ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

東大教授・小島毅氏 - 9 ( 韓国・東亜日報の記事 )

2021-04-18 16:36:28 | 徒然の記

 靖国神社のことを調べているとき、偶然に見つけました。平成13年5月19日付の、韓国・東亜日報の記事です。ときの内閣は小泉純一郎総理、田中真紀子外務大臣でした。

 東亜日報が、韓国内でどのくらいの影響力を持つ新聞なのか知りませんが、韓国の新聞は日本について述べるとき、皆似たようなトーンですから、これを読めば韓国の状況がなんとなく分かります。

 偏見と、憎しみと、誤解と、我田引水の強弁、これが日本を語るときの彼らの姿勢です。政治家と学者が、率先して日本を批判・攻撃しますから、国民全部がそうだと誤解します。過激なことを叫ぶ国にありがちなことですが、国民の中には、そうでない人々が案外たくさんいます。

 中国も韓国も北朝鮮も、その点で似ており、親日の人間は排斥されますので、彼らの声は私たちに伝わって来ません。分かってはいますが、東亜日報の記事は、私をこの上なく不愉快にさせました。小島教授のブログを書いている最中ですから、増幅された感情が、怒りになります。

 東亜日報への怒りというより、こんな誤解を助長する意見を、日本国内で主張している小島教授への怒りです。「日本学術会議」にいる反日左翼学者も同じですが、彼らは小島氏同様に、日本を貶める意見を反日国家の中国、韓国・北朝鮮に提供しています。

 前置きが長くなりましたが、記事を紹介します。

 「日本の右翼が精神的拠点とする、靖国神社に、」「およそ2万1000に上る、『韓国人の魂』が祭られているのは、」「誰が見ても正常ではない。」
 
 「日本の植民地支配下で、旧日本軍に駆り出された韓国人が、」「『天皇のため身を捧げた英霊』として、日本人戦犯及び戦没者と合祀されているのだ。」「犠牲者の立場からは、霊魂に対する冒涜であり、」「韓国という国の立場からは、自尊心に掻き傷をこしらえたことにほかならない。」
 
 「日本による植民地支配」、「駆り出された韓国人」、「天皇のために身を捧げた」・・この表現は、先般紹介した小島氏の意見と似ています。言葉の間違いについては、後で述べるとして、まずは彼らの意見を聞きましょう。

 「靖国神社が、日本の国家神道を象徴する場であることは、よく知られている。」「ここには明治維新の時、天皇側で戦って死んだ戦死者や、」「日清・日ロ戦争の戦没者、太平洋戦争のA級戦犯の東条英機ら14人と、」「死亡した軍人を含め、合わせて246万人の位牌が置かれている。」

 「この中に、韓国人2万1000人余りと中国・台湾人2万人余りの位牌も含まれている。」

 青字で転記しましたとおり、彼らは靖国神社に位牌が並べられていると思い込んでいます。日本にいる反日左翼学者が、間違いを訂正しないので、誤解は韓国中に拡散されます。日本の保守系の学者が正そうと思っても、日本・韓国のマスコミが受けつけませんので、日・韓の国民に事実は伝わりません。

 「韓国政府が、まさにこの旧日本軍に駆り出された、」「2万1000人余の位はいの返還を要請したのは、当然の措置だ。」「その遺家族と関連団体が、ここ10余年間、数回にわたり政府に促してきたことを、受け入れたという点で、却って後の祭りの感がある。」

 誰が受け入れたのか、何が後の祭りなのか、意味がよく分かりませんが、どうせ韓国の新聞記事です。考えるだけ時間の無駄なので、次を転記します。

 「植民地下で生まれ、戦争に駆り出され命を失われたが、」「死後にでも彼らの霊魂を慰め、『天皇のため』死んだとされている不名誉を濯いであげるのは、」「韓国政府としての当然な道理だ。」

 「政府の措置は、日本の中学校教科書歪曲問題などで表面化している、」「日本社会の右傾化、そして小泉潤一郎首相の靖国神社参拝計画を狙ったものだ。」「小泉首相が参拝しようとする靖国神社に、韓国の魂の問題を提起することによって、」「日本の植民地支配と、戦争への責任を浮き彫りにし、」「引いては中国においても、中国と台湾系犠牲者の霊魂問題が、提起されるようにする思惑があるようだ。」「右傾化の動きに歯止めをかける、一種の『向かい火』であるわけだ。」

 韓国政府の狙いが、靖国問題で火をつけ、中国を引き込むことにあるのだと、読み取れます。「慰安婦」「靖国」「戦争責任」というキャッチフレーズは、韓国が中国と共同で日本を攻撃するときの武器です。韓国と中国は国連人権委員会でも、手を繋ぎ、日本攻撃をしています。手助けをしているのが、日本の反日左翼学者と活動家であることは、過去のブログで何度も取り上げましたので、ここでは省略します。

 「これに対する日本の反応も、したたかだ。」「靖国神社が、形式上宗教団体であるため、」「日本政府としては、介入できないという論理を、繰り広げている。」「さらに、戦死の時点では日本人だったので、その霊魂を祭るのは日本の権利だ、」「神道の教義上、一旦神になれば人間が入れたり外したりできない、とも主張する。」

