【 酉・鶏の文字の語源 】
「酉」・・・酒甕・酒壺を象った象形文字。壺の中の二本の
横線は、酒が壺の中に入っている様子を表す。
万物が熟し実る様子から
“成る”“老いる”“革新”とかの意味がある。
昔は酉も酒も同義語に用いられ、
『説文』によると「酉」も「酒」も同音で
“就”(しう)と解釈しているが、
後世では、「酒」“しゅ”と切り離して「酉」を“ユウ”
と別の音読みをするようになった
「酉」・・・十二支の第10番目
〔方角〕 西
〔時刻〕 午後6時(または午後5時~午後7時の間)
〔季節〕酒の原料となる黍の成熟する8月を意味する
「鶏」・・・右の旁(つくり)は鳥の象形で、偏の方は音付であり、
“ケイ”という音(おん)を表すためだけのものにすぎない。
ケイという音は、ニワトリの鳴き声“ケケコッコー”にちなむ。
昔はニワトリを“家鶏”(かけ)と読ませている。
これは泣き声によってつけたトリの古名で、
催馬楽歌(さいばらうた)にも
「にはっとり、かけろとなきぬ」とある。
東洋古代の農業社会においては、
元旦は鶏旦、鶏明、鶏日などと呼んでいた。
大阪天満宮の天神さんの
正面の天井に十二支の方位板があり、
各干支の十二支獣が描かれているが、
西方の「酉」のところはニワトリではなく、
鳳凰である。
ここでは、絵馬も鳳凰。
『十二支のE~話』『(続)十二支のE~話』
戸出 武著:参照