感情をコントロールするのは不可能ではありません。
しかし、非常に難しい。というのも、感情は人間にとって原始的な機能だからです。
感情は脳の扁桃体という部分で作り出されます。そして神経がすごく発達している。
ヘビを見た瞬間に、すぐに怖いと感じないと逃げられないからです。
生存に関わっているから、スピード重視です。
この扁桃体の興奮を抑えるのが前頭前野です。これは、理性や論理に関わる脳の部分です。
この部分で、感情をコントロールするわけです。
しかし、感情のコントロールはかなり難しい。
だから、感情のコントロールを放棄して、感情的になったまま適切な行動をしようというのが、今日のテーマです。
これは「本番に強い子の育て方」という本に書かれていた方法です。
例えば、子供がサッカーの試合に出るとします。
いつもはすごくうまいのに本番になると緊張して、いつものプレーができないタイプの子供だとします。
普通は、緊張を和らげる方法を考えますよね。
しかし、そうではなくて、緊張してもいいんだと考えるわけです。
むしろ、自分の感情を自覚することに焦点を当てます。
感情をコントロールするのではなく、いま自分の感じてる感情を分析するわけです。
オッケー、わかった。いま緊張しています。そして、ビビっています。
その感情を持ったまま、行動してみるのです。
人間は緊張したり恐れていたりしていても、きちんと行動はできます。
もちろん、行動の良し悪しはありますが。
そして、緊張してもできたという成功体験を積み重ねることで、緊張が怖くなくなります。それが重要です。
自分は緊張した状況でも、ちゃんとできるんだという気持ちが、自己肯定感を生み出します。
感情をコントロールするのではなく、行動をコントロールするわけです。
これができると、不意打ちを食らって、動揺しても、きちんと行動できるようになります。
この考え方は、僕たちにも応用できますよね。
例えば、怒りです。
怒った気持ちをコントロールするのは難しい。
しかし、怒った状態で、穏やかに話すことは可能です。
感情をコントロールするのではなく、それを認めた上で、適切な行動をする。
そういうことを心がけると、色んな意味で有意義に人生を送れるでしょうね。