 果たしてこれは、新聞記事なのか。読者を扇動する三流雑誌の、ゴシップ記事なのか。言いたい放題の文章です。反論していると切りがありませんので、残りをそのまま転記します。

 「しかし、日本政府の徴兵・徴用による犠牲者であるだけに、」「日本政府は、『結んだ者が解く』という姿勢で、」「問題の解決に取り組むのが、理に叶っている。」

 「また侵略・支配関係が清算された以上、日本の植民地支配下で犠牲にされた霊魂も、」「独立自尊を取り戻すのが、当然ではないだろうか。」

 今回で最後と予定していましたが、終われなくなりました。靖国の英霊として祀られたいる朝鮮人が、日本政府による徴兵・徴用の犠牲者なのか。彼らは本当に植民地支配されていたのか。ちょうど良い資料を見つけましたので、紹介します。したがって次回は、無味乾燥な情報の羅列だけです。退屈しますから、興味のない方は、スルーしてください。
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東大教授・小島毅氏 - 8 ( 霊璽簿(れいじぼ) )

2021-04-17 22:41:55 | 徒然の記

 国立アーリントン墓地について知識を得ましたので、これを頭に入れた上で、もう一度小堀・新田教授の言葉に戻ります。

 「招魂祭が、明治天皇のおぼしめしで東京招魂社に、」「やがて靖国神社へと発展する過程で、」「『伝統的な温情と和解の心』が働いた。」

 つまり言外の意として私が推察したのは、「すでに、忠臣・逆臣の問題は解決されている」ということでした。聖徳太子以来の日本人を考えれば、「和をもって尊しとなす」という形で、解決されているのだと解釈しました。

 一通りの理屈はつきますが、私は、「もしそうなら、靖国神社としてやるべきことがあります。」とも、言いました。今回はその理由を、述べようと思います。

 国立アーリントン墓地と靖国神社の、埋葬方法の違いを見れば、そこに鍵があります。祀られている死者の数え方に注目しますと、アーリントン墓地では「建墓数 : 300,001基」と書かれ、靖国神社では「(英霊)246万6千余柱」と説明されています。

 アーリントン墓地で眠っているのは、亡くなった人物のご遺体です。

 「埋葬後に、埋葬に足る要件を満たしていないことが発覚した場合、墓が撤去された上、遺体が遺族に返還されることがある。」という説明を読めば分かるとおり、墓には納棺されたご遺体が収められています。

 靖国神社では建墓数でなく、英霊は「柱」と表示されており、まずもって広大な墓地がありません。神社に祀られているのは、ご遺体でなく、国のため命を落とした方々の魂なのです。簡単な言葉で言いますと、靖国神社は墓地ではなく、霊廟です。

 これを説明する叙述を、ネットで探しましたので、そのまま転記します。
 
 「靖国神社には、被祀者の遺骨・遺灰などはない。」
 
 「まず暗闇の夜に、氏名、軍における所属・階級、位階、勲等などを筆書きし、」「『人霊』を、『霊璽簿(れいじぼ)』(旧称「祭神簿」)と称される名簿に書き移す。」
 
 「次に、靖国神社の神体とされる鏡に『霊璽簿』を写し、」「合祀祭を行うことで、『人霊』を『神霊』へと化す。」
 
 「このようにして『御霊(みたま)』を招来し、身分、職業、年齢、性別にかかわりなく、手厚く祀っている。」
 
 古来からの神事に従い、合祀祭を経て、英霊が祀られていますから、アーリントン墓地のように一体毎のお墓がありません。小島氏は、アーリントン墓地の話をするのなら、こうした根本的な相違点を説明すべきでした。
 
 そうすれば、心得違いをした反日左翼の遺族が、「勝手に合祀した家族の遺骨を返せ。」などと騒ぎ、要望に答えない靖国神社を、横暴な国家権力でもあるかのようにマスコミが報道する愚行も、なくなるはずです。前回私が、靖国神社としてやるべきことがあると言いましたのは、『霊璽簿』の説明です。厳かな神事であるとしても、国民に対してはもっと広く、知らせる工夫がいるのではないでしょうか。
 
 多くの国民は靖国神社を大切にしていますから、丁寧な説明が行われれば、反日左翼の人々と違い、そういうことなのかと静かに納得します。
 
 『霊璽簿』をご神体とされる鏡に写し、英霊として祀られているのですから、どこをどのようにして返すべきなのか、反日左翼のご遺族に説明をしても、誤魔化しだと批判されるので、靖国神社は困惑しているのだと思います。
 
 小島氏が、『霊璽簿』を知らないはずがありませんから、無知な国民が騒げば靖国神社の評判が落ちると、黙っているのではないかと推察します。ネットを検索しますと、次のような間違い情報もあります。
 
 「靖国神社には、韓国人2万1000人余りと中国・台湾人2万人余りの位はいも含まれている。」
 
 先の大戦時には、朝鮮も台湾も日本でしたから、志願して軍人となった者も多く、戦死者は日本のために死んだ軍人として祀られています。英霊となっている人数は正しいのですが、「位はい」はありません。
 
 今回で最後とするつもりでしたが、合祀に関する韓国東亜日報の反日記事を、偶然発見し、取り上げずにおれなくなりました。日本よりも、中国・韓国を大事にする小島氏が、彼らに正しい説明をしていないため、こんな誤解と憎しみが生じるという実例です。
 
