○(新潟の建築物お散歩Ⅱ・その8)
少しずつ柾谷小路に近くなってくる。白い壁にレリーフの見える村田医院(昭和初期頃らしい?)

この白昼の炎天下に町中を歩く気分を喩えていうなら、浦島太郎のそれというよりも、ここ地元の高校の国語の時間に習った坂口安吾「ふるさとに寄する讃歌」の方が合うんでしょうな(これと「伊勢物語」と「夏の花」とかは、結構まともに習ったのが記憶に残ってる。ま、安吾さんとこと違ってわってのとこはそんげいいとこのがんじゃねんですけどね)。たれぱんだ「蒼空が沁みますなあ」。
歳とってきたからわかってきたような感覚ではあるけれど、石川啄木とも室生犀星とも全っ然違うというか、あの砂地の猛暑の一風乾いた感覚でもって妙な切なさを、その後○十年後に味わうことになるとは思わなかった。だいたいこの歳までこんなに落ちつかずふわふわした身分で凄まじく地縁血縁的にも非-地域社会的に断絶して生きてる、なんてことすら、当時は全く予期だにしてなかったですからね。うーむ、この感覚は「この町」を故郷にして故郷を離れている人間が時々戻ってくると味わえるspecialなものなのかもしれない。(そしてちょうどシャッフル君から流れる、エレクトロニックでメロウかと思うと何か「ま、いいじゃないか」な気分の、のびやかな夏らしいBGM: Pray / Take That "the Greatest Hits"→※そして、家に帰ってからyoutubeで2011年のLIVE映像での旦那と化した紳士の「お祈りダンス」を見て再び感動)




そういう個人的な乾燥した感傷はともかくとして、他にも近代化遺産的な町屋建築はまだ、昨年歩いた上(かみ)の方とか、あと対岸の方とかにもどんどんあるのであるが、今回はこのあたりにしておこう。また機会があれば行ってみます。


本日のBGM:
・仮面ライダーフォーゼ(最終回)(KBC、8/26 8:00~)
夏休みが終わるとだいたい仮面ライダーが一シリーズ終わる季節だ。去年のオーズはちょっと「もののあはれ」な希望の余韻を感じさせる終わり方だったのだが、フォーゼは最後まで(現実の社会問題となっている事件は余所の話として)主人公の押せ押せな屈託のなさが救いというか、結局あれよあれよと(担任のアンガールズの先生まで)みな引っぱられて「学園」らしく結構「からっと」ほのぼのと決めてくれた。しかし田舎の実家の方の甥の家のおもちゃ箱にもたくさんスイッチがたまってるぞ多分(爆)
・平清盛 #33「清盛、五十の賀」(NHK総合、8/26 20:00~)
あの有名な歌人・平薩摩守忠度が、(去年なんか気づいたら実況スレのサーバー落ち寸前な高速展開を傍で呆れて野次馬しながら見続けてしまっていた><)テレ東の「勇者ヨシヒコ」の、佐藤二朗の仏様に続くメレブの人(ムロツヨシ)だったので「ええっ!」( ̄□ ̄;)!!wwwだったが、「どうでもいい呪文」じゃなくてちゃんとした和歌を繰り出したのでほっとした(しかしそこで周囲の一門が一斉に掛詞実況解説するのにも“NHKのオリンピック閉会式アナウンス並みに”「うるさいから黙ってろw」的全国のお茶の間ツッコミがきたのではないか・笑)。
それにしても、小生の読んだ「平家物語」の忠度のイメージといえば、それこそ前に「義経」で細川茂樹がやってた重衡的に文武両道な男前な感じだったので意外だった(ムロさんすまん)。その細川さんが藤原基房(これも男前で知られる)として、九条兼実が相島一之とか平貞能が田口浩正とか、だいたい信西の阿部サダヲにせよ他の人々も「ほんとにこの人たちがやんごとなき公家なのか?」と訝しむほどに、どちらかといえば会社員以上に公務員官僚臭すぎるサラリーマンNEO的な演劇的かつコント的な三の線の香りを感じるのだが(もし視聴率的に大変だというならあとは宅麻伸か沢村一樹あたりと交渉するとかだな)。(20120826)