「ほうとう」
主な伝承地域 県内全域
主な使用食材 小麦粉、じゃがいも、かぼちゃ、大根、人参、白菜、しいたけ、長ねぎ、油揚げ、味噌
歴史・由来・関連行事
「ほうとう」とは小麦粉を練り、平らに切った「ほうとうめん」を、たっぷりの具材とともに味噌仕立ての汁で煮こんだもので、「うまいもんだよかぼちゃのほうとう」といわれるほど、誰もが知る山梨県の代表的な郷土料理である。峡南地域では「のしいれ」「のしこみ」とも呼ばれている。稲作が適さない山間で、米に代わる主食として古くから親しまれてきた。そのため、「ほうとうめん」を打つことは、嫁入り修行ともされていた。めんの製造時に塩を混ぜないので、あらかじめゆでて塩分を抜く必要がない。つくる手間がかからず野菜や肉とも相性が良く、栄養価も高い。「ほうとう」は「餺飥」の呼び名で、平安時代から貴族が儀式等で食べていたことが知られている。
食習の機会や時季
通年、日常的に食べられている。
打粉を付けたまま煮こむので汁は粘性があり、冷めにくく、体が温まる食事として、冬場は機会が増える。
飲食方法
小麦粉にぬるま湯を少しずつ加えながらこね、もち状にまとめたら、濡れたフキンをかけてねかす。切った野菜やきのこなど、硬いものから順に煮干しでとっただし汁に入れ、柔らかくなるまで煮こむ。ねかせた生地は打ち粉をしながら薄くのばし、幅広く切って「ほうとうめん」をつくる。切った油揚げと味噌半分の量と、ほうとうめんを入れて煮こむ。ほうとうめんが透き通ってきたら、残りの味噌を加えて味をととのえ、煮立ったらねぎを入れて火をとめ、蓋をして2、3分蒸らす。肉を入れたり旬の野菜やきのこなど具材は好みで良い。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
県内ではたくさんの「ほうとう」の店があり県外からも多くの人が訪れる。山梨県が次世代への継承に取り組んでいく郷土食176品目「やまなしの食」のうち、さらに代表的な47品目としてしぼられた「特選やまなしの食」に選定されている。また2007年に農林水産省が全国各地から選定した「農山漁村の郷土料理百選」のひとつでもある。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/houtou_yama_nashi.html より
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