 これ以上不愉快になりたくないという方は、スルーしてください。( 間違いなく、不愉快になります。 )
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東大教授・小島毅氏 - 7 ( 国立アーリントン墓地) )

2021-04-17 11:50:18 | 徒然の記

 「国のために死んだ人を祀っているので、靖国神社はアーリントン墓地と同じだと言う人がいますが、」「敵も味方も埋葬しているアーリントン墓地と、靖国神社は同じじゃありませんね。」

 氏の説明には、どうしても靖国神社を、国民の信仰の場所にしたくないという響きがあります。そこで、アーリントン墓地について調べてみました。

  所在地  :  バージニア州アーリントン 

      名 称  :   国立アーリントン墓地 

  建墓数: 300,001基
 
  運営者: アメリカ合衆国陸軍 ( アメリカ陸軍第3歩兵連隊「ザ・オールド・ガード」が警備に当たっている。)

  アーリントン墓地が陸軍の管轄下にあり、軍が常時警備し、正式には、「国立」という文字がつくことも知りました。

 何年か前、観光旅行でポルトガルに行った時も、戦没者の埋葬地では正装した軍人が、昼夜を別たず警備していました。またインドネシアの墓地も、警備や埋葬や式典については軍が関わっていると、本で読みました。おそらく戦没者を祀る墓地というものは、どこの国でも軍が関与しているのでないかと思います。
 
 氏のような反日左翼学者は、アメリカの墓地が軍に管轄されていても、「軍国主義の象徴」とか、「侵略戦争の正当化」、或いは「政教分離をせよ」とは言いません。私は氏が、靖国神社を狭い「二元論」で批判するのでなく、もっと世界の常識と照らせば良いという気がします。
 
 ついでですから、ネットで調べた国立アーリントン墓地の説明も、少し長くなりますが転記します。
 
 「1864年に、南北戦争の戦没者のための墓地として、南軍のリー将軍の住居のあった土地に築かれた。」「その後、第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争などの戦没者が祀られ、」「現在でも戦没者やテロ犠牲者などの、合衆国のために尽くした人物の墓地として存在する。」
 
 靖国神社の原点である霊名舎の創建が、文久2 ( 1862 ) 年ですから、アーリントン墓地もほとんど同じ時期に作られています。
 
 「墓地の面積が、2K m2とあまりにも広大なため、」「事前に調べておかないと、目的の墓石を見つけるのは困難である。」「このため、各墓石には識別番号が刻印されており、」「案内所の端末で、氏名や認識番号を入力すると、」「墓石の位置を確認できるサービスがある。」
 
 「太平洋戦争期に日系移民二世だったため、敵性市民として弾圧を受けた60余名の日系軍人が、」「『歴史的に特筆すべきマイノリティー』として、埋葬されている。」

 目覚ましい活躍をした日系軍人が、「特筆すべきマイノリーティー」として区別されている事実も、初めて知りましたが、氏の言葉で言えば、「人種差別」にはならないのでしょうか。

 埋葬の決定権は、施設側でなく、本人と遺族の意向次第だそうです。ただし、埋葬後に「埋葬に足る要件を満たしていない」ことが発覚した場合、墓が撤去された上、遺体が遺族に返還されることがあるとのことです。

 およそ20年にわたって続いたベトナム戦争について言えば、戦争末期には米国内で厭戦気分が高まり、「この戦争に正義はあるのか」と、国論を二分した戦争でした。ベトコン(南ベトナム解放民族戦線)が潜伏するジャングルを枯死させ、農耕地を壊滅させるため、米軍は大量の枯葉剤を散布しました。

 ベトナム人はもちろんのこと、戦場から帰還した兵の子供も、枯葉剤による奇形児が生まれました。或いは空爆と呼ばれた空からの無差別大量殺戮や、全村皆殺し作戦などがあり、「アメリカによる侵略戦争」と呼ばれました。北ベトナム政府は、「抗米救国戦争」と名付け、国民の団結を鼓舞しました。

 これらのことはもう、過去の話となり、語る人もいなくなりましたが、私が氏に問いたいのは、引き合いに出したアーリントン墓地が、何の問題もない場所なのか、ということです。仔細に眺めれば、靖国神社の「忠臣・逆臣二元論」より、さらに深刻な課題を抱える場所でないかとさえ思えます。

 アメリカにはアメリカの事情があり、歴史がありますから、アーリントン墓地について述べるのは、アメリカ批判のためではありません。私が言いたいのは、氏の靖国神社批判の粗雑な説明への反論です。

 「ろくに調べもしないで、靖国人社批判のため、アーリントン墓地の話をするのはお止しなさい。」「善良な国民をたぶらかすような話を、無責任にしてはいけません。」

 次回を、ブログのまとめにしたいと考えておりますので、どうか「ねこ庭」へお越しください。待っております。

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東大教授・小島毅氏 - 6 ( いつか国へ戻すべき神社 )

2021-04-16 14:43:39 | 徒然の記

 靖国神社は、なぜ国会議員の要請を受け入れなかったのか。その理由は、小島氏が言う「靖国神社の特異性」にあると考えられます。ただし、氏が述べるような、「忠臣・逆臣二元論」でなく、日本における特殊な位置づけにある、と言う気がします。

