ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

「政府の緊急節電呼びかけ」についての結論

2022-03-23 23:16:47 | 徒然の記

 東日本大震災時の福島原発の事故につき、もう一度考えてみましょう。原発そのものが、地震の影響で倒壊したのではありませんでした。想定していた最高水位6.1メートルを、はるかに超える高さ約13メートルの大津波に襲われ、建屋内の原子炉を運転・制御するための電源を喪失したのが原因でした。

 つまり、津波に対する防護が脆弱であったことが原因です。大事故以後の対策が、原子炉制御装置を津波から守るための設備改善に重点が注がれ、事故の対策は終わっています。

 今回政府が言えなかったことを、代弁しますと、次のようになります。

 「休止中の原発を稼働させれば、緊急節電要請の必要がなくなります。」

 たったこれだけのことが、政府は言えないのです。「憲法改正」「女性宮家反対」の意見が世間に広まった時、反日マスコミが「同調圧力」と言って批判しました。政府の宣伝に惑わされ安易に賛成したと言って、彼らが国民を蔑視した時に使った用語です。

 しかし「過剰な原発アレルギー」にも、同じことが言えます。両論併記の客観報道ができなかったマスコミも、「同調圧力」に負けたのです。

 「休止中の原発を稼働させれば、緊急節電要請の必要がなくなります。」と、彼らはこれだけのことを、国民に伝える勇気がありませんでした。

 経済産業省が発表している〈 2018年の電源構成 〉と、〈 2030年の電源目標 〉の資料を見れば、誰にでも分かる事実です。

   〈 2018年の電源構成 〉

  火力  77%        原子力  6%                再生エネルギー  17%

   〈 2030年の電源目標 〉

  火力  41%        原子力  20~22%             再生エネルギー  36~38%

 脱炭素社会実現のため、経産省の専門家たちが検討した、現実的な数字です。火力発電の比率を落とし、再生エネルギーの比率を高めるには、現状では原子力発電所の比率を上げるしかありません。

 ブラックアウトによる、国民生活の混乱と破壊を最小限に抑えるための、当面の数字です。中国の太陽光発電で儲けようとしている小泉親子や、河野フアミリーに忖度する必要がなければ、荻生田氏も経産省の数字を上げ、国民に説明できたのかもしれません。

 政権が腐敗しているのは、タイやミャンマーだけの話ではありません。江畑氏の著書を丁寧に読めば、日本の現実が見えてきます。

 だから私は、経済産業省の専門家たちを代弁し、率直に言うことにしました。

 「休止中の原発を稼働させれば、緊急節電要請の必要がなくなります。」

 息子たちと「ねこ庭」を訪問された方々がどう思われるのか、忌憚のないご意見を期待しつつ、結論を言いました。結論を出しましたので、これで終わりです。

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「政府の緊急節電呼びかけ」についての疑問 -3

2022-03-23 17:31:30 | 徒然の記

 北海道がブラックアウトした時、ネットではマスコミの伝えない情報が発信されていました。

 ・停止されている原発が稼働していたら、北海道のブラックアウトは発生していなかった。

 東日本大震災時に福島原発で大事故が発生して以来、全国の原発が停止・総点検されました。原発事故が全国民の肝を冷やしましたので、当然の措置ですが、これから先が「異次元空間」日本の始まりです。

 世界で唯一の被爆国である日本に原発は不要だと言う、左翼勢力の活動が瞬く間に世間に広がりました。つまり北海道のブラックアウトは、動かせる原発も停止したままだったからだと言うのが、ネットの情報でした。

 「原発の即時撤廃」「脱原発」と叫ぶ勢力に与しているのが、主として反日左翼政党です。迎合する著名な政治家が5人いて、総理大臣経験者の小泉純一郎、細川護煕、菅直人、鳩山由紀夫、村山富市氏らは、今年の2月連名で、EUに脱原発を促す書簡を送りました。

 事実に反した意見だったため、EUで相手にされず、日本国内では顰蹙 ( ひんしゅく ) を買いました。現実を直視せず観念的理想論に走る人物が、5人も首相になっているのですから、これだけでも「異次元空間」の日本と言えます。

 5人の元首相はもちろん馬鹿でなく、頭脳明晰な政治家たちですが、共通している点が2つあります。「国を愛する心の欠如」と「常識の欠如」です。

 長い前置きとなりましたが、荻生田氏が曖昧な説明しかできなかったもう一つの理由が、これだったのではないでしょうか。国民の中に広がっている過剰なまでの原発アレルギーと、これに迎合する政治家とマスコミ。

 関東・東北地方の原子力発電所が、現在どのような状況にあるのかを、原子力規制委員会の資料から紹介します。

  ・東北電力(株)       東通原子力発電所1号機     停止中(定期検査中)

                  女川原子力発電所1号機     廃止措置中

               女川原子力発電所2号機     停止中(定期検査中)

               女川原子力発電所3号機     停止中(定期検査中)

  ・東京電力(株)       柏崎狩羽原子力発電所1号機    停止中(定期検査中)   

                                           柏崎狩羽原子力発電所2号機  停止中(定期検査中)

                                           柏崎狩羽原子力発電所3号機  停止中(定期検査中)

                                           柏崎狩羽原子力発電所4号機  停止中(定期検査中)

                                           柏崎狩羽原子力発電所5号機  停止中(定期検査中)

