ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『 日本が軍事大国になる日 』 - 21 ( フィリピン軍の内情 - 2 )

2022-03-03 13:46:49 | 徒然の記

 ウクライナから隣国のポーランドへ、難を避けて逃げる人々の様子が、テレビで報道されていました。親たちと一緒に逃げている子供たちは、三、四歳だったでしょうか。

 涙を浮かべ、泣き顔でした。こんな幼い子供たちが、プーチンと EUの紛争の犠牲になっていることに、胸が痛みます。「この子たちを救うために、自分のできることがあれば何でもしたい。」と、今朝方見たネットで、80代の女性の方が書いておられました。

 NHKの国会中継では、立憲民主党の議員が岸田総理に迫っていました。

 「日本も、ウクライナの難民を受け入れなくていいんですか。」「彼らに手を差し伸べないのですか。」

 しかし私は、立憲民主党の議員の意見には賛成しませんでした。人道的なことを言いながら、日本を崩壊させるこの政党には、信頼が置けません。共産党と手を組み、彼らは「共生社会」「多様性の社会」と言いながら、「外国人参政権付与」や「住民投票権付与」など、およそどこの国もしていないような制度を、日本に作ろうとしています。

 外国人を多数入国させ、地方を彼らに混乱させ、地方の政治を左傾化し、やがて国政を不安定にしようとする彼らですから、反日野党の言う「難民受け入れ」は、眉に唾して聞く必要があります。武蔵野市の左翼市長松下玲子氏が、住んでいる外国人なら誰でも住民投票に参加させると言い出し、「従民投票法改正案」を作りました。

 幸いにも議会の多数が反対し、法改正できませんでしたが、この事例が『昭和天皇拝謁記』のなかで、陛下が心配しておられた「蟻の一穴」です。一つの地方都市で成功すると、真似をする左傾の地方議員が次々と出てきます。全国の地方議会で「従民投票法」を改正すれば、外国人を扇動し地方政治に紛争の種が撒けます。

 本気で難民を支援したいのなら、日本への受け入れを言う前に、ポーランド、ブルガリア、ルーマニアなどの周辺国へ、難民受け入れの資金援助を提案する方が理に叶う意見です。

 日本のように言葉の通じない遠い国で、宗教も生活習慣も違うところで受け入れるより、幼い子供も含めた難民の人々には、近隣の国への避難の方が何倍も安心できます。「平和憲法を守れ」と言うスローガンと同じで、彼らの意見は、美しいだけで中身がありません。

 本気でないから、できそうもない綺麗ごとを喋り、岸田政権を困らせています。相変わらず野党は現実論を提案せず、国会論戦を無意味なものにしています。だからテレビのスイッチを、切りました。

 本日も「フィリピン軍の内情」に入る前に、切迫した世界情勢に触れました。自民党も、本気で難民への支援を検討するのなら、口先野党に言われる前に、ウクライナの近隣諸国と交渉すれば良いのです。それをしないのなら、野党だけでなく自民党も頼りない政党ではないでしょうか。

 113ページですが、フィリピン軍の内情も切羽詰まっています。武器を買っても現金がないため、鯖の缶詰とバナナで支払いたいと交渉しています。イギリスとロシアとの交渉ですが、実現しなかったそうです。 

 本題に入る前に、軍の構成をベトナム、日本と比較してみます。

  フィリピン軍    陸軍 7万2千人  海軍 2万3千人  空軍 1万5千人

  ベトナム軍   陸軍 110万人     海軍 3万6千人  空軍 2万人

  自    衛   隊   陸軍 13万8千人    海軍 4万3千人  空軍 4万3千人

 こう言う経済状況のフィリピンなのに、世界の国は兵器の売り込みを断念していません。イギリスとロシアだけでなく、米国、フランス、イタリア、ドイツ、チェコなどの名前が上げられています。

 江畑氏は、陸海空軍別に購入兵器の名称、数量、性能、金額を詳しく説明していますが、私には概要で十分です。前回同様、要点のみを箇条書きにして紹介します。

 ・1993 ( 平成5 ) 年の国防予算は211億ペソで、国防予算に占める割合は、約7%である。

 ・ドル換算で、8億4400万ドルしかない。

 ・空軍の戦闘機は5機あるが、本書執筆時に確認したところ、飛べる状態にある機は不明である。

 ・事実上フィリピン空軍は、壊滅している。

 ・海軍は財政難から、当面は大型水上艦の購入は無理と考えられる。

 ・6隻のミサイル高速艇 ( 396トン ) を、スペインとオーストラリアに注文したが、実際には一隻ずつの購入で、残りはフィリピン国内で生産すると言うもの。

 ・代金の支払いは、政府間ローンと貿易の相殺で行われ、一番艇は1994 ( 平成6 ) 年に引き渡される予定である。

 ・今世紀末までに50億ドルを、国防近代化計画に投ずる予定であるが、この程度の予算でどこまで近代化ができるのか、大きな疑問がある。

 ・従来米国製兵器が主流であったが、米国との関係が変化し、他国製兵器が入り始めている。

 ・米国主流を止めたのは、リスク分散という優れた面があると当時に、「安ければ良い」という要素も存在する。

 経済力がないと、軍の近代化はできないという具体例として読みました。冷戦後は国内の治安より、空と海からの外敵への対応力が重視されると言いますが、フィリピンはいずれもできていません。

 これに政治家の腐敗が重なり、軍事予算が彼らの懐へ消えるというのですから、国民にとっては「泣き面に蜂」です。

 日本には、軍事予算を自分のものにするような政治家がいません。野党やマスコミの監視が厳しいからだと言いたい人もいるのでしょうが、モラルの高さは、ご先祖から引き継いだ国民性です。得意になるより、ご先祖さまに感謝したいと思います。

 まだマレーシア、シンガポール、インドネシアと続きますが、もう少し割愛して報告できないものかと、考えています。ウクライナ情勢の方が切実なニュースですから、過去のアジアに興味のない方は、スルーしてください。

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