会社が二つの給与データを持っていると知ったのは、全くの偶然でした。毎月所定の給料を得て暮らしていた自分が、定年退職に近づいた時、退職後の暮らしがどうなるのかと、初めて疑問を持ちました。
もらった給料とボーナスでやりくりするのが当たり前と思う私は、貰う額が多いのか少ないのか深く考えずに、会社勤めをしていました。当時は定年退職が60才で、年金支給開始が63才という時でしたから、給料とボーナスの無い生活に不安を覚えました。
市内の社会保険事務所を探し、自分の受け取る年金がいくらになるのかを聞きに行きました。これまでに支払った金額に応じて、年金が支給されるのだとその程度のことしか知りませんでした。平成16年、今から19年前の話です。
今はどうなのか知りませんが、事務所の職員は横柄で、あまり親切でありませんでした。
「定年になったら、月々自分はいくらの年金が貰えるのか。」
正確でなくてもおよその額が知りたいのに、係の男性は回りくどい説明をするばかりで、金額を教えてくれませんでした。来年からの話で、しかも自分が払ってきた厚生年金なのに、なぜ教えないのかと腹立たしかったことを覚えています。
「厚生年金保険料は、貴方の標準報酬月額の13.58%と標準賞与額の13.58%の額が徴収されます。」
「この保険料は全額貴方が払うのでなく、雇用主である貴方の会社と、被雇用者である貴方が半分(6.79%)ずつ国へ収めます。」
私は説明に関心がなく、そんなことはどうでも良い話でした。退職後からいくらの年金がもらえるのか、それを知った上で、家内と息子三人の暮らしを考えなくてなりませんでした。
「つまり厚生年金の支払いは、貴方と会社が折半で払ったということになります。それが今年からは、毎年0.354%ずつ上がります。率にすると会社のアップは0.177%で、貴方も同じ率で上がります。」
係の職員は言葉遣いは丁寧でしたが、今考えるとNHKと同じく慇懃無礼で、最後まで年金額を教えてくれませんでした。手元の資料を見ながら話していましたが、それは私の個人データらしく、入社以来の給料とボーナスの数字が書かれているようでした。
年金額の計算基準となる「標準報酬月額」の存在を、この時知りました。担当者が隠すようにしている書類でしたから、記憶も曖昧ですが、「標準報酬月額」の数字が、低かったことだけは覚えています。
「この金額は、私の会社が出したものですか。」
「もちろんそうです。こちらの方で勝手に作れるものじゃあありません。」
曖昧で残念ですが、その数字は当時私がもらっていた給料の7割か、8割か、そんなところでした。つまり私はこの場所で、会社が二つの「給与データ」を持っていることを知りました。
「標準報酬月額」を低く国へ報告しておけば、会社は少ない負担で済みますし、私も少ない金額を納めるのですから、少なくもらったからと苦情をいうこともありません。
平成26年は小泉内閣の時で、自衛隊のイラク派遣、イラクでの日本人青年殺害事件などがありました。新潟県の中越地震で40年間無事故だった新幹線が、初めて脱線事故を起こしました。日本の人口の自然増がこの年で終わりとなり、総人口のピークが下降線になりました。将来の年金問題が不安視される中で、政治家の年金未納問題が明らかになり、それでも年金法が強行採決されました。
社会保険事務所の担当者とどんな話をしたのかは忘れましたが、最後の言葉は覚えています。
「日本も外国もこれから先どうなるのか、社会情勢が見通せませんので、今の時点で正確な年金額をお伝えすることが難しいのです。大切な年金ですから、不確かなことを言わないようにしています。」
うなづいて帰りましたが、この話し方も、国会議員の質問をはぐらかしたNHKとどこか似ていました。自分の経験からして、役人とNHKの姿勢に好感が持てないのは確かですが、ブログを書いているのは個人的な感情からではありません。NHKが日本の公共放送として使命感と責任を持っているのなら、職員が高額の報酬を得ていても苦情を言う国民はいません。情報戦争の最中にある国際社会で、NHKが日本の国を背負い国民のために情報発信をしているのなら、職員の給与など関心も払いません。
NHKはなぜ国民が怒りの声を上げているのか、そろそろ正しく理解しなくてなりません。国民の受信料で支えられていながら、捏造の反日報道をし、敵対する中国や韓国・北朝鮮に役立つ資料提供をしているところが問題なのです。
「国民の皆様のNHKです。」と建前論を言いながら、反日の報道を続けている一部の経営層の責任を追求しています。多くの国民が疑問を抱き、国会議員が何度質問をしても、のらりくらりと回答をしない不誠実さが見過ごせません。このような傲慢な姿勢が続けられるのは、職員の一存でできることではなく、経営陣の中にそれを是認する反日の人物がいるからです。NHKのドキュメント『緑なき島』のシリーズを、29回にわたり「ねこ庭」で取り上げている理由がここにあります。
「国民の皆様のNHK」として本来の働きに専念してくれれば、誰も苦情を言いません。「二つの給与データ」を持っていて、少ない金額の方を公表しているとしても、問題視しません。「二つの給与データ」は日本中の会社が持っていますから、「赤信号、みんなで渡れば怖く無い」と厚生省も黙認しているのかも知れせん。
何年も続く反日行為と居直りを見ていますと、NHKの自浄能力も期待薄なので、「ねこ庭」の発信がやめられません。
次回は、テレビ業界での年収額をNHKと比較した資料を紹介します。
( 令和5年2月11日20時10分、safariが侵入を阻止したトラッカーが113件。昨日より10件増加しました。)