NHKドキュメント『緑なき島』のブログを書いていますが、急遽中断しました。NHKの7時のニュースに続く「クローズアップ現代」を見て、大きな衝撃を受けました。報道のタイトルは、「安いニッポン 若者が海外出稼ぎへ ! 」でした。
NHKの女性アナウンサーの説明では、他国に比べ賃金が安すぎる日本を出て、「ワーキング・ホリデービザ」を利用し、出稼ぎに出ている若者が増えているというものでした。日本では毎月残業をし、全ての時間を仕事に費やしても、月収がおよそ20万円ですが、出稼ぎをすると、残業なしで約50万円が得られるということです。
簡単に言いますと、月額30万円増えるので、100万円貯めるのに4ヶ月あれば良いということになり、日本では考えられない収入です。
「若者たちは、将来に希望の持てない日本に見切りをつけ、海外で短期アルバイトをし、ゆくゆくは永住しようと考えていると言います。」
低賃金のため若者たちが日本を捨てる ?? ・・何のためらいもなく解説するアナウンサーの声の明るさに違和感を覚えるだけでなく、強いシックを受けました。
「日本では、時間の全てを仕事に使い、疲れても頑張りましたが、ここでは残業がないので、自分の趣味や生きがいに時間が使えます。それでも給料は倍以上になりました。自分は今まで何をしていたんだろうと、つい考えます。」
若い女性の声ですが、若者たちの仕事は単純な果実採取や、老人ホームの介護、寿司職人など、日本ではありふれた仕事です。
「日本の若者だけではありません。海外から働きに来ている若者たちも、日本から出ていこうとしています。円安の日本で稼いでも、国へ送金するお金が目減りしているからです。」
楽しそうに話しているのではありませんが、もう日本は先の夢がない国になったと、そう言わんばかりの説明でした。「ワーキング・ホリデービザ」は、世界のどこの国でも出しているのでなく、今のところオーストラリア、ニュージーランド、カナダの3ヶ国で、日本の若者はここに大挙して出かけているとのことです。
「いったい日本は、これからどうなるのか。」
「誰が、こんな日本にしてしまったのか。」
大切な日本をここまでにしたのは、私たち大人の責任です。安い賃金で働いている息子たちや、多くの若者のことを思うと、NHKドキュメント『緑なき島』のブログにかかっている時ではない、という気にさせられます。
しかし息子たちに言います。このブログで検討を試みている、NHKと自民党と反日野党の話は、「低賃金の若者」、「日本を見限ろうとしている若者」の報道と無関係ではありません。日本の現状を知らずに、父はブログを書いているのではありません。2022年の「年収ガイド」の数字を見ると、次のようになっています。
日本の30代の若者の平均年収 531万円
NHK職員の平均年収 1,054万円
NHK職員の年収は、およそ二倍です。簡単に言いますと、一般の若者より年間500万円多いということになります。NHKの職員が貧しい若者のように、余分のお金を貯蓄に回すとしたら、2000万~3000万円貯めるのはそう困難なことではありせん。
「短期のアルバイトで百万くらい金をためて、奨学金の返済に充てるつもりです。将来に返すお金を減らしたいんです。」
苦学生らしい若者の声もありました。私も奨学金を借りて学費に当て、一度に返済できず、就職後4年ほどかかりました。しかし当時は日本が高度成長期で、給料が年々倍増していましたので、さほど苦労せず返せました。
ところが今の政府は、海外からの留学生には毎月多額の生活費を補助し、奨学金も無利子と聞きます。一番多い留学生は中国だそうですが、番組を見ていますと、政府が日本の若者をいかに放置しているかが分かりました。子供庁も重要ですが、現在の若者への温かい施策も大切です。
いろいろ説明をしていますが、NHKのアナウンサーに低賃金に苦しむ若者の気持ちは分からないはずです。貧しい者と裕福な者の格差は、NHKだけの話でなく、日本中にあるのです。
敗戦後の日本は反日左翼と保守勢力が、政界、官界、学界、経済界で常に不毛な議論で対立し、国としてのまとまりがなくなり、有効な政策の遂行が困難になっています。「クローズアップ現代」の報道でも分かるように、なぜ若者たちが高い賃金を求めて外国へ行くのか、原因の追求には取り組んでいません。他人事のように説明する報道を見ていると、自民党の政治が悪くて、自民党を支持する国民にも責任があると、そういうふうに聞こえてきます。
息子たちに言います。果たして自民党とそれを支持する国民だけに原因があるのでしょうか。低賃金の外国人労働者の安易な受け入れや、パート・アルバイトの増加と不安定な生活について、野党が国会で何か政府を追求したでしょうか。賃金の格差是正のため、建設的な提案をしたでしょうか。私の記憶にあるのは、反日左翼の野党とマスコミが、モリカケ問題や桜見の会で安倍内閣を攻撃したこと、安保法制で騒いだこと、日本学術会議の委員任命問題で国会を紛糾させたこと、そんな政争しか記憶にありません。
労働者の暮らしを守ると言う組合が、低賃金に抗議して一度でもストライキをしたでしょうか。自民党と同じように、反日左翼政党も何もしていなかったのです。私に言わせれば、「どっちもどっち」です。
息子たちに言います。父がやっていることは、無関係な、遠回りの分析や検討でなく、こうした現在の問題に直結する原因追求です。NHKと自民党に絞って検討している理由は、この二つの共同体が、日本にとって最も大切な組織だからです。
反日左翼の野党は、もともと日本を崩壊させ、共産主義独裁国を目指していますから、信頼できる組織体ではありません。一党独裁の党が作るのは、習近平氏の中国、金正恩氏の北朝鮮、あるいはロシアのプーチン氏を見れば分かる通り、国民の自由を認めない独裁者の国です。
日本を再生し、若者が希望を持てる国にするためには、左翼思想による「日本憎悪」と「日本否定」を無くすことが出発点となります。自民党もこれまで述べているように、全部が正しいわけでなく、金に目のくらむ政治家がたくさんいます。
けれどもNHKが国民のための公共放送として機能すれば、自民党の軌道修正が可能になります。自民党自体が国民政党として再生すれば、日本は世界のどこの国にも負けない民主主義国家となります。空論でなく、日本はその歴史と伝統がある国なのです。
シリーズを中止し、このようなブログを書いているのは、『緑なき島』のブログが決して無関係なものでないということを、息子たちに伝えたかったからです。