会議に出ていた時、「保守的な数字」という言葉を耳にした。
どういうことなのだろうと思って説明を聞いていると、どうやら「控え目な数字」ということらしい。その後、彼は「コンサヴァティブな数字」とも言っていたので、それでぴんときた。
ネットの辞書を検索してみると、conservativeには、
1、保守的な、保守主義の
2、〈評価などが〉控え目な、穏健な、用心深い
3、〈服装などが〉地味な
という意味がある。
はじめは「コンサヴァティブな数字」=「控え目な数字」というつもりで使っていたのだけど、途中から別の訳語の「保守的な」と混同して「保守的な数字」と言うようになったのだろう。ひと口に保守といってもいろいろあるから、保守が控え目とは限らない。自己主張の激しい保守だっていくらでもある。「保守的な言葉」と言われても、なんのことだかぴんとこなかった。でも、言葉は生き物だから、そのうち「保守的な数字」という言い方が普及して市民権を得るかもしれない。
いいか悪いかは別にして、こんな風にして言葉の意味が変わっていくんだろうな。
この原稿は「小説家なろう」サイトで連載中のエッセイ『ゆっくりゆうやけ』において第20話として投稿しました。『ゆっくりゆうやけ』のアドレスは以下の通りです。もしよければ、ほかの話もご覧ください。
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