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<伝統野菜> 山形 民田なす

2021-09-08 06:40:05 | 伝統野菜

 「民田なす-みんでんなす」

 【産地】庄内地域>鶴岡市民田とその周辺地区

 【特徴】早生系の丸なすで、葉は小ぶりで草丈がやや低い。手のひらに乗るくらいに成長したところで収穫する。卵型で果皮が堅く、果肉のしまりが良い。

 【食味】皮は硬いが果肉にしまりがあるため歯ざわりが良いため、浅漬け、からし漬け、味噌漬け、一夜漬けなど漬物として食べられる。

 【来歴】鶴岡市民田地区が特産地で、江戸時代初期から栽培されている。江戸時代、民田地域の八幡神社の社殿を作る際に京都の宮大工が種を持ち込んだと言われている。京都から外内島・小真木を経由して19世紀に民田に導入された可能性がある。

 【時期】6月下旬~10月上旬

*https://tradveggie.or.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1%E9%87%8E%E8%8F%9C%E2%80%9506-%E5%B1%B1%E5%BD%A2/#i-65 より

 

 鶴岡市民田といえば、有名なのが民田なす。昔から地元の人々に親しまれている夏の風物詩として食卓に並ぶほか、漬物やお菓子などのお土産品となり、藤沢周 平作品にも数多く登場しています。しかし、以前は、民田なすを民田で栽培していた人は少人数で、少量の出荷しかなかったのです。
 民田在住の五十嵐一雄さんが、そんな民田なすの危機的状況を知るきっかけは、小学校の先生を務める友人からの一言でした。「自分が担任している子どもた ちに、地元の特産野菜の民田なすの畑を見せてもらいたいんだが・・・」その頃だだちゃ豆の栽培に取り組んでいた五十嵐さんは地元の民田なすの生産者のもと を訪れます。しかし、当時、最大の栽培面積を誇る生産者でもわずか6アール程度しか栽培していませんでした。「さみしいなーと思った。」五十嵐さんは振り 返ります。「これでは子どもたちに民田なすの畑を見せられない。民田なのに、民田なすといえるほどの生産量はなくなってたんだ。」と気がつきました。地元 の危機を感じた五十嵐さんは、真っ先に民田なすの栽培に取り組みました。しかし、民田なすで採算を取ろうと試みると最低でも30アール、約2500本前後 の作付けが必要でした。当時、それほどの大規模な栽培はどこでも行われていなかったため、初めての取り組みになりました。
 その頃、時代は『地産地消』の声 が盛んに聞かれはじめ、地元の野菜や在来作物を見直そうとする動きが高まりつつありました。「きっと民田なすはいける・・・」亡くなった祖父が、かつて民 田なすの栽培に一生懸命取り組んでいたことを思い出し、民田なすの力を信じて一からの出発に挑みました。
 初めの頃は手探り状態での栽培でしたが、経験を積み重ねるうちに徐々に収穫量も増え始め、今では五十嵐家を代表する作物に成長しました。「土づくりはも ちろん大切だが、適地適作っていうように、民田なすがこの地に定着したわけがわかる気がする。作物に適した風土ってもんがあるんだなー。」畑は金峰街道沿 いにあるため、夏の収穫期には内陸からの海水浴客らの目にとまります。

 作業中、山形ナンバーや県外ナンバーの車が隣にとまり、「これ、民田なす?ちょっと 譲ってもらえませんか?」と知らない人からも声をかけられるようになりました。「民田なすって知ってるんだー、と思うと嬉しい」と五十嵐さんはおっしゃいます。民田なすとともに五十嵐さんも多くのメディアに登場されています。今では「民田の民田なすと言ったらオレかな。」嬉しそうに教えてくださいました。
 五十嵐さんは在来作物や食育の推進のため、近くの保育園に畑を貸しています。「子どもたちが畑仕事する景色の中に、民田なすがある。」優しいまなざしが 地域の子どもたちにも向けられています。地元の小学校では民田なすのバケツ栽培に取り組むこともあったそうです。民田なすを通して在来作物の大切さを知ってもらいたい。五十嵐さんは、さらなる技術の向上と民田なすの広がりを思いながら、民田なすの栽培に取り組みます。

*https://syokunomiyakoshounai.com/ingredient/ingre-03/009.html より


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