 ネットの情報で、次のような説明を見つけました。

 「靖国神社は単立神社として、神社本庁との包括関係に属していない。」「これは、『靖国神社は、日本国護持の神社であり、いつかは国に返すべきなので、」「特定の宗教法人の包括下に入るべきではない』という、靖国神社・神社本庁双方の判断によるものである。」
 
 「このような経緯のため、靖国神社と神社本庁とは、包括・被包括の関係にないながらも、密接な協調関係を保っている。」
 
 いつか国に戻される時のことを考え、靖国神社が神社本庁の管轄外にあるのだとすれば、合祀の基本を変更するような大問題は、国に戻った後で検討すべきとして、即答を避けているとは考えられないでしょうか。
 
 憲法が改正され、国を守る軍が再建されれば、昔のように陸海(空)軍が祭神を内定し、内閣の助言のもとに、天皇が承認されると言う手続きが戻ります。
 
 戦前は祭祀の手続き窓口が陸・海軍でしたが、現在では、厚生労働省の社会・援護局が窓口となっています。祭祀の基本を決定するような組織でなく、次のような様々な実務を担当しています。

 「残留兵の帰還や慰霊巡拝などの慰霊事業」「戦没者遺族や戦傷病者などへの援護年金等の支給」、「中国残留邦人への帰国援護や帰国後の生活支援」など ・・・

 平成8から10年にかけての橋本内閣時代に、行政改革が行われ、厚生省と労働省が一つに集約されました。年金、医療、介護、生活保護、児童福祉等々、予算額も仕事の内容も膨大な省庁となっています。

 靖国神社から見れば、軍から省への窓口変更は、軽視されている気がするのではないでしょうか。国のために命を捧げた英霊に対し、敬意を払う軍人でなく、単なる事務担当者ですから、相談する気が起きないのでないかと、そんな気がします。

 もし私が靖国神社の司祭者の一人だとしたら、国への失望が先にたち、議員諸氏の申し出や要望に、向き合う気持ちになれないと思います。

 「先生方が祭祀の変更を望まれるのなら、まずは英霊をお祀りしている靖国を、」「英霊に相応しい神社に戻すことが、先ではありませんか。」「順序が間違っていませんか。」

 現実には、誰もこのように意見は言っていません。いろいろなことを調べた私が、自分の気持ちを喋っているだけです。

 皇学館大学の新田均教授の言葉も、見つけました。「忠臣・逆臣二元論」は、とっくに解決されており、今更持ち出す話ではないと言う意見のようです。東大名誉教授の小堀桂一郎氏の意見を紹介する形で、婉曲に語っています。

 「靖国神社には、二種類のご祭神が祀られています。」「一つは、戦争で亡くなられた方々、」「もう一つは、戊辰(ぼしん)戦争以前の、維新の変革の中で犠牲になられた方々です。」
 
 「後者は数こそ少ないですが、志半ばで倒れていった同志をしのび、」「その志を継承して、生き残った者たちが営んだ招魂祭に由来し、」「それが、靖国神社の原点でした。」
 
 「その招魂祭が、明治天皇のおぼしめしで東京招魂社に、」「やがて靖国神社へと発展する過程で、」「『伝統的な温情と和解の心』が働いたと、小堀桂一郎氏は指摘しています。」

 私が注目しましたのは、『伝統的な温情と和解の心』が働いたという、小堀教授の言葉でした。新田、小堀両氏とも、具体的な事実に触れていませんが、政治家たちの申し出を説明する時、わざわざ使っている意味を考えさせられます。要するに『伝統的な温情と和解の心』とは、聖徳太子以来の日本人の心である、『和をもって尊しとなす』の意味ではないのでしょうか。

 元宮が京都から東京へ移され、東京招魂社から靖国神社へと発展する過程で、すでに二元論は解消していると、両氏が述べているような気がします。明治天皇の思し召しというだけでなく、時の政府の要人も国民も、和解を納得していたのではないでしょうか。現在の私たちの合理的思考では、曖昧でしかありませんが、こうした「玉虫色」の意見が、難題を解決するご先祖の知恵でもありました。

 とは言いながら、私自身自分の推察を全て納得しているわけではありません。新田、小堀両氏の意見を受け入れるとすれば、靖国神社としてやるべき行為が残っています。

 長くなりますので、一旦ここで一息入れ、次回へ進みます。

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東大教授・小島毅氏 - 5 ( 石原・亀井氏の申し入れ )

2021-04-15 15:24:30 | 徒然の記

 「靖国神社は、全ての死者を祀っていませんね。」「死者の魂を、逆臣と忠臣に厳格に区別しています。」「しつこく過去にこだわっているのは、靖国神社も同じですね。」

 今日も、この話から始めます。動画を見て日が経つと、だんだん記憶が薄れていきますが、氏はこんなことも言っていました。

 「都知事だった石原氏と亀井氏が、逆臣・忠臣の区別をやめて、」「戦争で死んだ人はみんな合祀すべきだと、靖国神社に申し入れたことがありました。」「一緒になって行動する気はありませんが、私はこの趣旨には賛成します。」

