ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自由民主党の「立党宣言・綱領」- 18 ( 似たような文書が2種類 ? )

2024-12-01 19:41:29 | 徒然の記

 簡単に終われると思っていましたが、「立党55年宣言」は予想以上に複雑でした。

   1. 「 立党宣言 」 ・・ 「 綱領 」「 党の性格 」「 党の使命 」「 党の政綱 」  

     2. 「立党50年宣言」  ・・「新綱領」「新理念」

   3. 「立党55年宣言」 ・・  「現状認識」
 
 前回は「立党55年宣言」に「綱領」が無いと書きましたが、党の公報資料をよく見ますと、「現状認識」の中に「綱領」が含まれていました。
 
 資料のタイトルに「立党55年宣言」の言葉は無く、「立党55年 ( 平成22年 ) 1月24日」という表示の後に「平成22年綱領」とタイトルがあり目次が次のように書かれています。
 
   現状認識
 
    1.  我が党は常に進歩を目指す政党である
 
    2.  我が党の政策の基本的な考え方
 
    3.  我が党は誇りと活力ある日本像を目指す
 
 上記 1. 2. 3. の内容が更に細分化された項目になり、中を読むとこの3項目が従来の「綱領」にあたります。
 
 こうなりますと「現状認識」と「綱領」の上下関係が不明確になり、以前の「立党宣言」の組み立てでは理解できません。
 
 もう一つ複雑にしているのは、【 平成22年綱領解説 】という別の文書があることです。副題が大きな文字で次のように書かれています。
 
 「新しい綱領」
 
 「新たな出発 夢と希望と誇りを持てる国・愛する日本をめざして」

 この文書には「平成22年綱領解説」という名前がつけられ、「新たな綱領策定にあたって、党百年の礎として」と題する谷垣総裁の前書きがあります。

 【 平成22年綱領解説 】の目次は、次のように構成されています。

  〈 平成22年綱領解説 

    一、日本らしい保守主義を理念に再出発・・・更に3項目に別れる

    二、党運営と政策の基本的な考え方  ・・・更に4項目に別れる

    三、自民党の目指す国家像                   ・・・更に4項目に別れる

  〈 平成22年綱領 〉

    現状認識

    一、我が党は常に進歩を目指す政党である  ・・・更に3項目に別れる

    二、我が党の政策の基本的な考え方は次による・・・更に4項目に別れる

    三、我が党は誇りと活力ある日本像を目指す ・・・更に4項目に別れる

 以上の説明を読んで、「平成22年綱領」と【 平成22年綱領解説 】のいずれが正式の「立党宣言」なのか、「ねこ庭」は判断できなくなりました。

 双方の文書には重複した項目が幾つもあり、何のために二種類を作ったのか目的が説明されていません。

 政権与党から野党へ転落して、総裁以下党の幹部が正常な判断力を失い、大慌てで似たような「文書」を作ったのでしょうか。下野したショックの大きさが伺われるとしても、敗戦直後のご先祖の辛苦を考えますと情けなくなります。

 これから「宣言文」の検討に入りますが、二つの文書で作業するのは愚ですから、谷垣総裁の「前文」のある【 平成22年綱領解説 】を取り上げることにします。

 文書を作った谷垣氏がどういう政治家だったのか、また氏と一緒に文書を作った党幹部は誰だったのか。次回はそこから作業を始めようと思います。

 自由民主党が心配でならなくなった方は、次回の「ねこ庭」へお越しください。

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自由民主党の「立党宣言・綱領」- 17 ( 書き忘れていたこと )

2024-12-01 13:50:49 | 徒然の記

 12月になりました。今年最後の月、師走です。いつものように時間が流れ、いつものように暮らしているのに、師走の声を聞くとなぜか気忙しくなります。

 長い生活習慣がそうさせるのでしょうが、面白い気持の変化です。

 昨夜ベッドの中で、ブログに書き忘れていたことがあったのを思い出しました。「慎重に検討作業を進めています。」と言いながら、小泉氏について大切なことを書き忘れていました。

