前回に続き、小島氏のありがたい話です。番号をつけ項目に分けているのは私で、氏の話は途切れることなく連続しています。
〈 6. 18世紀までの仏教 〉
・ 18世紀までの仏教は、「怨親平等」を重視した。
・ 例 1. 鎌倉の円覚寺・・・蒙古襲来時の戦死者供養のため建立、敵味方共に供養
・ 例 2. 全国各地の安国寺・・南北朝動乱による死者(敵味方なく)供養のため、足利尊氏が建立
ネットで調べますと、円覚寺について次のように書いてありました。
「鎌倉時代の弘安5年( 1812年 ) に、執権北条時宗が元寇の戦没者追悼のため、中国の僧・無学祖元を招いて創建した。」
尊氏が建立した安国寺についても、小島氏の説明は間違いのない事実だと思います。反日左翼の人々の話は、90%の事実の中に10%の捏造が混じるのですが、氏の意見も同じです。氏が立証しようとしているのは、「靖国神社の偏向した神道」と、「靖国神社は、国のために死んだ人を等しく祀る場所ではない。」の2点です。
〈 7. 靖国神社の神道は、実は儒教である 〉
・ 死者の魂を敵と味方に区別し、敵を許さず、味方だけを祀るという二元論思考は、儒教からきている。
・ 歴史上の忠臣 ( 楠木正成 ) を神格化し、逆臣 ( 足利尊氏 ) を国賊として貶めるようになったのは、明治維新後である。
・古代、中世に見られない発想であり、江戸後期に広まった朱子学の影響である。
かって吉田首相が、東大総長の南原繁氏を曲学阿世の徒と批判しましたが、私はむしろ、小島氏にこそ言いたくなります。媚中の学者である氏は、あちこちで寄せ集めた材料を使い、国民が大切にする靖国神社を貶めようとしています。
氏はここで、國學院大学教授・大原康夫氏が書いた小冊誌を紹介します。書かれている内容は、中国や韓国人がいつまでも、しつこく靖国参拝に反対する理由です。
「日本には、過去を水に流すという文化がある。」「死者に鞭を打たないし、墓もあばかない。」「しかし中国はそれをやる。」「いつまでも過去にこだわり、クレームをつけてくる。」
私はなるほどと思いますが、曲学阿世の徒である小島氏はそうせず、面白い解釈を披露します。
「靖国神社は、全ての死者を祀っていませんね。」「死者の魂を、逆臣と忠臣に厳格に区別しています。」「このやり方は最初から変わらないのですが、過去を水に流していません。」「しつこく過去にこだわっているのは、靖国神社も同じですね。」
「この二元論は、儒教思想からきていますので、」「私は大原先生の意見の半分に賛成しますが、半分は間違っていると思います。」
「儒教は、世の中には、唯一絶対の正義というものがあると考えています。」「これは天地自然の法則に対応するものであり、善悪の問題ではない。」「正義とは正しいこと、正義に反することは間違ったことである。」
氏はここで儒教の教えを解説し、靖国神社の神道に及ぼした二元論の説明をします。
「正しい行為をしたものは誉められ、間違った行為をした者は死んでも許されない。」「これが儒教の教えです。」「だから中国人は、死者に鞭打ち、墓を暴いて死者を冒涜します。」「靖国を批判する中国人や韓国人に、」「私ならこう言いますね。」「儒教を教えたのは、あなた方の国ですよ。」
氏が強調したいのは、「靖国神社が日本の伝統に反した神社」「異質な神道の神社」であることです。こうすれば、国民の間にある靖国神社への信仰が薄れていくからです。事実を材料にして靖国神社を批判していますので、氏の意見の全てに反対しません。しかし曲学阿世の論理を、受け入れる気もありません。
氏の意見の土台にある思想が、間違っているからです。論理が整っていても、日本人の魂がないのであれば、聞くに値しません。動画の最後で述べた、氏の言葉がそれを証明しています。
「念のため言っておきますが、私は日本国憲法を信じ、素晴らしいと思っていますし、男女平等論者です。」
まくしたて、相手を攻撃する反日左翼ではありませんでしたが、やはり氏もまた、私の嫌悪する「獅子身中の虫」でした。途中の話を省略しましたが、氏は日本が侵略した国々を、次のように列挙していました。
沖縄侵略 ==> 北海道侵略 ==> 台湾侵略 ==> 朝鮮侵略 ==> 中国侵略
他国の中に、沖縄や北海道まで含めています。欧米列強がアジアを侵略した時代の、危機的状況は何も言わず、ひたすら侵略者としての日本について喋ります。今でも東京大学で教鞭を取り、氏は学生たちを「獅子身中の虫」とするべく、役目を果たしています。
次回は、このようなおかしな教授を引っ張り出した、「哲学入門チャンネル」という動画について述べます。花の咲き始めた「ねこ庭」に椅子を用意し、皆様のお越しをお待ちします。