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流れ流れてきた此処は、終の棲家にふさわしいのか?入ってみなきゃ分からない、それがリスク。

リセット、を読んで。

2011年12月23日 01時04分18秒 | 読書事


北村薫さんの「リセット」読了。

はっきり言って好きな小説には成っていない。

SFでも無く無論ミステリでも無い。

文庫では、宮部みゆきさんが、3部作の中で一番好きと仰られていたが、個人的には駄作である。

理由は簡単。

「理由が無い」のである。

輪廻転生を扱っているわけでもなく、映画の「ある日どこかで」の思いが募ってのタイムワープでも無い。

理由もなく、何回も、巡り会う。

しかもちょっと御都合主義?少女趣味とも言えるか?

前2作が、時間に弄ばれた自分と向き合い、過去と現在の自分を見つめ、その先を見出すお話なのに対して、これは…。

SFとしての裏付けも無く(もちろんSFじゃないけど)、現代小説としての説得性も無い。

偶然が重なれば、輪廻転生。

苦しい時でも、奇跡が起こる。

うぅ~ん、どうなんでしょう。

ある意味、一回で止めときゃよかったのに…って思いました。





森博嗣さんもそうでしたが、デビュー作~2・3年がピークで後は堕ちて行くばかり。

作者の書きたいものと読者の読みたいものが離反する。

職業作家の悲劇がここにある。