禁断の木の実 生命の木
X
the one .............. the other
あるサイトで、第二ニーファイ2:15の訳文に疑問が寄せられた。
「禁断の実に対しては命の木というようであって、
前者は甘く、後者は苦かった」(1995年平成訳)
(2009年版は「一方」「他方」としているが同じ意味に取ることができる)
禁断の実が甘く、命の木(の実)は苦いというのはおかしいのではないか、というのである。英文の原文はこうなっている。
even the forbidden fruit in opposition to the tree of life;
the one being sweet and the other bitter.
これは、the one, the other がそれぞれどれを指しているのかという統語上の点と、甘い味がするのはどちらで苦いのはどちらかという意味上の点が問題となっている。
答えは、the one が命の木、the other が禁断の実を指すという、まれな古文体の形*であり、意味の点でも命の木の実が甘く、禁断の実が苦いと取るべきなのである。1995年版は誤訳で、ここでも下記の明治訳が最もよいことが分かった。
「生命の木に對しては禁制の實を設け給ひ、
一は甘くして、一は苦かりき。」
なお、昭和訳も次のようになっていて、捨て難い。
「禁断の実に対して生命の木があって
これは甘く かれは苦かった。」
この例からも、翻訳に当たっては原文の形式(文法)と意味上の妥当な解釈(前後関係の文脈と広い文脈から見た理解を含む。[ここでは命の木の実が苦いはずがない])の両面から臨まなければならないことがわかる。
*[資料] 石崎陽一「アーリーバードの収穫」2014.08.09掲載の
“the one: the other = the latter: the former の場合”
one と the other は「一方」と「他方」の意味と解されるのに対し、the one と the other は「前者」と「後者」の意味で用いられるので注意が必要です。
また、「後者」と「前者」に解さねばならない場合もあります。
この点に関し、『英語語法大事典』(大修館書店、1966年、pp.227-8)より備忘のため書き留めておきます。
the one と the other が前に出た名詞に個別的に言及するときに、ⅰ)the former, the latter となる場合と、ⅱ)the latter, the former となる場合とがあります。ⅰ)が、古くからのより自然な用法で、ドイツ語にもフランス語にも見られます。ⅱ)はラテン語の hic(this), ille(that)、あるいは英語の this, that に影響されたものとされています。(中略)
that が the former に、this が the latter に用いられる用法は古文体で、今は文語体にしか用いられないと OED に見られます。
X
the one .............. the other
あるサイトで、第二ニーファイ2:15の訳文に疑問が寄せられた。
「禁断の実に対しては命の木というようであって、
前者は甘く、後者は苦かった」(1995年平成訳)
(2009年版は「一方」「他方」としているが同じ意味に取ることができる)
禁断の実が甘く、命の木(の実)は苦いというのはおかしいのではないか、というのである。英文の原文はこうなっている。
even the forbidden fruit in opposition to the tree of life;
the one being sweet and the other bitter.
これは、the one, the other がそれぞれどれを指しているのかという統語上の点と、甘い味がするのはどちらで苦いのはどちらかという意味上の点が問題となっている。
答えは、the one が命の木、the other が禁断の実を指すという、まれな古文体の形*であり、意味の点でも命の木の実が甘く、禁断の実が苦いと取るべきなのである。1995年版は誤訳で、ここでも下記の明治訳が最もよいことが分かった。
「生命の木に對しては禁制の實を設け給ひ、
一は甘くして、一は苦かりき。」
なお、昭和訳も次のようになっていて、捨て難い。
「禁断の実に対して生命の木があって
これは甘く かれは苦かった。」
この例からも、翻訳に当たっては原文の形式(文法)と意味上の妥当な解釈(前後関係の文脈と広い文脈から見た理解を含む。[ここでは命の木の実が苦いはずがない])の両面から臨まなければならないことがわかる。
*[資料] 石崎陽一「アーリーバードの収穫」2014.08.09掲載の
“the one: the other = the latter: the former の場合”
one と the other は「一方」と「他方」の意味と解されるのに対し、the one と the other は「前者」と「後者」の意味で用いられるので注意が必要です。
また、「後者」と「前者」に解さねばならない場合もあります。
この点に関し、『英語語法大事典』(大修館書店、1966年、pp.227-8)より備忘のため書き留めておきます。
the one と the other が前に出た名詞に個別的に言及するときに、ⅰ)the former, the latter となる場合と、ⅱ)the latter, the former となる場合とがあります。ⅰ)が、古くからのより自然な用法で、ドイツ語にもフランス語にも見られます。ⅱ)はラテン語の hic(this), ille(that)、あるいは英語の this, that に影響されたものとされています。(中略)
that が the former に、this が the latter に用いられる用法は古文体で、今は文語体にしか用いられないと OED に見られます。
アルマ・O・テイラー訳と載っている文語訳モルモン経
知り合いから譲り受け読んだ感動は忘れられません。
聖餐会のお話で朗読したほど。
http://www.ldschurch.jp/2009-sep-01
翻訳されたモルモン書の見直しをしてくれる人物を探す。著名な作家である夏目金之助氏(訳注──夏目漱石の本名)を訪ねた。夏目氏はこの仕事を引き受けられないと言い,生田弘治という人を推薦してくれた。
・・
この出会いが『モルモン書』の日本語版を完成へと続く転回点となる。当時弱冠26歳のこの青年が,後に大正時代の最高の論客の一人と言われ,翻訳家,小説家としても文壇に影響を与えた生田長江であるとは,テーラー長老は知る由もなかった。
ーーー
ニーチェの詩集とか翻訳しているらしく、えらく名文なのもうなずけます。
読めばわかりますが昭和訳のは生田長江さんの訳をなぞった感じ。
そもそも英語版のモルモン書は欽定訳の古い英語を真似ているのだから、文語体のモルモン経が最も優れた翻訳かと。
聖書の文語訳があるようにモルモン書の文語訳版も発売熱望のオムナイです。
食ってもないものが、苦いも甘いも分かるわけねー
そんなのは翻訳以前の問題です。
(・∀・)イイネ!
