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中国のプロテスタント、全人口の1.8%に(「中国宗教報告2010」)

2010-09-06 23:08:47 | 中国、中国のキリスト教
 中国社会科学院が2008-2009年に行なった調査によれば、カトリック教会、東方正教会を除いたプロテスタントのみの人数が2,305万人に達し全国人口の1.8%を占めている。(但しそのうち受洗者1,556万人で67.5%、未受洗者749万人で32.5%と未受洗者も含んでいる。)

 この調査は同科学院の世界宗教研究所が全国31省、自治区、直轄市を対象に信徒数と信仰状況について大規模な全国的抽出調査を行なったものである。従来概数でとらえられていたものが調査に基づいて具体的な数値が発表されたわけで大変興味深い。以下主な点を紹介してみたい。

1 今回の推計調査によれば中国のキリスト教徒(プロテスタント教徒。以下同様)は中国の人口の1.8%を占め、信徒数2,305万に達する。そのうち受洗者は1,556万人で67.5%, 未受洗者749万人で32.5%となっている。中国の女性キリスト教徒は明らかに男性より多く、女性が約7割(69.9%)を占め男性が約3割(30.1%)である。
 中国の半数以上のキリスト教徒の学歴は小学校卒かそれ以下で54.6%を占め、中学卒が32.7%, 高校卒が10.1%, 大学・専門学校以上が2.6%となっている。
 年齢別では35-64歳が60%以上を占めている。14歳以下0.6%, 15-24歳3.7%, 25-34歳5.9%, 35-44歳16.1%, 45-54歳23.4%, 55-64歳24.6%, 65歳以上25.7%である。

2 近年の発展状況。中国のキリスト教徒のうち、1965年以前に信仰に入った者は3.0%, 1966-1981年5.7%, 1982-1992年17.9%, 1993-2002年42.4%, 2003-2009年31.0%である。
 全国的に見れば1993年以降に信仰に入った者が73.4%に達している。 華南地区の52.9%を除けばどの地区も60%以上で、東北三省では90.5%に達している。

3 入信の理由。調査はキリスト教徒が信仰に入った原因のうち、「自己あるいは家族が病気になった」ことが理由であると答えた者が68.8%に達し、「家族の伝統の影響を受けた」が15.0%であることを示している。
 宗教・信仰に触れて知るようになった経路としては、家庭や親族の影響を受けたが44.0%, その他信徒や友人の影響と答えた者が46.5%であった。

4 宗教活動(活発)状況 
 女性信徒のうち、宗教活動に「常に参加する」と答えた者は60.8%で、男性は51.0%であった。未婚信徒のうち宗教活動に全く参加しないと答えた者の率は比較的高く10.4%で、全体の比率3.9%より6.5ポイント高い。
 年齢構成から見てみると宗教活動に「常に参加する」信徒のうち、45歳以下が20%で45歳以上が80%であった。また、15-24歳のキリスト教徒で全く参加しない者が14.9%で全体の3.9%より11.0ポイント高くなっていた。

5 キリスト教徒が多い地域
 中国のキリスト教徒は主として東部と長江流域に集中している。各地域の人口に占めるキリスト教徒の比率は、地域間で明らかな差異が出ている。比率が高い地域からあげると、華東地域3.1%, 東北地域3.0%, 華中地域2.4%, 西北地域0.8%, 華北地域0.8%, 西南地域0.7%, 華南地域0.2%になる。
 各地域の人口と上の比率をかけてキリスト教徒の人数が出るが、全国のキリスト教徒数の地域別構成は次のようになる。華東地域42.5%, 華中地域29.2%, 東北地域11.4%, 西南地域6.6%, 華北地域4.9%, 西北地域3.8%, 華南地域1.6%。

6 他宗教に対する理解
 修士以上の学歴があるキリスト教徒で、他の宗教を「自分の宗教と同様によい」と見る比率は0で、「あるものはよい」も0、「自分の宗教には及ばない」「全くよくない」が23.8%, 29.1%で「考えたことがない」が47.1%であった。

7 墓参り(清掃)に対するキリスト教徒の見方
 これは中国の伝統文化・習俗に対する見方を調べる問いで、「伝統習俗」の一種と見なす者が52.9%で、「故人を偲ぶ」ことと見なす者が57.0%で、この伝統習俗に一定の理解と容認を示している。キリスト教徒の中で墓参りが「親族を守る」と見る者は18.1%, 「迷信である」と見る者は15.8%であった。
 高学歴のキリスト教徒で墓参りが「迷信である」と見る者は比較的低く、大学卒6.1%, 修士以上は2.6%であった。「故人を偲ぶ」と見た高学歴者は比較的多く、大学卒80.6%, 修士以上42.3%であった。
 
[コメント] カトリック教会を除外しているのが意外に思われるが、中国の人口に対するキリスト教徒の比率にカトリック教徒を加えるとどうなるのか。天主教自身による数字は2008年度で560万人である。それを加えると2.2%になる。(カトリックの香港教区によれば1,200万人[2005年]という数字もあって、これを加えると2.7%に達することになる。)いずれにしても日本の1%前後という数字を凌駕している。
 以下報告のプロテスタントのみの数字によるが、構成する会員層が半数以上小学校卒以下であるという特性に目がとまった。幾分予想していたが、比率が高い。
 キリスト教徒が多い地区の項を見ると、漢民族以外の少数民族の間で少ないことが見てとれる。イスラム教徒など少数民族独自の宗教が優勢なのであろう。しかし、漢民族が大部分を占める中国南部であまりキリスト教が伸びないのはどうしてであろうか。香港に近く現代化・世俗化の影響を受けているせいであろうか、確認したいところである。
 活発率では男性より女性が熱心なのは、ところを問わず同じ現象である。若人では全体に比べて皆無の比率が高く、日本のldsの状況とよく似ているように見える。
 最後に他宗への理解が欠けるように見えるのは、意外であった。まだ中国のキリスト教が若いためであろう。時間を経て発展するにつれ、他宗尊重、他宗への理解が進むものと期待される。中国政府の標語「和諧」にも合うことになる。

Source: 中国基督教網站 8.28.2010アクセス


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2 コメント

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良い傾向です! ()
2010-09-07 09:47:18
6 他宗教に対する理解
 修士以上の学歴があるキリスト教徒で、他の宗教を「自分の宗教と同様によい」と見る比率は0で、「あるものはよい」も0、「自分の宗教には及ばない」「全くよくない」が23.8%, 29.1%で「考えたことがない」が47.1%であった。


モルモンの布教にとっては良い傾向ですね!!

わが教会こそは唯一真の・・・・。
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コメント追加 (NJ(本文にコメント))
2010-10-03 22:19:57
主宰者のコメントを本文に加えました。
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