 「しかし、靖国神社は賛成しませんでした。」「それをすると、靖国神社は普通の神社になってしまいます。」「靖国神社でない、別の神社になりますからね。」

 初めて聞く話でしたから、ネットで検索すると、新聞記事が見つかりました。意外と新しい出来事で、平成28年10月12日のデジタル記事に、日経新聞と朝日新聞が報じていました。朝日は嫌いなので、日経新聞の記事を紹介します。

 「亀井静香元金融相や、石原慎太郎元東京都知事ら有志の会は12日、」「西南戦争で死亡した西郷隆盛や、戊辰戦争で旧幕府軍として戦った会津藩の将兵ら、」「『賊軍」とされた人々を、合祀(ごうし)するよう靖国神社に申し入れた。」

 「亀井氏によると、徳川康久宮司は、すぐに対応するとはいえないと即答を避けた。」「要請には、呼び掛け人の自民党の平沢勝栄、」「民進党の原口一博両衆院議員も、同席した。」「賛同者には、元首相の中曽根康弘、村山富市、森喜朗、」「福田康夫の4氏や、自民党の二階俊博幹事長ら、与野党の現職、元職の国会議員約90人が名前を連ねた。」

 与野党を問わず、多くの議員の名前があります。靖国神社の問題については、与党も野党もなく協力するのかと、驚く発見もしました。国会の審議も、国の基本に関わる事柄について、このように取り組んでくれたら、日本はもっと良くなるのにと思わされます。

 話がそれますが、参加していない主要政党が二つあります。たまたま新聞が報じていないだけなのかもしれませんが、共産党と公明党の名前がありません。早とちりと分かれば、後日修正しますが、これだけを見ますと、やはりこの二つの政党は日本の大事な問題に関われない、異質の政党だと私には思えます。余計な話でしょうが、まともな政治をしようと思うのなら、自民党は1日も早く公明党と縁を切るべきです。

 「申し入れ書は、西郷隆盛や佐賀の乱の江藤新平、会津藩の白虎隊、」「新選組など、『賊軍と称された方々も、近代日本のために志を持って行動したことは、」「勝敗の別なく認められるべきだ』と主張。」「過去の内戦でお亡くなりになった、全ての御霊(みたま)を合祀願う、と求めた。」「天皇陛下の靖国参拝についても言及し、『国家安寧のために、必須と信じる』と強調した。」

 与野党を問わず、政界の実力者と言われる議員たちが、これだけ揃って希望するところを申し入れても、なぜ靖国神社は受け入れなかったのか。京都霊山の霊名舎の創建以来、159年の歴史がそうさせるのか。それとも別の理由があるのかにつき、もう少し調べたくなりました。

 朝日は嫌いなどと偏見を言わないように心がけ、気持ちを安らかにして、次回へ進みたいと思います。靖国神社に関心をお持ちの方は、どうぞ「ねこ庭」へお越しください。

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東大教授・小島毅氏 - 4 ( 軽薄な靖国論 )

2021-04-14 23:17:10 | 徒然の記

 「靖国神社は、全ての死者を祀っていませんね。」「死者の魂を、逆臣と忠臣に厳格に区別しています。」「しつこく過去にこだわっているのは、靖国神社も同じですね。」

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東大教授・小島毅氏 - 3 ( 哲学入門チャンネル )

2021-04-14 12:46:33 | 徒然の記

  小島氏が登場した「哲学入門チャンネル」は、チャンネル登録者数 が、4万7千人と言いますから、私が知らなかっただけで、ネット上では有名なのかも知れません。

 動画の管理者は、じゅんちゃんと自称する若い人です。じゅんちゃんについて調べてみましたら、次のようなことが分かりました。

  ・本名:北畑 淳也  平成4年奈良県生まれ、28才 早稲田大学卒

  ・22歳の頃から読書に目覚め、2年で約600冊を乱読

  ・20代半ばには、営業職をしながらゲストハウスなどを渡り歩く「家無し生活」を続けた

  ・ブログを開設し、社会での悩みを書籍を引用しつつ分析する記事を投稿

 個人で動画を投稿しているのはじゅんちゃんだけでなく、京本和也氏や竹田恒泰氏がいます。いつもは見ませんが、時々参考にします。じゅんちゃんとの比較のため、簡単な情報を転記します。

 1. 京本和也氏

  ・昭和63年、北海道生まれ、33才 帯広工業高校卒

  ・管理動画名 「KAZUYA」

   ・チャンネル登録者数  72.5万人

 2. 竹田恒泰氏

  ・昭和50年、東京生まれ、45才  慶應義塾大学卒  旧皇族の竹田家出身
 
  ・管理動画名 「竹田恒泰チャンネル 2」
 
  ・チャンネル登録者数      39.9万人
 
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東大教授・小島毅氏 - 2 ( 捏造の論理 )

