・・   2023.6.4
第10弾     やわらかい言い方を模索してみました  2023.6.28
第11弾     善意の言動に潜む魔物  2024.3.13

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