
とある本で、日本の鉄道は国の成長とともに海外からキャッチアップしただけでなく、全国の都市での集中化の恩恵を大きく受け、今に至っていることを認識した。
その一方、これから縮小しようとするニッポン。
じゃ鉄道はどうなってしまうのか?!
このテーマを、著者の 石井 幸孝 氏が語る。
著者は元、初代JR九州の代表取締役社長。
JR東海、JR東日本のメジャーではなく、九州という点でぴったりかと!
第1章で、人口減少時代の鉄道を分析するが、本当に厳しい…
その危機感を早くから持ったことで、JR九州時代にそうとうの手を次々と繰り出す。
多角経営に邁進し、韓流ブームという神風で日韓高速船が黒字化、最近話題の画期的豪華観光列車もこの流れで。
そしてどう手を打つべきかの処方箋を提示しているところに非常に好感が持てる。
その処方箋とは = 新幹線物流
ネット通販の膨張に伴いトラック物流が限界に近づく中、新幹線ラインを使い物流を回すべき、だと。
一見、通常交通だけで新幹線は目一杯のように見えるが、プロ視点でその可能性を訴れる20ページは読む価値があるかと!
そして最終章の5章がまた読ませる。
世界の今後の鉄道潮流を読むのだが、世界のゲージ分布(広軌・狭軌)ひとつを取っても国際情勢のルツボ(笑)
さらに中国の「一帯一路」構想にまで到達!
結論:縮小ニッポンでの鉄道のあり方を示唆するとともに、世界でのニッポン鉄道の在り方までを展望し、鉄道好きには捨て置けぬ一冊!