                                           柏崎狩羽原子力発電所6号機  停止中(定期検査中)

                                           柏崎狩羽原子力発電所7号機  停止中(定期検査中)

                                           福島第一原子力発電所1号機  廃止

                                           福島第一原子力発電所2号機  廃止

                                           福島第一原子力発電所3号機  廃止

                                           福島第一原子力発電所4号機  廃止

                                           福島第一原子力発電所5号機  廃止

                                           福島第一原子力発電所6号機  廃止  

                                      福島第二原子力発電所1号機  廃止措置中

                                       福島第二原子力発電所2号機  廃止措置中

                                       福島第二原子力発電所3号機  廃止措置中

                                       福島第二原子力発電所4号機  廃止措置中

 「廃止」「廃止措置中」と表示されているのが、事故を起こした原発と老朽化のため廃炉が決定した施設です。「停止中(定期検査中)」と書かれているのは、稼働可能だが、地域住民、県知事、政治家などの反対で停止されている原発です。

 今回で最後と予定していましたが、ここで終わると政府発表のような曖昧さになります。原子力規制委員会の資料が予定外のスペースを取りましたが、省略するとブログの中心がなくなります。

 次回を結論といたしますので、関心のある方だけ足をお運びください。

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「政府の緊急節電呼びかけ」についての疑問 - 2

2022-03-23 12:53:28 | 徒然の記

 福島県にある二つの火力発電所が停止したくらいで、首都圏全域がブラックアウトになる ?  ・・ニュースに疑問を抱く私は、他のニュース番組を探しました。すると、萩生田経済産業相の談話ニュースにぶつかりました。

 「すでに12の火力発電所が止まり、新た2ヶ所の火力発電所が停止したため、」

 なんだ14ヶ所の火力発電所だったのかと、納得する反面で、NHKの報道の杜撰さに驚きました。『昭和天皇拝謁記』の違法報道以来、NHKへの怒りが溜まっていますから、許せなくなります。

 萩生田経産省も国民に節電要請をするのなら、なぜ14ヶ所の火力発電所が一斉に停止したのか、まずはその事実を説明すべきでしょう。北海道のブラックアウトについて「資源エネルギー庁」が丁寧に解説していたように、発電所ごとの発電能力を語れば、節電要請の緊急度が分かります。

 大臣が説明していたのに、NHKが省略したというのなら、大問題です。前回紹介しましたが、「資源エネルギー庁」の説明を再転記します。

 「大まかに言うと、以下のような順番で発電所が停止してしまいました。」

リストアイコン ① 苫東厚真火力発電所(2号機・4号機)の停止(116万kW)
リストアイコン ② 風力発電所の停止(17万kW)
リストアイコン ③ 水力発電所の停止(43万kW)
リストアイコン ④ 苫東厚真火力発電所(1号機)の停止(30万kW)
リストアイコン ⑤ ブラックアウトの発生

 「資源エネルギー庁」は経産省が管轄する組織ですから、氏が指示すればデータが出るはずです。14ヶ所の火力発電所について、同じデータの提出をなぜ指示しないのでしょう。ブラックアウトという事態が東京で起こればどうなるのか、知らない氏ではないでしょうに。それとも大事態だから説明を省略し、緊急の依頼を優先したとでも言うのでしょうか。

 どうして政府は国民にこんな曖昧な説明をするのか、何を隠しているのかと、疑問が広がります。「ねこ庭」は、反日野党が政府を追及する場所でなく、息子たちや、訪れている方々と疑問点を考える場所です。だから、政府の立場で想像もします。

 担当大臣が国民に説明できない理由の一つとして考えられるのが、 世界の流れに遅れるなと、岸田総理が広げた理想のスローガン「脱炭素社会」です。

 「クリーンエネルギー」「再生可能エネルギー」「環境にやさしいエネルギー」と美しい言葉が国民を魅了し、夢を掻き立てる報道をマスコミが溢れさせている時、萩生田氏が、14家所の火力発電所の停止理由を説明したら、どうなるのか。

 「脱炭素社会と言いながら、まだ14ヶ所も火力発電所が動いていたのか。」

 「一度の地震で同時に動かなくなるなんて、どんな管理をしているんだ。」

 「さっさと火力発電所を廃止しないから、こんなことになる。」

 文句を言う無責任な国民がいるでしょうし、マスコミは激しく政府や電力会社を批判し、大見出しの記事が日本中に溢れるでしょう。・・だから担当大臣は詳しい説明ができないのかと、そんな気もします。

 しかし14ヶ所の発電所が停止する事態は異常ですし、国の安全管理体制の脆弱さも示しています。監督官庁の経産省と電力会社が批判されても、事実は国民に知らされるべきではないでしょうか。多くの国民は「エネルギー問題」の困難さを知っていますから、説明さえあれば理解して協力します。

 「グリーンエネルギー」や「再生可能エネルギー」、「環境にやさしいエネルギー」が目標だとしても、そこに至るまでは現実的手順が要ります。マスコミや「お花畑」に住む善意の国民が熱狂しても、現実を語る勇気を失わないのが為政者でないのかと考えます。

 萩生田氏の説明の曖昧さについて、今少し思い当たるところがありますので、次回に検討します。「民族問題」への対応に似た、「異次元空間」の日本が見えてきます。緊急節電要請時のため暖房がありませんが、厚着をして「ねこ庭」をご訪問ください。

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