日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



小谷正一氏とは、伝説のプロデューサー。

毎日新聞社に入社後、宇和島牛相撲を大阪に誘致する他、斬新な企画を次々と世に出す。
この結果、井上靖の「闘牛」「黒い蝶」のモデルとなる(注:井上靖は毎日出身)
「毎日オリオンズ」を設立、セリーグ・パリーグ誕生にかかわる。
初の民放ラジオ局の立ち上げを行う(新日本放送→毎日放送)
オイストラフ、マルソーなどの大物外人を日本に誘致。
大阪万博「住友童話館」「電力館」をプロデュース、etc....

前に直接ではないが、小谷正一氏がかなり取り上げられていた本を、当ブログでアップしている。
それは「エンタメの夜明け ディズニーランドが日本に来た!」(2007年06月07日)
もともとは、2003年 2月~2004年 2月まで雑誌「宣伝会議」に連載「ディズニーが来た! イベント・ビジネス創世記の鬼才たち」
作者はホイチョイの馬場康夫氏。


これ以降、小谷正一氏についての情報にふれる機会がなかったので、久々。
ということで、さっそく読破。

この本のこれまでと違う点は、作者が毎日新聞社出身ということ。
小谷正一氏の初期の活躍を多く掘り下げているところが、これまでにない。
小谷氏を知る人びとへの緻密な取材が、この時代の彼に迫ることを可能にした。
その結果、この本の90%は、この「毎日時代」となっている。

個人的に最もスリリングだったのは、
<初の民放ラジオ局の立ち上げを行う(新日本放送→毎日放送)
の部分。

放送の知識を全く持たなかった小谷氏が、人のツテをたどってつなげ、少しずつ編成を形に。
独占的に放送していたNHKの保守的な放送から、いかに脱却するかの闘い。
毎日同じ時間帯に六本のクイズ番組を並べたり、初の民放での野球中継に挑戦したり....
ここは後半のハイライトなのだが、前半のハイライトであるセ・パ誕生も十二分に面白い。
企画を作ろうとか、プロデューサーになりたいと宣う人にはマストの1冊ではないだろうか。


最後に、先にふれた「エンタメの夜明け」のラストがやはり小谷正一氏の名言で締めくくられているので、ご紹介!

部下から以下、突っかかられた小谷正一。
「今という時代は、広告でもイベントでも何でも形が完成してしまっていて、行き詰まっているでしょう。
 時代の過渡期に、真っ白なキャンパスに思い通りに絵が描けたら、ほんとうに楽しそうじゃないですか。
 うらやましくてしかたありませんよ」


返答は、まっすぐ相手の目を見て。
「いつだって時代は過渡期だし、キャンパスは真っ白なんだよ」

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