「ゆわさる別室 」の別室

日々BGMな音楽付き見聞録(現在たれぱんだとキイロイトリ暴走中)~sulphurous monkeys~

さいたまスーパーアリーナ 1月11日 (Muse)

2013-01-13 | live2002-2025

○Muse Live ~The 2nd Law~(さいたまスーパーアリーナ、2013年1月11日、19:00~)
  

 Museは「なまもの」「曲がLIVEで完成する」「一生に一度はLIVEで聴くべし」などといわれる。よく「ミューズは3名(+サポートのモーガン先生1名)」しかいないが「実は後ろに10名位御囃子の人が隠れている」(爆)とかジョークで言われるほどの、「3ピースバンドの常識を覆す」音圧とサウンドの重厚さで知られるライブアクトは、本当だった。シニカルで悲壮な曲想のもあって陰鬱なのかと思いきや、非常に突き抜けるような熱さでごりごりCoolに展開する。まず始まって驚くのが、アリーナのスタンドでもこの音圧と音量の迫力なのに、そして「ど変態」「カオス」(褒め言葉・笑)とか言われるフレーズへの突入も、ぐしゃっと濁らないこと。おそらく屈指の水準の技のPAとエンジニアたちがふんばっているのでは。これが世界水準ってやつか。

 曲を全曲遍く好きなファン、というわけではない。アルバムを聴くと、非常に惹かれる「うまいな」と感じる曲やフレーズは出てくるのだが、どうもCDで聴いていると、旋律なんかが時々単旋律的にクラシックに王道過ぎるというのか、時々POPすぎて「あざとい」というか、劇的過ぎてガチに演歌的にくさいというかダサくなりそうでならない一歩手前みたいな感覚を感じたりし、曲で言うとMansunとかSuadeとか好きな人が好きなのかな、程度に以前から思っていた。
 が、オリンピック以降の秋以降のQueenだのある種の「英国音楽月間テーマ別名盤リマスター集中聴き」(笑)の中で、関連してH.A.A.R.P.のLIVEや動画サイトでの演奏を見ているうちに、次第に「これは一回、生でどうなるのか、音を聴いてみたい…」と思い始めた。それをLIVEで確かめに来たのが今回。

  

 見事。普通にBGM程度に静かに流し聴いている分には「ガチすぎて赤面しそう」な曲ほど、ガチであればあるほど、ぴっちりがっちりLIVEで大上段から振り被って真っ向勝負で来られた時に「おおおお!」と血沸き肉踊る熱いものに大化けしてしまう、という不思議。CDだとU2みたいなやつか?と思った位だったFollow Meとかも、みんなが待ってるとかいうTime Is Running Outとかも、日本のテレビ中継ではいまいちよくわからなかったSurvivalとかも、妙に電気的だったMadnessとかも、LIVEでその化け方がわかった。LIVEだと大仰なのががっちり生きて、「こういう曲だったのか」と真価が発揮される具合だ。
 喩えるなら紅白トリの風雪ながれ旅のテンションとか、時代劇『江戸の牙』の4人が悪代官のアジトに出揃い「閻魔様のお使えよ!」っと見栄を切る大殺陣の瞬間のぞくぞくするスリルとか、そういう待ってました!な「キタ━━━ヽ(゜ヽ(゜∀ヽ(゜∀゜ヽ(゜∀゜)ノ゜∀゜)ノ∀゜)ノ゜)ノ━━━!!!!」が、2時間分続くようなもん(なんだそれは・爆)。こいつら「祭り」をわかっとるな!という感じだ。
 Twilightの1・2・1・3の手拍子も、The Knights of Cydoniaの雄叫び大斉唱も、初めてでも参加できて楽しんでしまった。Resistanceに至るまで、万国共通で王道ギターリフの旋律からして観客が「イントロから待ちきれなくて大合唱してしまう(※サッカーの競技場みたい)」という勢いもさすが。


 歌唱力と演奏能力の高さのガチさと、基本POP(The 2nd Law UnsustainbleとかSupremacyなんかは最初CDで聞いてPet Shop Boysがヘビメタやってるのかと思った程・笑)なところと、思ってたよりもバラエティがあるのと、実は計算されつくした照明や演出効果と客のノリも半端ではないLIVEだから、初めてでもそれだけで「こってり」楽しい。マシュー先生のPlug In BabyのクレイジーなFUZZと噂のスライディングギター奏法(ほんとにorzスライディングする・笑)とかも眼前で見、その一方で光るグランドピアノでは繊細な美曲を奏でられるという、ネットでおなじみの「変態」(笑)(=褒め言葉)ぶりを目の当たりに。「ピラミッド」も壮大なこういう仕掛けなのですな。中から出てきたドムさんの「格闘家コスチューム」にわろたw。キルビルかあんたはw。こういう、ゆっきーやアーリー的な「いい身体してますなあ」な惜しまぬ気合いの、しなやかな荒ぶる系の太鼓って好きです。

 プロカメラ撮影禁止、とあり、アマの観客の携帯なんかは何も言われない。だからYouTubeなんかにアマのやつが上がってるのかと理解。そんなものはプロの品質にはとても叶わないし、大体その程度の「ちいせえ、ちいせえ」(※楼門五三桐の石川五右衛門的表現)ことには、全世界級のプロは動じないようだ。心意気を感じた。そして伝説は宇宙的にshareされて大きなうねりとなり、また語り継がれるだろう。※そういや自分の席の近くに外人もちらほらいるがみなフリーダムw。もっとも、聴き惚れノリに乗っていて撮る暇も全然ないのだが、これだけみんながカメラ向けてても大丈夫なのって、ロマンポルシェ。以来だぜwww(なんだその喩えは・笑)。それではお言葉に甘えて:
  
 スタンドの上から大観衆のモッシュのうねりまくる大波を見下ろす(アリーナはスタンディングのカオス)、これもまた眼福。ライブ後の帰還途中、入口近くのスペースシャワーとNack5からのお花。ここまで来たらやっぱ「みゆうずさん江」などと勘亭流で書いてもらいたいところw


 緊急の宿泊先にて、パンフを見ながら余韻にひたるたれぱんだたちです。キイロイトリ「クリスハ デカク ミエマシタネ」。多分マシュー先生がうちの兄くらいの大きさで、クリス氏と並ぶと義経と弁慶のようだが、ちなみにL'Arcで喩えるなら3人分でやることをほぼ2人でやるようなものである。デカイ人がBassだと、聴いてると本当は非常に難しいやつなはずなのに、その全く失速しないgrooveを全然動じずに、さくっと簡単そうに軽々と弾いてるように見えるのが格好良くて凄い(声質を聴くと実は若い年齢の人なんだと思い出すのであるがww)。

 春もはよから(新春一発目がこれかw)飛行機往復片道3時間で一度行ってみる価値あるLIVEだった。約2時間なのに、1時間位しか経っていないような気分。生で聴いてみたかったStockholm Syndromeはじめ、ごちそうさまでした!今後、動画サイトでどのLIVE映像を見て音声を聴く時にも、今回の「ああ、こういう感じなんだなあ」という感覚が蘇ってくることで、思い出せるだろうから、よかった。今、家に帰ってからデジタルWalkmanに入ってなかった曲もセットリスト順に入れ直して再聴中だ。(20130113)
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