4年前栽培に取り組み、今年初めて、少しだけ販売に踏み切った三木さんのブルーベリー。大粒で甘くてみずみずしい果実です。グリーンママンの5周年朝市のとき、アンティマキの商品と一緒に初お目見え。ブースに立ち寄り、この粒を見た人はみんなその大きさに感心しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/93/8fd7fd80837aa98e50dc2b818287ccf3.jpg)
この夏、私は友人や知人にこのブルーベリーを贈りました。贈った相手からは、「おいしかった! 大きいので大味かと思ったら全然そんなことなかった。うまみがある」と、異口同音に喜ばれました。
さて、その生産に携わっている三木雅樹さんと、彼の妻の和子さんとは、彼らがこちらに移住してきた5年ほど前からのつきあいです。文字通り苦労が実っていい粒ができ、食べた人から「すばらしい」とほめられると、私は自分のことのようにうれしくなります。
三木さんの畑は野入町の2つの場所にあります。2つあわせて9反7畝。そこに、ブルーベリー700株ちょっと、カシスは90株ほど、ブラックベリーも60株以上植えていて、今年はあらたに、クランベリー40株の栽培をはじめました。
ブルーベリーだけでなく、小さな果実をいろいろ、実験も兼ねて育てているのです。いわば、スモールベリーの農園。赤や紫色のかわいらしい実が畑のあちこちで実っています。
山側にある畑ではルバーブも栽培していて、どの作物も、ジャムにして販売もできるものばかりです。ジャムは、奥三河Three trees+のメンバーである和子さんが製造。まだ数はわずかですが、Miki-Co-Laboのコンフィチュールとして売り出しています。
畑を見回る雅樹さん。大学でも大学院でも雑穀の研究をしていた彼は、卒業後、第三世界への農業支援に先立って行われる、現地調査の仕事に従事していました。調査よりも農業技術そのものを習得したくて脱サラを決意。親しんでいた雑穀の栽培を手がけたかったのだそうですが、それだけで生計を立てるのは難しいため、果樹を選びました。
果樹の中で、とくにブルーベリーを選んだのは、比較的手間がかからず、農薬の使用も少なくてすみそうだったから。日本ではまだ専業の農家が少ないことや、生果だけでなく加工して販売できるところも魅力でした。
「岡山や長野など、いくつか候補地があって迷ったのですが、道の駅の直売所が近くにあり、市街地にもさほど遠くないので市場性がいいと考えて、ここにしました」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/6f/f2bf6cf0f8b4d29baf520be9d3e30ad2.jpg)
ただし、稲武は雨が多く、借りた土地のほとんどは休耕田だったこともあって、水はけがいいかどうかなど、心配なことは多々ありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/d4/7c4fb6e4110ab9ed8142788283f9b45c.jpg)
「実際にはじめてみて、同じ品種でも1本は元気に育ち、隣は調子が悪いということがあったりします。悪くなった原因をいろいろ考え、できる手当てはして、とにかく今は様子を見ています」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/c2/a069d458fdb14e7f29a6531e70f7f54a.jpg)
下の写真手前左の木は大きく元気に育っていて、新しい枝もぐんぐん伸びているのに、隣の木は同じときに植えたにもかかわらず、生育が悪く、新しい枝もあまり育っていません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/0a/984c582b93a8546b8e88b3bbd316102a.jpg)
三木さんの畑のアイドル、ヤギのメイちゃん。数ヶ月前から、少しでも草刈りの手間が省けるならと、飼いはじめました。動物好きの雅樹さんにとっては、畑仕事の合間、こころ慰む相手でもあるようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/7b/0d348a02577769c7e71109202bca51df.jpg)
ブルーベリーの天敵のひとつ、アカバチを捕らえるためのトラップ。日本酒や砂糖、酢を入れて誘引します。今年は昨年より早めに設置し、数も増やしたので、アカバチの被害が少なくてすんでいるそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/1c/3d92e2207b3f49b7024fa746beef6e29.jpg)
