この時期になると思い出すことがある。
私が小学3年生か4年生の頃のことである。
学校を休んで1泊2日の温泉旅行に行った。
ちょうど新学期が始まってまだ、寒さの残る今頃である。
ある山深い1軒の小さな温泉宿に泊まった。
風呂場までは、まるで真冬の寒さ。
しかし、木製の浴槽にはふつふつと熱めの温泉が流れ込んでいた。
風呂場は、蒸気でいっぱい。
硫黄のにおいが鼻を突くが、それも心地よい。
風呂場には、私以外は誰もいない。
時間は、早朝。
硫黄のかおり。
ふつふつと流れ込む温泉の音。
小さな木製のそれも硫黄で黒ずんだ浴槽。
この世に、こんないいところがあるなんて信じられなかった。
湯上がりに、朝出されたのは、梅干しと砂糖。
砂糖は、しょっぱい梅干しにつけて食べる。
甘酸っぱさが、口の中に広がる。
梅干しの塩分は、温泉で失われた塩分を適当に補給するためだろう。
どれをとっても、その後行ったどの温泉より思い出に残っている。
その宿までは、当時としてはまだ車もあまり一般的でない時代に、往復はバンであった。
温泉宿までの国道は、かなり舗装されていたが、今のような高速はない。
確か、片道4~5時間かかったと思う。
途中、舗装もされていない砂利道もずいぶん走った。
しかし、空気はきれいだったので、車の窓は開けて心地よいドライブを楽しんだことを覚えている。
父の計らいで連れてきてくれたこの温泉旅行。
今でも、暖かくなってきたこの時期の、寒さとともに思い出す。
私が小学3年生か4年生の頃のことである。
学校を休んで1泊2日の温泉旅行に行った。
ちょうど新学期が始まってまだ、寒さの残る今頃である。
ある山深い1軒の小さな温泉宿に泊まった。
風呂場までは、まるで真冬の寒さ。
しかし、木製の浴槽にはふつふつと熱めの温泉が流れ込んでいた。
風呂場は、蒸気でいっぱい。
硫黄のにおいが鼻を突くが、それも心地よい。
風呂場には、私以外は誰もいない。
時間は、早朝。
硫黄のかおり。
ふつふつと流れ込む温泉の音。
小さな木製のそれも硫黄で黒ずんだ浴槽。
この世に、こんないいところがあるなんて信じられなかった。
湯上がりに、朝出されたのは、梅干しと砂糖。
砂糖は、しょっぱい梅干しにつけて食べる。
甘酸っぱさが、口の中に広がる。
梅干しの塩分は、温泉で失われた塩分を適当に補給するためだろう。
どれをとっても、その後行ったどの温泉より思い出に残っている。
その宿までは、当時としてはまだ車もあまり一般的でない時代に、往復はバンであった。
温泉宿までの国道は、かなり舗装されていたが、今のような高速はない。
確か、片道4~5時間かかったと思う。
途中、舗装もされていない砂利道もずいぶん走った。
しかし、空気はきれいだったので、車の窓は開けて心地よいドライブを楽しんだことを覚えている。
父の計らいで連れてきてくれたこの温泉旅行。
今でも、暖かくなってきたこの時期の、寒さとともに思い出す。