日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



DVD鑑賞で鑑賞。

衝撃的・衝動的なバイオレンスシーンで、「観客を凍らせる」のが常套手段の監督 ミヒャエル・ハネケ。
(最近の作品は「隠された記憶」 「ピアニスト」「ファニーゲームU.S.A. 」など)
いつも、席から体が飛び上がってしまうので、自分としては「困っちゃったちゃん」扱い(笑)
なので今回も迷いつつ、結局スルーしちゃったので、DVD鑑賞に。


が、観賞後の感想は。
「これは劇場で観るべきだった!」と大後悔。

第一次対戦前夜の北ドイツの村が舞台。
「厳格」なキリスト教の教えを守って暮らす村人に、次々に不可解な事件が。
発端は医者の落馬。
続いて不気味な事件が、そろりそろりと発生する。

だがハネケは今回、このいくらでも残虐に描けそうなシーンを、全く画面に出さない。
「観客を凍らせる」どころか、ただただモノクロームの静かな映像で紡いで行く。

「厳格」な村の大人が振り回す、政治、宗教、親が持つ「権威」「権力」に潜む欺瞞。
これをあぶり出すことに集中している。
そして、そうした権力がさんざ振り回されたあげく...


ハネケはなんとこれで、パルムドールを獲得。
でもそれも納得の出来。
今年有数の1本と言いたい。

そうなるとあらためて後悔。
この静かすぎる不気味さを、劇場で観るべきだったなと....



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