昨年あらたに増やした畑。4年前植えたのは冷涼な気候にあうハイブッシュ系でしたが、こちらは暖かい地方でよく育つラビットアイ系。勢いのよい木々が整然と並んでいるようすは、壮観です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/62/744a48238d2dea58c7be842c067c1a8e.jpg)
山側にある畑。人工林と雑木林に囲まれた静かな場所にあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/17/49fd1d218612a09d102446cc0d93c7d7.jpg)
でも、すでに枯れた木も。昨年はかなり元気だった木だそうです。「こういうことが突然おきるから、自然相手の仕事はわからないことが多い。果樹栽培にはつきもののできごとなのかもしれません。木は突然枯れたように見えても、翌年息を吹き返すこともあるので、植え替えようかどうしようか検討中です」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/e6/f84ab54d647ead25045bfa8e052d3a90.jpg)
大きな毛虫がいました。「見つけたらつぶす。とにかくいまはそうしています」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/a5/d0f172354c3585711f987eaff10506ed.jpg)
コガネムシもブルーベリーの害虫です。今年は市販のトラップをつけました。なかにはコガネムシがごっそり。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/58/79a133b8538d28674e6d871c4fc53f03.jpg)
ハクビシンやアライグマ、イタチ、ウサギ、ニホンカモシカ、イノシシと、このあたりは害獣もけっこうやってきます。昨年は電柵を張り巡らしていましたが、あまり効果がないので電柵は取り除き、網を張って、下から動物がくぐらないよう大きな石をおきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/94/19677871e2030db0d0301c8ee6b50cf8.jpg)
「今年初めて販売してみて、収穫の技術の難しさを痛感しました。ブルーベリーは、軸が色づき、軸の周りが膨らんでいるころがおいしい、といわれているのですが、それがけっこう難しい。おいしいだろうなと思ってとってもそうではないこともあります。本当においしい実を食べて頂きたいと思ってちょうどいいときを待っていると、虫にやられてがっかりすることも」
ところで、三木さんは、すべて品種ごとに販売しています。これまでに農園で収穫できたブルーベリーは8品種あるのですが、それぞれパッケージに品種の名前が書いてあります。リンゴもナシもミカンも、品種の名前を出して売るのが当たり前になっていますが、日本のブルーベリー栽培の歴史が浅いためか、品種別にして売る生産者はまだ少ないようです。
15人ほどの人たちに、彼の2種類のブルーベリーを食べ比べてもらったことがあります。するとほとんどの人が、「味が違う」といいました。この売り方、いずれ一般的になるのでしょうが、雅樹さんはいちはやくはじめました。和子さんが作るブルーベリーのコンフィチュールも、品種別です。
イチジクやリンゴ、ナシなど、古くから日本にある果樹は、一般の野菜同様、「栽培暦(ごよみ)」というものが県単位で作られていて、その暦にあわせて作業していくのが普通の農家のやりかただそう。でも、愛知県の場合、ブルーベリーの栽培暦はまだ作られていません。そのため、各生産者は頼りにする栽培基準を持っていないので、それぞれで試行錯誤するしかないことになります。
雅樹さんは、畑に百葉箱をおき、データをパソコンにつなげて見られるようにしています。また、土の中の水分の量が分かる水分計を入れて、数値を見て水遣りをしています。「素人ですから、感覚でやれないのです。客観的な数値を見て、反省したり検討したりしています」
「仕事していて、楽しいなとかうれしいなと思えるときはどんなとき?」と尋ねると、「今年初めて販売してみて、いろんな方に「おいしい」と言っていただきました。その言葉を聴くと、思わず顔がほころびます。それと、収穫しているとき、ちょうど食べごろの実がたわわに実っているのを見ると、うれしくなります。あとは、農作業していて、ふと空を見上げると、夕焼けがとてもきれいだったりしたとき。草刈りしたあとも、充実感があって気持ちいい」とのこたえが。
三木さん夫婦の夢は、山側の畑の最上段にストローベイルハウスを建てること。森の中を飛び交う小鳥の鳴き声が聞こえ、吹き渡る風が心地よいその場所は、私もとても好きです。いつかその家のテラスで、彼らと一緒に、立派に育ったブルーベリーの木々を見ながら楽しいときを過ごしたいな、とおもっています。
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この夏、私は友人や知人にこのブルーベリーを贈りました。贈った相手からは、「おいしかった! 大きいので大味かと思ったら全然そんなことなかった。うまみがある」と、異口同音に喜ばれました。
