「章姫」
■章姫 あきひめ とは
●静岡県の登録品種いちご
「章姫(あきひめ)」は静岡県静岡市の故萩原章弘(はぎわらあきひろ)氏が1985(昭和60)年に「久能早生」に「女峰」を交配し、生まれたものから選抜を繰り返し育成された品種で、1990(平成2)年に登録出願され、1992(平成4)年に品種登録されました。出願時の名称は育成者の名前そのままの「章弘」でしたが、「章姫」で登録されています。
静岡や愛知では、これまでの「女峰」代わって、8割から9割がこの品種になっているようです。2017年頃は滋賀県でも「章姫」を中心に栽培されています。
また、産地でのブランド化が進められ、品種名ではなく産地のオリジナル商標名での流通も多く見られます。
●章姫(あきひめ)の特徴
「章姫(あきひめ)」果実はやや大きく、細長い円錐形をしていて、果肉は表面に近い部分が薄いピンクで果心部分は白いです。
酸味が少なく、その分糖度以上に甘く感じるいちごです。また、果肉が柔らかめで果汁が多く食味は良いのですが、春先に果実糖度・硬度の低下が顕著という課題も持っています。
農林水産省の品種登録データベースには以下の通り記載されています。
『-----
果実の大きさは大、果形は長円錘、乱形果の形は双頭状、第1果と第2果の果形の差は少、無種子帯はほとんどなし、ネックの有無は無である。
果皮色は濃橙赤(JHSカラーチャート0707)、へた下の着色の難易は中、果実の光沢は良、そう果のおち込みはややおち込み小である。
果実の硬さは中、果肉色は淡紅、果心の色は白、空洞はかなり小である。
可溶性固形物含量は高、酸度はかなり低、果実の香りは中である。
成熟期はやや早、成熟日数は中、季性は時々四季成、耐暑性及び耐低温性は高、休眠性はかなり短である。
「女峰」と比較して、果心の色が白であること、酸度が低いこと、成熟期が早いこと等で、「久能早生」と比較して、果実の光沢が良いこと、果肉色が淡紅であること、果心の色が白であること、可溶性固形物含量が高いこと、酸度が低いこと等で区別性が認められる。
-----』以上、抜粋。
●実際に食べてみた章姫(あきひめ)の食味
「章姫」は大きい割りに中心部の空洞は出来にくく、あっても僅かです。
果肉はやや柔らかくジューシーで、酸味が少なくその分甘さを感じます。章姫に限ったことではありませんが、この品種は特に栽培環境などによってものすごく甘いものから水っぽいものまで甘さの差が大きいように感じます。
表皮が柔らかく痛みやすいので、保存の際は要注意です。
トータル的に見て、形が綺麗に整っていて味も非常によく、ケーキなどのトッピングにも向いている品種です。
*https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/fruit/Strawberry-Akihime.htm より
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます