東日本大震災時の福島原発の事故につき、もう一度考えてみましょう。原発そのものが、地震の影響で倒壊したのではありませんでした。想定していた最高水位6.1メートルを、はるかに超える高さ約13メートルの大津波に襲われ、建屋内の原子炉を運転・制御するための電源を喪失したのが原因でした。
つまり、津波に対する防護が脆弱であったことが原因です。大事故以後の対策が、原子炉制御装置を津波から守るための設備改善に重点が注がれ、事故の対策は終わっています。
今回政府が言えなかったことを、代弁しますと、次のようになります。
「休止中の原発を稼働させれば、緊急節電要請の必要がなくなります。」
たったこれだけのことが、政府は言えないのです。「憲法改正」「女性宮家反対」の意見が世間に広まった時、反日マスコミが「同調圧力」と言って批判しました。政府の宣伝に惑わされ安易に賛成したと言って、彼らが国民を蔑視した時に使った用語です。
しかし「過剰な原発アレルギー」にも、同じことが言えます。両論併記の客観報道ができなかったマスコミも、「同調圧力」に負けたのです。
「休止中の原発を稼働させれば、緊急節電要請の必要がなくなります。」と、彼らはこれだけのことを、国民に伝える勇気がありませんでした。
経済産業省が発表している〈 2018年の電源構成 〉と、〈 2030年の電源目標 〉の資料を見れば、誰にでも分かる事実です。
〈 2018年の電源構成 〉
火力 77% 原子力 6% 再生エネルギー 17%
〈 2030年の電源目標 〉
火力 41% 原子力 20~22% 再生エネルギー 36~38%
脱炭素社会実現のため、経産省の専門家たちが検討した、現実的な数字です。火力発電の比率を落とし、再生エネルギーの比率を高めるには、現状では原子力発電所の比率を上げるしかありません。
ブラックアウトによる、国民生活の混乱と破壊を最小限に抑えるための、当面の数字です。中国の太陽光発電で儲けようとしている小泉親子や、河野フアミリーに忖度する必要がなければ、荻生田氏も経産省の数字を上げ、国民に説明できたのかもしれません。
政権が腐敗しているのは、タイやミャンマーだけの話ではありません。江畑氏の著書を丁寧に読めば、日本の現実が見えてきます。
だから私は、経済産業省の専門家たちを代弁し、率直に言うことにしました。
「休止中の原発を稼働させれば、緊急節電要請の必要がなくなります。」
息子たちと「ねこ庭」を訪問された方々がどう思われるのか、忌憚のないご意見を期待しつつ、結論を言いました。結論を出しましたので、これで終わりです。