さて、その生産に携わっている三木雅樹さんと、彼の妻の和子さんとは、彼らがこちらに移住してきた5年ほど前からのつきあいです。文字通り苦労が実っていい粒ができ、食べた人から「すばらしい」とほめられると、私は自分のことのようにうれしくなります。
三木さんの畑は野入町の2つの場所にあります。2つあわせて9反7畝。そこに、ブルーベリー700株ちょっと、カシスは90株ほど、ブラックベリーも60株以上植えていて、今年はあらたに、クランベリー40株の栽培をはじめました。
ブルーベリーだけでなく、小さな果実をいろいろ、実験も兼ねて育てているのです。いわば、スモールベリーの農園。赤や紫色のかわいらしい実が畑のあちこちで実っています。
山側にある畑ではルバーブも栽培していて、どの作物も、ジャムにして販売もできるものばかりです。ジャムは、奥三河Three trees+のメンバーである和子さんが製造。まだ数はわずかですが、Miki-Co-Laboのコンフィチュールとして売り出しています。
畑を見回る雅樹さん。大学でも大学院でも雑穀の研究をしていた彼は、卒業後、第三世界への農業支援に先立って行われる、現地調査の仕事に従事していました。調査よりも農業技術そのものを習得したくて脱サラを決意。親しんでいた雑穀の栽培を手がけたかったのだそうですが、それだけで生計を立てるのは難しいため、果樹を選びました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/49/5b8b5fbe1f496cbf66e8e893cef57e9c.jpg)
果樹の中で、とくにブルーベリーを選んだのは、比較的手間がかからず、農薬の使用も少なくてすみそうだったから。日本ではまだ専業の農家が少ないことや、生果だけでなく加工して販売できるところも魅力でした。
「岡山や長野など、いくつか候補地があって迷ったのですが、道の駅の直売所が近くにあり、市街地にもさほど遠くないので市場性がいいと考えて、ここにしました」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/6f/f2bf6cf0f8b4d29baf520be9d3e30ad2.jpg)
ただし、稲武は雨が多く、借りた土地のほとんどは休耕田だったこともあって、水はけがいいかどうかなど、心配なことは多々ありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/d4/7c4fb6e4110ab9ed8142788283f9b45c.jpg)
「実際にはじめてみて、同じ品種でも1本は元気に育ち、隣は調子が悪いということがあったりします。悪くなった原因をいろいろ考え、できる手当てはして、とにかく今は様子を見ています」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/c2/a069d458fdb14e7f29a6531e70f7f54a.jpg)
下の写真手前左の木は大きく元気に育っていて、新しい枝もぐんぐん伸びているのに、隣の木は同じときに植えたにもかかわらず、生育が悪く、新しい枝もあまり育っていません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/0a/984c582b93a8546b8e88b3bbd316102a.jpg)
三木さんの畑のアイドル、ヤギのメイちゃん。数ヶ月前から、少しでも草刈りの手間が省けるならと、飼いはじめました。動物好きの雅樹さんにとっては、畑仕事の合間、こころ慰む相手でもあるようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/7b/0d348a02577769c7e71109202bca51df.jpg)
ブルーベリーの天敵のひとつ、アカバチを捕らえるためのトラップ。日本酒や砂糖、酢を入れて誘引します。今年は昨年より早めに設置し、数も増やしたので、アカバチの被害が少なくてすんでいるそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/1c/3d92e2207b3f49b7024fa746beef6e29.jpg)
昨年あらたに増やした畑。4年前植えたのは冷涼な気候にあうハイブッシュ系でしたが、こちらは暖かい地方でよく育つラビットアイ系。勢いのよい木々が整然と並んでいるようすは、壮観です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/62/744a48238d2dea58c7be842c067c1a8e.jpg)
