
北村薫さんの「リセット」読了。
はっきり言って好きな小説には成っていない。
SFでも無く無論ミステリでも無い。
文庫では、宮部みゆきさんが、3部作の中で一番好きと仰られていたが、個人的には駄作である。
理由は簡単。
「理由が無い」のである。
輪廻転生を扱っているわけでもなく、映画の「ある日どこかで」の思いが募ってのタイムワープでも無い。
理由もなく、何回も、巡り会う。
しかもちょっと御都合主義?少女趣味とも言えるか?
前2作が、時間に弄ばれた自分と向き合い、過去と現在の自分を見つめ、その先を見出すお話なのに対して、これは…。
SFとしての裏付けも無く(もちろんSFじゃないけど)、現代小説としての説得性も無い。
偶然が重なれば、輪廻転生。
苦しい時でも、奇跡が起こる。
うぅ~ん、どうなんでしょう。
ある意味、一回で止めときゃよかったのに…って思いました。
森博嗣さんもそうでしたが、デビュー作~2・3年がピークで後は堕ちて行くばかり。
作者の書きたいものと読者の読みたいものが離反する。
職業作家の悲劇がここにある。