アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

「あお」の入った米粉

2012-11-05 12:41:10 | たべもの
  大野瀬町の筒井重之さんの家に新米を取りに行ったら、こんな米で作った玄米粉を見せてくれました。

   写真では分かりにくいけれど、このお米、ほとんどが緑色のお米。筒井さんは「あお」と呼んでいます。この緑色のお米はいわば未熟なお米。筒井さんが育てているミネハルカは、彼の住んでいる大桑の集落よりももう少し低いところのほうが栽培に適しているのだそうで、大桑で、稲穂がすべて完熟するのを待っていると、気温が下がりすぎてしまうのだそうで、どうしても少し早めに稲刈りすることになるのだそう。

   それで、この「あお」が何割か混じったお米ができるのですが、彼の話では、「あお」が少し混じっていると米は甘くておいしくなる、のだとか。「うちの米は、はざかけしていることと、この青が混じっていること、このふたつでうまくなっている」と筒井さんはいいます。

   未熟の米のほうが甘い、というのは不思議な気がしますが、たしかに、普通の米で挽いた玄米粉と、ほとんど「あお」だけの米で作った玄米粉をなめ比べてみると、後者のほうが断然甘い。

   今朝、この「あお」入りの玄米粉を3分の2入れたパンケーキ(コチラ→)を焼いてみました。粗糖も入れたけれど、たしかにいつもより甘い。それに、全体が薄緑色です。

   甘さを控えて米粉のお菓子を作りたいときなど、この「あお」の玄米粉はよさそう。筒井さんは昨年、名古屋市栄で開かれたファーマーズマーケットにこの玄米粉を持っていったら、お客さんがこの甘さにびっくり。すぐに完売したそうです。たぶん、今年もマーケットや直売所で手に入るとおもいます。   
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静岡の三ケ日・袋井・焼津に行きました

2012-11-05 12:38:42 | 小さな旅
   11月1日(木)、どんぐり横丁の生産者の視察旅行に参加しました。行き先は静岡県。活気のある直売所と農家レストランの見学です。

   最初に訪れたのが、JAのファーマーズマーケット三ケ日店。平日の朝10時なのに、こんなににぎわっています。野菜と花がたくさん!

   米の種類も豊富。

   ミカンの産地だから、当然たくさん。青いレモンがあったので、私はこちらを買いました。ほかに買ったのは、無添加のベーコンとソーセージ、ミカン入りのクッキーなど。味噌も自家製らしいものが多種類並んでいました。ほしかったけれど、選ぶ時間がなくて、あきらめました。

   あとで、一緒に行った人に写真を見せてもらったのですが、この直売所の裏手では、毎日、前日の来場者数と売り上げ高と、上位何番目かまでの、売れた野菜の種類と数を、生産者にすぐ分かるよう掲示しています。消費者の傾向をいちはやく生産者に知らせるシステムができているわけで、感心しました。

   次の見学先は、袋井市のどんどこあさば。こちらは、有志があつまって共同経営している会社で、とうふとだんごの製造所、直売所、ビュッフェスタイルのレストランを併設しています。

   ほとんど地元で採れた野菜料理。おからを出さないで作った豆腐のケーキがおいしかった。

   最後の訪問先は、焼津魚センター。魚屋さんが軒を連ねていて、どこも呼び込みがすごい! 見た目はおなじように見えるのですが、値段が違うので、どこで買おうか迷いました。

  最初に目に付いたのは、マグロの頭の一番上の部分の切り身。栄養価が高いのだそうで珍しかったから買いました。それから甘エビ。珍しくはないけれど、新鮮そうだったのでゲット。予想通り、この甘エビ、今まで食べたうちで最高でした。

  青のりとわかめの生も購入。どちらも香りがあって、新鮮。とくに青のりはおいしかった。生姜醤油をかけて、いただきました。しらすの生もはじめてお目にかかりました。これは迷わず購入。生臭くなくて、おどろき。新鮮であることって、すばらしい!