2021-04-13 00:01:28 | 徒然の記

 前回に続き、小島氏のありがたい話です。番号をつけ項目に分けているのは私で、氏の話は途切れることなく連続しています。

 〈 6. 18世紀までの仏教 〉

  ・   18世紀までの仏教は、「怨親平等」を重視した。

  ・   例 1.  鎌倉の円覚寺・・・蒙古襲来時の戦死者供養のため建立、敵味方共に供養

  ・   例 2.  全国各地の安国寺・・南北朝動乱による死者(敵味方なく)供養のため、足利尊氏が建立  

 ネットで調べますと、円覚寺について次のように書いてありました。

 「鎌倉時代の弘安5年( 1812年 ) に、執権北条時宗が元寇の戦没者追悼のため、中国の僧・無学祖元を招いて創建した。」

 尊氏が建立した安国寺についても、小島氏の説明は間違いのない事実だと思います。反日左翼の人々の話は、90%の事実の中に10%の捏造が混じるのですが、氏の意見も同じです。氏が立証しようとしているのは、「靖国神社の偏向した神道」と、「靖国神社は、国のために死んだ人を等しく祀る場所ではない。」の2点です。

 〈 7. 靖国神社の神道は、実は儒教である 〉

  ・  死者の魂を敵と味方に区別し、敵を許さず、味方だけを祀るという二元論思考は、儒教からきている。

  ・  歴史上の忠臣 (  楠木正成 ) を神格化し、逆臣 ( 足利尊氏 ) を国賊として貶めるようになったのは、明治維新後である。

  ・古代、中世に見られない発想であり、江戸後期に広まった朱子学の影響である。

 かって吉田首相が、東大総長の南原繁氏を曲学阿世の徒と批判しましたが、私はむしろ、小島氏にこそ言いたくなります。媚中の学者である氏は、あちこちで寄せ集めた材料を使い、国民が大切にする靖国神社を貶めようとしています。

 氏はここで、國學院大学教授・大原康夫氏が書いた小冊誌を紹介します。書かれている内容は、中国や韓国人がいつまでも、しつこく靖国参拝に反対する理由です。

 「日本には、過去を水に流すという文化がある。」「死者に鞭を打たないし、墓もあばかない。」「しかし中国はそれをやる。」「いつまでも過去にこだわり、クレームをつけてくる。」

 私はなるほどと思いますが、曲学阿世の徒である小島氏はそうせず、面白い解釈を披露します。

 「靖国神社は、全ての死者を祀っていませんね。」「死者の魂を、逆臣と忠臣に厳格に区別しています。」「このやり方は最初から変わらないのですが、過去を水に流していません。」「しつこく過去にこだわっているのは、靖国神社も同じですね。」

 「この二元論は、儒教思想からきていますので、」「私は大原先生の意見の半分に賛成しますが、半分は間違っていると思います。」

 「儒教は、世の中には、唯一絶対の正義というものがあると考えています。」「これは天地自然の法則に対応するものであり、善悪の問題ではない。」「正義とは正しいこと、正義に反することは間違ったことである。」

 氏はここで儒教の教えを解説し、靖国神社の神道に及ぼした二元論の説明をします。

 「正しい行為をしたものは誉められ、間違った行為をした者は死んでも許されない。」「これが儒教の教えです。」「だから中国人は、死者に鞭打ち、墓を暴いて死者を冒涜します。」「靖国を批判する中国人や韓国人に、」「私ならこう言いますね。」「儒教を教えたのは、あなた方の国ですよ。」

 氏が強調したいのは、「靖国神社が日本の伝統に反した神社」「異質な神道の神社」であることです。こうすれば、国民の間にある靖国神社への信仰が薄れていくからです。事実を材料にして靖国神社を批判していますので、氏の意見の全てに反対しません。しかし曲学阿世の論理を、受け入れる気もありません。

 氏の意見の土台にある思想が、間違っているからです。論理が整っていても、日本人の魂がないのであれば、聞くに値しません。動画の最後で述べた、氏の言葉がそれを証明しています。

 「念のため言っておきますが、私は日本国憲法を信じ、素晴らしいと思っていますし、男女平等論者です。」

 まくしたて、相手を攻撃する反日左翼ではありませんでしたが、やはり氏もまた、私の嫌悪する「獅子身中の虫」でした。途中の話を省略しましたが、氏は日本が侵略した国々を、次のように列挙していました。

 沖縄侵略   ==>  北海道侵略 ==> 台湾侵略  ==> 朝鮮侵略  ==> 中国侵略

 他国の中に、沖縄や北海道まで含めています。欧米列強がアジアを侵略した時代の、危機的状況は何も言わず、ひたすら侵略者としての日本について喋ります。今でも東京大学で教鞭を取り、氏は学生たちを「獅子身中の虫」とするべく、役目を果たしています。

 次回は、このようなおかしな教授を引っ張り出した、「哲学入門チャンネル」という動画について述べます。花の咲き始めた「ねこ庭」に椅子を用意し、皆様のお越しをお待ちします。

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東大教授・小島毅氏

2021-04-11 20:33:50 | 徒然の記

 昨日、新しい獅子身中の虫を発見しました。「武漢コロナ」による閉じこもり生活の無聊を慰めるため、ネットを検索していましたら、「哲学入門チャンネル」という動画にぶつかりました。

 「今こそ知っておきたい、保守派の歴史認識が抱える根本的な矛盾」「ゲスト企画第6弾小島毅先生インタビュー」

 挑発的な見出しが、目に止まりました。東大教授の小島氏は、文学部で教鞭をとる中国関係の専門家です。保守派の歴史認識の根本的矛盾とは、なんであるのか。氏の説明によりますと、靖国神社について、保守派が根本的な間違いをしているとのことです。