山側にある畑。人工林と雑木林に囲まれた静かな場所にあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/17/49fd1d218612a09d102446cc0d93c7d7.jpg)
でも、すでに枯れた木も。昨年はかなり元気だった木だそうです。「こういうことが突然おきるから、自然相手の仕事はわからないことが多い。果樹栽培にはつきもののできごとなのかもしれません。木は突然枯れたように見えても、翌年息を吹き返すこともあるので、植え替えようかどうしようか検討中です」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/11/e6/f84ab54d647ead25045bfa8e052d3a90.jpg)
大きな毛虫がいました。「見つけたらつぶす。とにかくいまはそうしています」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/a5/d0f172354c3585711f987eaff10506ed.jpg)
コガネムシもブルーベリーの害虫です。今年は市販のトラップをつけました。なかにはコガネムシがごっそり。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/58/79a133b8538d28674e6d871c4fc53f03.jpg)
ハクビシンやアライグマ、イタチ、ウサギ、ニホンカモシカ、イノシシと、このあたりは害獣もけっこうやってきます。昨年は電柵を張り巡らしていましたが、あまり効果がないので電柵は取り除き、網を張って、下から動物がくぐらないよう大きな石をおきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/94/19677871e2030db0d0301c8ee6b50cf8.jpg)
「今年初めて販売してみて、収穫の技術の難しさを痛感しました。ブルーベリーは、軸が色づき、軸の周りが膨らんでいるころがおいしい、といわれているのですが、それがけっこう難しい。おいしいだろうなと思ってとってもそうではないこともあります。本当においしい実を食べて頂きたいと思ってちょうどいいときを待っていると、虫にやられてがっかりすることも」
ところで、三木さんは、すべて品種ごとに販売しています。これまでに農園で収穫できたブルーベリーは8品種あるのですが、それぞれパッケージに品種の名前が書いてあります。リンゴもナシもミカンも、品種の名前を出して売るのが当たり前になっていますが、日本のブルーベリー栽培の歴史が浅いためか、品種別にして売る生産者はまだ少ないようです。
15人ほどの人たちに、彼の2種類のブルーベリーを食べ比べてもらったことがあります。するとほとんどの人が、「味が違う」といいました。この売り方、いずれ一般的になるのでしょうが、雅樹さんはいちはやくはじめました。和子さんが作るブルーベリーのコンフィチュールも、品種別です。
イチジクやリンゴ、ナシなど、古くから日本にある果樹は、一般の野菜同様、「栽培暦(ごよみ)」というものが県単位で作られていて、その暦にあわせて作業していくのが普通の農家のやりかただそう。でも、愛知県の場合、ブルーベリーの栽培暦はまだ作られていません。そのため、各生産者は頼りにする栽培基準を持っていないので、それぞれで試行錯誤するしかないことになります。
雅樹さんは、畑に百葉箱をおき、データをパソコンにつなげて見られるようにしています。また、土の中の水分の量が分かる水分計を入れて、数値を見て水遣りをしています。「素人ですから、感覚でやれないのです。客観的な数値を見て、反省したり検討したりしています」
「仕事していて、楽しいなとかうれしいなと思えるときはどんなとき?」と尋ねると、「今年初めて販売してみて、いろんな方に「おいしい」と言っていただきました。その言葉を聴くと、思わず顔がほころびます。それと、収穫しているとき、ちょうど食べごろの実がたわわに実っているのを見ると、うれしくなります。あとは、農作業していて、ふと空を見上げると、夕焼けがとてもきれいだったりしたとき。草刈りしたあとも、充実感があって気持ちいい」とのこたえが。
三木さん夫婦の夢は、山側の畑の最上段にストローベイルハウスを建てること。森の中を飛び交う小鳥の鳴き声が聞こえ、吹き渡る風が心地よいその場所は、私もとても好きです。いつかその家のテラスで、彼らと一緒に、立派に育ったブルーベリーの木々を見ながら楽しいときを過ごしたいな、とおもっています。
皮が柔らかくて口に残りません。程よい酸味と甘みで、生で食べたブルーベリーの中で一番おいしかったです。
また食べたいと思っています。
そろそろ今年の収穫は終わりに近づいています。
来年は本格的に販売をはじめるはずです。
イベントにも持っていくことがあると思いますので、またお知らせしますね。
三木さんのブルーベリーで作ったジャムもおいしい。いま市販しているアンティマキのブルーベリースコーンは、みな、三木さんのブルーベリーで作った自家製ジャムを使っています。