METライブビューイング：愛の妙薬 2012-2013シーズンへの期待をおおいに演出する歌手陣＆完成度。

毎月 × １のお楽しみ、MET ライブ・ビューイング 。　
2006年からはじまり既に７期めに突入、アメリカNYにある代表的オペラハウス、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場(MET)のライブ・ビューイング。
最新のオペラ公演を、高品質のHD映像と最新の音響で収録し、映画館で上映、というシリーズ。

この新シーズンが立ち上がったので、さっそくチェック。
今シーズンの最初の演目は、ドニゼッティの「愛の妙薬」。
去年も立ち上がりはドニゼッティ（アンナ・ボレーナ）だったが、こちらは喜劇。

そして主役は、アンナ・ネトレプコ。
さすが大スター、こちらもシーズントップの「顔」になりつつある。
先のアンナ・ボレーナに続いての今回の登板だし、既に来年の皮切りも彼女だそう（エフゲニ・オネーギン）

妊娠→出産後、激太りして嫌いになりかけていた彼女だったが、今回はやや持ち直している。
また役柄が「ややとんがった美女」という点で、彼女が地で楽しみながら演じている感じがタノシイ。
個人的には彼女はシリアスものよりも、ドン・パスクワーレやコレのような喜劇の方が向いているような気がする。

彼女をベースに、相手のネモリーノも熱演し好感。
METに長く来ている人からすると、どうしてもネモリーノといえば、＝パヴァロッティ となってしまう。
のだが、クライマックスでの独唱「Una furtiva lagrima 人知れぬ涙」にオーディエンスも多大な拍手で応えていた。

喜劇でストーリーがわかりやすく、主演陣もこの２人以外も良いので、このシリーズ初心者にとってもお勧め！と言っておこう。
原語の壁を取っ払った個々のセリフ＆歌唱をわかりやすくみせる「翻訳」、そしてカメラワークによる「生」以上の迫力。
この機にご覧になることを、強力にプッシュさせていただく！