 知らないことを沢山教えてもらい、有難い話でしたので、順序を追って紹介いたします。

 〈 1. 靖国神社創建の経緯 〉

  ・ 文久2年 ( 1862 )    津和野藩士福羽美静、長州藩士世良利定ら60余名が、京都霊山の霊名舎において、安政の大獄以来の国事殉難者を祀ったのが始まりである。

  ・ 明治2年 ( 1869 )   東京招魂社鎮座祭 ・・靖国神社の創建 ( 千代田区九段北 )

  ・ 明治11年 ( 1878 )   東京招魂社を靖国神社と改称

 神社本庁が編纂した『靖国神社』をもとにした説明で、同書の作成者は元靖国神社禰宜 ( ねぎ ) 沼部順明氏だそうです。同書によりますと、靖国の名前は、漢書『春秋左氏伝』の中にある文字から取られたとのことです。

 九段北の靖国神社の発祥が、京都霊山の霊名舎だとは知りませんでした。明治時代になり祀られていた国事殉難者は、東京の招魂社へ移され、それが靖国神社と改称され、その名は漢書から来ていると、さすがに中国関係の専門家です。学徒として、耳を傾ける内容でした。

 〈 2. 靖国の起源は倒幕運動 〉

  ・靖国神社の創建の目的は、幕府から「国賊」として処刑された犠牲者を祀ることにあった。

  ・靖国神社では、彼らを天皇のために亡くなった「国事殉難者」として祀った。

 しかしこのあたりから、氏の意見は、学者というより、反日の響きがしてきます。語り口が穏やかで真摯ですから、反日左翼というより公正な学者という風貌です。普通の人なら騙されます。

 〈 3. 靖国祭祀対象は、「英霊」 〉

  ・幕末から維新にかけての主な殉難者は、吉田松陰、橋本左内、久坂玄瑞、坂本龍馬

 〈 4. 「英霊」になっていない殉難者 〉

  ・井伊直弼、佐久間象山、近藤勇、土方歳三、西郷隆盛

 〈 5. 御霊 ( みたま ) 信仰 〉

  ・死者を神として祀るのは、祟りを恐れる御霊信仰にはじまっている。( 相良親王・菅原道真 )

 非業の死を遂げた相良親王と不遇な晩年だった菅原道真は、祟りを恐れた為政者たちが神社を作り、神として祀っています。相良親王を神として祀る神社は、崇道神社という名前で、奈良と京都にあります。また菅原道真は、福岡県太宰府市にある太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)で、天神さまとして庶民の信仰を集めています。

 私がここで、氏の意見に疑問を抱いたのは、靖国神社の神道を語るについて、狭い解釈をしているところです。この解釈に従うと、靖国神社の神道が「祟りを恐れる御霊信仰」だけであると、聞こえてしまいます。

 氏は意識的に靖国神社の神道を、狭い、融通の効かない信仰として定義づけようとしています。こうすると、氏の反日左翼学説の説明がやりやすくなるからですが、学者としての良心を疑います。神道というのはいうまでもなく、西欧の一神教と異なり、八百万の神を信じるおおらかな信仰です。これといった経典もなく、厳格な教義もありませんから、色々な人が様々な解釈をしています。

 以前ブログで説明しましたが、氏と対立する立場にいる田中英道教授の意見を、もう一度紹介します。氏は、神道の特徴として三つを上げています。

  1. 自然信仰   山や木や岩など、自然そのものの中に神を見、人間もその一部であると考える。

  2. 御霊(みたま)信仰 優れた人や地域に貢献した人など、個人の魂を信仰の対象とする。

  3. 祖霊(それい)信仰 自分の祖先を神として大切にし、これが国の祖先である天皇と、無意識のうちにつながる。

  見ればわかる通り、小島氏は神道の三つの特徴の中の一つしか説明していません。なぜそのようなことをするのかは、次回以降の氏の説明で明らかになりますので、息子たちも、「ねこ庭」を訪問される方々も、お手数ながら足を運んでください。

コメント (2)
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千葉知事選挙後の自民党

2021-04-07 18:42:25 | 徒然の記

 去る3月24日の千葉日報に、県知事選挙の記事が 第 1 面に2件掲載されました。一件は1 面の左に、写真入り6段組みの大きな記事で、もう一件は渡辺県連会長の辞任ニュースです。

 保守王国千葉といわれる選挙で、自民党が支持する関氏は、公明党や他の反日野党が支持する熊谷氏に大差で敗れました。両氏の得票数は下記の通りで、関氏は熊谷氏に4倍もの差をつけられ、大敗でした。

   1,409,496票  熊谷 俊人 無新
     384,723票  関  政幸 無新

 大きな方の記事の見出しを、転記します。

 「 " 支持層流出  " に衝撃」「自民の看板、発揮できず」「離された関氏」

 保守王国と言われる千葉ですから、議員たちにも大きな衝撃が走ったと書かれています。事前、事後の調査数字も掲載されているので、転記します。

  1. 千葉日報による、自民党支持層に対する電話世論調査 

    ・ 関氏支持回答・・34.4%  ・ 熊谷氏支持回答・・48.9%

     2.   共同通信社による、自民党支持層に対する出口調査

    ・ 関氏支持回答・・32.0%  ・ 熊谷氏支持回答・・63.5%

 共同通信社は、熊谷氏を持ち上げる記事を散々書いていながら、敗因の原因として、出どころ不明な情報を紹介しています。

  ・ 県内の声 1.

