日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 






今年5月のトライベッカ・フィルム・フェスティバルで世界初公開された、オペラ・ドキュメンタリー Wagner's Dream (ワーグナーの夢)がDVD化。
メトの2010-11~2011-12シーズンにかけて創造されたワーグナーの「ニーベルングの指輪」× 4部作の制作を追ったドキュメンタリー。


このプロダクションの画期的な点は、演出がロベール・ルパージュ(Robert Lepage)だということ。
アエラの表紙(2006年 4/17号)にもなったこともある人。

まず有名なのは、シルク・ド・ソレイユがラスベガスで実演中の「カー」KA の演出。
あるいは、「アンデルセン・プロジェクト」( 当ブログでも感想アップ済 2006年06月24日)などの自身のプロダクションが有名。

ちなみに本人はいなかったが、彼のケベックのスタジオ兼オフィスにも行ったことがある。
(こちらも当ブログでも感想アップ済 2006年05月17日)


で、どのように凄い演出をしたかというと、これが全オペラ界「戦慄」ものの、他を寄せ付けないプロダクション。
ステージに横幅いっぱいに、細長い「面」が自在に動く仕掛け(写真)
かつiPadじゃないが、表面は演技者がさわると反応するセンサーがあり、リアルタイムに表示されてる映像が切り替わる。

これらの変化で、ワーグナーの神々の世界4部作リングを、全くこれまでない方法で表現していた。
かかった費用はなんと!、$16ミリオン!(12~13億円)

私は、このシンプルかつ機能美がある、このルパージュ演出を「21世紀のリング」と褒め讃えている。
特に「ワルキューレ」の演出は、ワルキューレたちが闘いによる死者の中から魂をよりすぐる設定なので「残酷」サイドにどうやってもこぼれがち。
だったのだが、このように舞台をシンプルにすることで、逆に見えてくるドラマもあるのだ。
ここが21世紀的で、新しいような気がしているので、先の表現となる。


というわけで、この制作過程を追ったドキュメンタリーは至極面白い。
MET in HD の舞台裏コーナーでおなじみのメンバー(ステージ担当、衣装担当その他)が登場し、おおいに悩む。
前半は、史上初の仕掛け装置「マシーン」の制作過程、そしてステージ化への奮闘。
後半は一転して指揮者レヴァインの病欠、出演者の突然の降板の苦労など、大変だったプロジェクトだったことがドキュメントされている。

びっくりしたのは、代表を務めるピーター・ゲルブがしっかり現場にいて、ヒヤヒヤの思いをたくさんしていたこと。
実に立派なリーダーだなという印象だった。

残念ながら、未だ日本公開予定はない(涙)が、興味ある向きにはアマゾンでDVDを買う価値は十二分にあると申し上げておきたい(価格も予想外に安い)

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