   あとは、しらす干しと桜エビとマグロの切り身。マグロはづけにして夕飯に。桜えびはかき揚にしました。

   魚センターでの滞在時間は1時間。もっとゆっくり吟味したかったけれど、駆け足で歩き回って、これだけ手に入れました。両手にいっぱいの荷物をもって、バスに乗り込み、一路稲武へ。

   朝7時半に発ち、夕方5時半帰着。10時間のうち半分以上はバスの中で過ごしましたが、久しぶりに会った知人とおしゃべりできたし、まずまず充実した一日でした。
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本藍の藍建てワークショップに参加しました。

2012-11-05 10:58:34 | 草木染め
   9月に引き続き(コチラ→)、中津川市阿木にあるしずく地藍工房のワークショップに参加しました。今回は、藍液作りでもっとも大事な藍建ての講習会です。

   阿木の標高はわたしの住んでいるところとほぼ同じ。山に囲まれた藍畑では、種取りのための藍がいっせいに花開いています。

   藍の部屋。ここには藍甕が4個、埋められています。真ん中には穴があけてあって、もみがらをいぶしています。適度な暖かさを保つための工夫です。甕の周囲は土。土の中にいけることで、一定の温度を保つことができるのだそうです。
   
   藍の液をかきまわす、工房主の戸塚みきさん。この日は、バンダナもシャツもパンツも藍染めでした。かっこいい!

   これが藍の花といわれる泡。きらきら輝いています。こうなっていると、いい染め具合だそうです。

   藍建てをはじめる前に用意しておくのが灰汁。ナラやカシ、クヌギなどの堅い木を燃やして作った灰に熱湯を加えて、翌日上澄み液を取ります。同じ灰にまた熱湯を加えて翌日上澄みを取るという作業を6日間繰り返し、6番液まで用意します。

   写真一番左が一番液、右が二番液、次が三番液。だんだん色が薄くなっているのがよくわかります。味も、一番は非常にえぐい。だんだん味も薄くなります。この灰汁が、藍建てでは重要な役割を果たすのだそうです。

   いよいよ藍建ての開始。まず、夏に収穫し乾燥させて作ったすくもを容器にいれます。そこに石灰をいれて混ぜます。
   こうしておいてから、温めた灰汁をすくもの中に入れ、よく練ります。このとき使う廃汁は、薄い汁。なくなったら、だんだん濃いものに代えていきます。

    つく道具は、杵でもいいのだそうですが、戸塚さんはこの棒のほうがやりやすいとか。手でも練り混ぜ、すくもの塊がなるべくほぐれるようにします。

    灰汁であたためた甕のなかに、練ったすくもを入れます。そして糖分補給のために純米酒を。灰汁も加えて40度から50度の温度になるようにします。ペールは、電気毛布、住宅用断熱シート、毛布でおおっています。

    藍と灰汁を入れたら攪拌。この作業は、翌日から藍が建つまで、毎日朝夕つづけます。

    発酵が始まったら、ようすを見ながら灰汁や石灰やふすまを。ふすまは小麦の糠なのですが、栄養分補給のために炊いたものを加えます。こうすることでPHを調節し、液が安定するよう管理します。PHが低過ぎると液が腐敗するし、高過ぎると発酵が止ってしまいます。

    「藍は、生き物なんです。静かな環境で暮したがっている。だから、環境が乱れるとびっくりします。赤子を育てるようにあせらずじっくり管理するのがポイントです」と戸塚さん。   

     藍の種を蒔くところから始まって、収穫、乾燥、すくもづくり、そしてこの藍建てとその後の管理。長い工程を経て、やっと藍染めができるのです。うまずたゆまずつきあわないと、あの美しい色は生み出せないことがよくわかりました。

     今月はいよいよ藍染め。わたしはいまだに、たった一枚のてぬぐいの模様をどんなのにしようか、迷っています。
  
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