ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

東大教授・小島毅氏 - 2 ( 捏造の論理 )

2021-04-13 00:01:28 | 徒然の記

 前回に続き、小島氏のありがたい話です。番号をつけ項目に分けているのは私で、氏の話は途切れることなく連続しています。

 〈 6. 18世紀までの仏教 〉

  ・   18世紀までの仏教は、「怨親平等」を重視した。

  ・   例 1.  鎌倉の円覚寺・・・蒙古襲来時の戦死者供養のため建立、敵味方共に供養

  ・   例 2.  全国各地の安国寺・・南北朝動乱による死者(敵味方なく)供養のため、足利尊氏が建立  

 ネットで調べますと、円覚寺について次のように書いてありました。

 「鎌倉時代の弘安5年( 1812年 ) に、執権北条時宗が元寇の戦没者追悼のため、中国の僧・無学祖元を招いて創建した。」

 尊氏が建立した安国寺についても、小島氏の説明は間違いのない事実だと思います。反日左翼の人々の話は、90%の事実の中に10%の捏造が混じるのですが、氏の意見も同じです。氏が立証しようとしているのは、「靖国神社の偏向した神道」と、「靖国神社は、国のために死んだ人を等しく祀る場所ではない。」の2点です。

 〈 7. 靖国神社の神道は、実は儒教である 〉

  ・  死者の魂を敵と味方に区別し、敵を許さず、味方だけを祀るという二元論思考は、儒教からきている。

  ・  歴史上の忠臣 (  楠木正成 ) を神格化し、逆臣 ( 足利尊氏 ) を国賊として貶めるようになったのは、明治維新後である。

  ・古代、中世に見られない発想であり、江戸後期に広まった朱子学の影響である。

 かって吉田首相が、東大総長の南原繁氏を曲学阿世の徒と批判しましたが、私はむしろ、小島氏にこそ言いたくなります。媚中の学者である氏は、あちこちで寄せ集めた材料を使い、国民が大切にする靖国神社を貶めようとしています。

 氏はここで、國學院大学教授・大原康夫氏が書いた小冊誌を紹介します。書かれている内容は、中国や韓国人がいつまでも、しつこく靖国参拝に反対する理由です。

 「日本には、過去を水に流すという文化がある。」「死者に鞭を打たないし、墓もあばかない。」「しかし中国はそれをやる。」「いつまでも過去にこだわり、クレームをつけてくる。」

 私はなるほどと思いますが、曲学阿世の徒である小島氏はそうせず、面白い解釈を披露します。

 「靖国神社は、全ての死者を祀っていませんね。」「死者の魂を、逆臣と忠臣に厳格に区別しています。」「このやり方は最初から変わらないのですが、過去を水に流していません。」「しつこく過去にこだわっているのは、靖国神社も同じですね。」

 「この二元論は、儒教思想からきていますので、」「私は大原先生の意見の半分に賛成しますが、半分は間違っていると思います。」

 「儒教は、世の中には、唯一絶対の正義というものがあると考えています。」「これは天地自然の法則に対応するものであり、善悪の問題ではない。」「正義とは正しいこと、正義に反することは間違ったことである。」

 氏はここで儒教の教えを解説し、靖国神社の神道に及ぼした二元論の説明をします。

 「正しい行為をしたものは誉められ、間違った行為をした者は死んでも許されない。」「これが儒教の教えです。」「だから中国人は、死者に鞭打ち、墓を暴いて死者を冒涜します。」「靖国を批判する中国人や韓国人に、」「私ならこう言いますね。」「儒教を教えたのは、あなた方の国ですよ。」

 氏が強調したいのは、「靖国神社が日本の伝統に反した神社」「異質な神道の神社」であることです。こうすれば、国民の間にある靖国神社への信仰が薄れていくからです。事実を材料にして靖国神社を批判していますので、氏の意見の全てに反対しません。しかし曲学阿世の論理を、受け入れる気もありません。

 氏の意見の土台にある思想が、間違っているからです。論理が整っていても、日本人の魂がないのであれば、聞くに値しません。動画の最後で述べた、氏の言葉がそれを証明しています。

 「念のため言っておきますが、私は日本国憲法を信じ、素晴らしいと思っていますし、男女平等論者です。」

 まくしたて、相手を攻撃する反日左翼ではありませんでしたが、やはり氏もまた、私の嫌悪する「獅子身中の虫」でした。途中の話を省略しましたが、氏は日本が侵略した国々を、次のように列挙していました。

 沖縄侵略   ==>  北海道侵略 ==> 台湾侵略  ==> 朝鮮侵略  ==> 中国侵略

 他国の中に、沖縄や北海道まで含めています。欧米列強がアジアを侵略した時代の、危機的状況は何も言わず、ひたすら侵略者としての日本について喋ります。今でも東京大学で教鞭を取り、氏は学生たちを「獅子身中の虫」とするべく、役目を果たしています。

 次回は、このようなおかしな教授を引っ張り出した、「哲学入門チャンネル」という動画について述べます。花の咲き始めた「ねこ庭」に椅子を用意し、皆様のお越しをお待ちします。

コメント (2)
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