世の中的には禁断の実こそがもっとも甘い果実なのでしょうがw
A(禁断の実)B(命の木)><B’(甘く)A"(苦い)
的に例の対句法表現てことはないのでしょうか? NJさん
何の根拠もないのではありませんか?
そういう思い込みが先にあったのでしょう。だから翻訳がおかしいのではないか、という疑問が湧いてきたと考えられます。
語順の上から見れば、交差対句法に合っています。英語の古語法でそれに沿っているのかも知れません。
アラン・ドロンさん
古来、古い文明に登場する命の木の伝承から言っても、不吉なものを表すものではなく、望ましいもの、命を与えるものの象徴であることに異存はないでしょう。信仰者がヘブライ人も含めて甘美なものと受けとめていたと考えて何の不思議、疑念があるでしょうか。思想、信仰を考察してきた人であれば、常識ではないでしょうか。
アダムとイブが命の木の実を食べないようにケルビムと回る炎の剣が置かれましたが、甘くて美味しいのだから食べられないようにそうやって厳重に守らないといけなかったのでしょうね。
一方の禁断の実は、善悪を知る知恵を手に入れるものです。これは苦い。なるほど確かに物事の事実を受け入れることは苦くて辛いものです。だから普通の人は避けて通るのですね。エデンの園の中央にあってもアダムが食べようとしなかったように、目の前にあっても人はそれを食べようとしない。サタンの誘惑でもなければ決して食べようと思うことはないのでしょう。
私もある事についての真実を受け入れるには大変苦い思いをしたものです。その経験と重ね合わせてみると、善悪を知る知恵はやはり「苦い」と言うのが正しいかも知れませんねェ・・・。
アダムにとってそれが最良の選択だったように、私にとってもその経験が最良の選択だったことも同じです。
関心のある他地域の方のご参加をお待ちしています。
午後1時―4時 会場、東京 高田馬場 エムワイ会議室
”
http://blog.goo.ne.jp/numano_2004/e/e3a43058f19a64ccc47bf7278fcb027b
東京都新宿区高田馬場1-29-9 TDビル3F
https://www.kaigishitu.com/streetview/00201022001.html
{m_0151/}
今までの経験ではこの部屋くらいでちょうどなのですが。
>命の木の実は、食う前に追い出されて食ってないはずですよ。
2:9また主なる神は、見て美しく、食べるに良いすべての木を土からはえさせ、更に園の中央に命の木と、善悪を知る木とをはえさせられた。
2:16主なる神はその人に命じて言われた、「あなたは園のどの木からでも心のままに取って食べてよろしい。
2:17しかし善悪を知る木からは取って食べてはならない。
ーーー
となってますから、命の木の実も当然食べたんでしょうね。
あらんどろんさん(記)
>ケルビムと回る炎の剣が置かれましたが、甘くて美味しいのだから食べられないように
3:22主なる神は言われた、「見よ、人はわれわれのひとりのようになり、善悪を知るものとなった。彼は手を伸べ、命の木からも取って食べ、永久に生きるかも知れない」。
甘くて美味しいからというより、禁断の実を食べてから命の木の実を食べるという物語上の矛盾を解決しているんでしょうね。
裏技禁止というか、救いの道に王道は無いということなんでしょう。
3:24神は人を追い出し、エデンの園の東に、ケルビムと、回る炎のつるぎとを置いて、命の木の道を守らせられた。
ジェームディーンの「エデンの東」ってここから来ていると知ったのは恥ずかしながら成人してから。
考えてみれば園の中央に命の木があって東側に一本道しかないということになりますか。
ところで禁断の実はアダムとイブがイチジクの葉で裸を隠したところからイチジクの実とも言われます。(諸説あり)
では命の木の実は?
棗椰子(ナツメヤシ)ではないでしょうか!
古代から栽培され、果実としては異常に寿命が長く世界一甘い果実だそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ナツメヤシ
メソポタミアや古代エジプトでは紀元前6千年紀にはすでに栽培が行われていたと考えられており、またアラビア東部では紀元前4千年紀に栽培されていたことを示す考古学的証拠が存在する。ウルの遺跡(紀元前4500年代−紀元前400年代)からは、ナツメヤシの種が出土している。
・・
樹の寿命は約100年だが、場合によっては樹齢200年に達することもある。