   「批判されるコロナウィルス対応や、官僚接待問題など、政権不祥事に足を引っ張られた。」と、党本部に対する不満も渦巻く。

  ・ 県内の声 2.

   「知事選は、独自候補だけが戦い方ではない。今後は、共闘も考えないと。と、選挙対応の抜本見直しを指摘する声さえ聞かれた。

  そして最後の締めくくりが、これです。

  ・ ある県議の声  ( 自民党は県議会で多数を占めているが )

   「新知事へ、圧倒的民意が示された。」「対立姿勢ばかりではいられない。」と、ため息混じりにつぶやいた。」

 共同通信社も千葉日報も、熊谷氏を応援し、持ち上げる記事を盛んに書き、関氏の敗因に貢献したのに、知らぬ顔です。「盗人(ぬすっと)猛々しい」を、そのまま文字にしています。

 そのすぐ下にある、もう一つの記事の見出しを転記します。

 「自民党県連 渡辺会長辞意表明」「知事選大敗」「責任とる」

 記事は、渡辺会長へのインタビューで、氏の言葉が書かれています。文章にするのが忍びないので、箇条書きにします。

 1. 私の力不足で、全ての責任は私にある。責任をとって辞任する。

 2. 慰留する意見もあったが、全体の責任を会長が取るのが一番いい、などの声が上がり了承された。

 3. 敗因の分析はこれからだが、自民党支持層をまとめきれず、無党派層にも浸透できなかった、との印象を受けている。

 大きな方の記事を書いたのは共同通信社で、小さな記事が千葉日報社です。「社会の出来事に鋭く切り込み、真実を読者に届ける。」・・こんな大口を叩いていたのは共同通信社だったか、千葉日報だったのか忘れましたが、記事にはどこにも「鋭い切り込み」がありません。「真実」の片鱗も無しです。

 「ねこ庭の独り言」を読まれている方には、自明の話ですが、知事選の敗因は三つです。

  1. 石井準一参議院議員の反党行為

  2. 森会長の選挙介入

  3. 共同通信社と千葉日報の選挙妨害記事

 渡辺会長は、任期満了で退任するスポーツ庁長官の鈴木大地氏を、知事候補として推し、県内の国会議員と県議会議員の了承を取り付けていました。鈴木氏は、千葉県出身者ですから、県民も支持するはずでした。しかし、公明党と親密な関係にある石井氏が、公明党の推す熊谷氏を最初から応援し、渡辺会長に異議を唱え続けました。

 このため、自民党千葉県連の内部が混乱した時、なんと森喜朗氏が介入してきました。これがその時の、千葉日報の見出しでした。大きな活字が踊っていました。

「鈴木大地氏  擁立困難」「自民、森喜朗氏が反対」

 この間対立候補の熊谷氏は、千葉市長を辞任し、知事選への立候補を表明し、千葉市長の後任まで指名しました。千葉県連の騒ぎをよそめに、氏は着実に選挙活動を進め、氏への期待と称賛の記事が毎日発信されました。

 千葉県民なら誰でも、知事選敗因の原因を知り、多くを語らない渡辺会長の、胸の内も理解しています。知事選の得票につながらなかったところに、千葉県民の情けない面がありますが、これが実態です。

 私が知事選のことを取り上げているのには、もう一つ理由があります。このところ、反日的言動をし、二階氏と共に媚中姿勢を露わにしている公明党が、国政においても障碍になっているからです。

 公明党は、外国人土地取得法改正について反対し、中国のチベット民族殺戮についても、非難決議の国会発信を妨げています。人権を大切にする政党と看板を掲げながら、中国によるチベット人虐殺については、無視するようです。

 中国に領海侵入されている尖閣の海を警備しているのは、海上保安庁ですが、所管する国交省の大臣は、公明党が長年占有しています。述べると長くなりますので割愛しますが、創価学会を母体とする公明党は、選挙時の動員力で自民党を助け、恩義を感じている議員が沢山います。反党行為をした石井議員も、その一人です。

 千葉知事選の問題は、渡辺会長の責任を超えた、自民党本部の話です。菅総理は、このまま渡辺氏を見殺しにするのでしょうか。森氏の選挙介入や石井氏の反党行為に、目を瞑るのでしょうか。

 こうした事実を報道しないようでは、千葉日報は県民に読まれるはずがありません。いつまでもマイナーな新聞のままでしょう。共同通信社に逆らえない、小さな地方紙だとしても、努力もしないまま、屈服してしまうのでしょうか。

 「しっかりしろ、千葉日報。」

 大きな象が共同通信社だとすれば、小さな蟻が千葉日報社ですから、困難な注文であるとは自覚しています。しかし千葉県民が千葉日報社の努力を知れば、マイナーな新聞で終わりません。保守王国の千葉が、媚中公明党のなされるままで終わってはいけません。だから、少し言い方を変えます。

 「しっかりしてくれ、千葉日報。」「がんばれ、千葉日報  !  」

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