 小泉氏に関して、「ねこ庭」自身はどう考えているのかという、肝心な点を書き忘れていました。「立党55年宣言」に取り掛かる前に、整理しておかなくてなりません。

 ・もしかすると自由民主党が保守政党の看板を、「右でもなく左でもない曖昧なもの」に変えた起点は、小泉氏だったのかもしれないと思えてきました。

 ・「新しい発見」と言ったのは、氏のような政治家が首相になったという事実と、国民が支持していたという不思議な事実です。

 私はこのように述べ、氏への批判を控えました。「政治とは妥協の産物である。」と安倍首相が言い、日本のためにならない法律をたくさん作りました。そのことを思えば政治を行うには、「右でもなく左でもない曖昧な政策」を進めることもあり得ると考えました。

 しかし書き忘れていたのは、次の点でした。「右でもなく左でもない曖昧な政策」を続けるとしても、日本の首相は 2つのことを忘れてはいけません。

   1.  国を守る軍を再建するための「憲法改正」

   2. 日本の歴史と伝統を護るための「皇室護持」 ・・女性宮家、女系天皇への反対 

 ここを整理しないまま「立党50年宣言」のシリーズを終わりますと、息子たちと訪問される方々に、小泉首相の全てを肯定したと誤解されかねません。

 「戦後レジームからの脱却」の旗を掲げていた安倍首相に対しても、「ねこ庭」は是々非々の対応をしてきました。ですから小泉首相についても、同じ姿勢で臨むということです。

  書き忘れていたことを書きましたので、早速「立党55年宣言」の検討に入ります。

 「立党55年宣言」は従前通り、自由民主党のホームページから引用しています。3つの「立党宣言」を比べますと、内容の変化がハッキリします。

   1. 「 立党宣言 」 ・・ 「 綱領 」「 党の性格 」「 党の使命 」「 党の政綱 」  

     2.   「立党50年宣言」・・「新綱領」「新理念」

   3.  「立党55年宣言」・・  「現状認識」
 
 これから検討する「立党55年宣言」には、「綱領」の項目がありません。初めて下野して野党となり、民主党に政権を渡したためにそうなったのか。
 
 この「宣言」が自由民主党の「憲法」なのですから、何をおいても検討しなくてなりません。民主党政権の3年間は「失われた3年間」とも言われ、国民の不評と失望を買った政権でした。
 
 「政界の壊し屋」の小沢一郎氏が政界を操る影の実力者として、やりたい放題をし国民に愛想を尽かされた時でもありました。
 
 この時の自由民主党の総裁が谷垣禎一氏で、総裁になっても首相になれなかった不遇な政治家でした。自由民主党の歴史で、党の総裁になりながら首相になれなかった人物が二人いて、そのもう一人は河野洋平氏です。
 
 河野氏は、国民を塗炭の苦しみに陥れる因となった「河野談話」を幹事長時代に出しました。朝日新聞の大ウソ報道を丸呑みし、日本軍が韓国の女性を「性奴隷にした」という反日運動を引き起こした張本人です。
 
 氏は何年か前にユーチューブの動画に出演し、「見直す必要はありません。あれは韓国の不幸な女性たちを救った。」と述べていました。
 
 「ねこ庭」は同氏に怒りはあっても、総理になれなかったことへの同情は一片もありません。国民へだけでなく日本の国に対しても愛を持たない氏が、総理になり首相になっていたらと想像するだけで、怒りが湧いてきます。
 
 谷垣氏については顔と名前を記憶していますが、ほとんど何も知りません。「ねこ庭」の過去記事で取り上げたこともありません。不遇な自由民主党の総裁だった氏が、どのような「立党宣言」を出したのか。学徒の探究心が燃えてきます。
 
 次回から検討を始めますので、学徒の心を持っておられる方はぜひ足をお運びください。
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