日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 






ピクサーを創り上げた、有名なジョン・ラセターのもう1人の人物が作者。

ジョン・ラセターはアニメータ―でストーリーテラ―。
対し著者エド・キャットムルは、どちらかというとテクノクラート。
ただ両名とも、初の長編デジタル・アニメーション映画を創ろう!という意思は共通。


読み進むうちに、著者自身の失敗を 謙虚な姿勢でオープンに明かすなど、なかなかの人格者らしいことが理解できる。
とともに、この本が単なる事実関係の紹介ではなく、ビジネス書に近いことがわかる。

メイン・テーマは、アイデアの育て方、創造的組織づくりの方法論。
「良いアイデアより、良い人材」
「いいアイデアを二流のチームに与えたら台無しにされる。
    二流のアイデアを優秀なチームに与えたらそれを修正するか、
    捨ててもっといいものを思いついてくれる」
「独創的なアイデアは天才的な ひらめきだけでは成り立たない」
「プロセスを信じよ」
「ひとりの天才に頼るのではなく、チーム/組織としてクリエイティブになる」
「批評と建設的な批評の違い」etc・・・

そのすぐれたマネジメント手腕を発揮したことで、ピクサーのみならず、巨大なディズニーさえをも変えていくことに....
そう、ディズニー・アニメーション・スタジオの再建が、2人に託されたのだ
「アナ雪」の世界的ヒットも、この延長上にある!
(カ―ズ2とか、反省材料もあるけどね・・・)



とはいえ。ハイライトはそこじゃなく(笑)、

ジョン・ラセターとの「偶然」が引き起こした運命の 出逢い。
首になった直後に、手伝って欲しいとたまたま偶然に!
(どっちがどっちって、それは読んで頂きたく)


と当然のように、
スティーブ・ジョブズ!

彼のファースト・インプレッション、その後の彼とのせめぎあい、そして信頼・尊敬の関係へと...
ちょっとだけ引用以下。

「スティーブは正しかった。
 ピクサー初の映画が興行収入成績を打ち立て、我々の夢が実現しようとしていたとき、IPOによって1億4000万ドル近い金額が調達できた。
 1995年で最大のIPOだった。
 それから数カ月後、まるでキューの合図とともにアイズナーから電話があり、契約を見直してピクサーとの提携関係を結びたいと言ってきた。
 そしてスティーブの折半という条件を飲んだ。
 スティーブの言ったとおりになり、私は感嘆した。その確信と遂行力は見事としか言いようがない」

というような記述が登場し、そのたびにスティーブンが苦悩の末に勝ち得た「才能」に驚嘆する。


そして特に!巻末が涙もの。
それは、最終章「私の知っているスティーブ」

ここだけでも必読、と判断する!

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