こんなニュースを目にしました。
公立小学校、全学年35人学級へ 40年ぶり見直し 17日合意へ
特に初等教育での少人数化は、現場の諸問題の解決に大きく貢献すると期待できます。
しかし、今回の見直しでは、不足する職員をすでに現場にいる加配職員を充てるのだとか。
つまり、すでに行っている加配によるTT(ティームティーチング:複数教員により1授業を運営する)を後退させることで凌ぐ訳です。
これは、今回の改正だけではなく、TT維持のための二の矢三の矢が必要だと言うことです。
アベノミクスの時のような矢ではいけません。確実に実行する矢です。
そして、一番の問題は『人材不足』です。今の医療現場と同じです。
数年前まで現場(公立中学校)に居た自分の感想ですが、新任で来る若者は実力があります。が、以前より内向きの人が多い気もします。
パブリックとプライベートの棲み分けがしっかりしてきたため、なかなか本音を語れず、職場に馴染むのに時間かかっているのかも知れません。
更に思うのは、教員になるための「教育実習生」の質が変わったこと。
昔の「でもしか先生」ではないが、とりあえずの資格取得や想い出づくりは論外としても、教育への『熱』を感じられない人が多い。
教員の必須条件である声が小さいのには驚きました。
教員に一番必要なことは『子どもが好きなこと』です。(好きをはき違えないように!)
今の学生を見ていると、「子どもが好き」よりも「子どもと勉強することか好き」、さらには「学校(という器)が好き」な人が多い気がします。
中には、自分はいじめられていたから、いじめられている子の力になりたい・・・という相談員感覚の人もいるようです。
動機はさておき、「いじめ問題」など「学級経営」や「保護者対応」などにおいて、「子どもが好き」なことは絶対必要なことです。
そして、「社会人としての基礎」が大切です。
学校は、新卒であっても担任を持たされ、ひとりで40人の生徒とその保護者の矢面に立たされます。
新任教師が社会人になるための訓練は何処でするのか・・・。少なくても教室の授業では相手が児童生徒であるためむずかしい。
公的研修は「ことなかれ研修」で「教職員事故」を防ぐには役だっても、授業のイロハさえ手探りの彼らに、社会人としての基礎まで及ぶかは不明です。
新任の最初の数年間は、「生徒や児童に借金して授業を磨く時」なのです。
そんな時、人間として社会人として未熟すぎては、現場の諸問題に打ちのめされ、悲惨な結果になら無いとも限りません。
とはいえ、若手の教員にも【私の若い頃よりしっかりしている】人は多数居ます。
その人達に共通していることは、個人のポテンシャルの高さと同時に、学ぼうとする力(自己学習力)と取捨選択能力が高いことのようです。
自分のキャリアをバリアにすることなく、職員室を見回しどんな教師になるべきか(どの教師に師事するか)の判断・・・。これが、後の40年間を決めていく気がします。
教員になることを夢見て、大学で教育課程を履修する学生は多いと思います。
そんな志が高く優秀な学生の確保が、教育現場では急務でしょう。
優秀な人材が現場にたどり着けない理由は何か?
①3Kとは言わないまでも、きつそうなイメージによる諦め。
②採用試験に合格しても、内定が出ている民間に逃げてしまう。
(採用名簿への登載は民間企業の時期に近いが、赴任学校が決まるのは現職の異動退職が終わってからの年明けにずれ込むため遅くなる。)
いじめ問題や教職員事故など、ネガティブなニュースが多い今日の教育界です。
ネガティブイメージの払拭が必要です。
この際、私たち世代が「青春学園シリーズのドラマ」に憧れたように、社会問題ではなく青春の輝きをテーマにしたドラマの出現を期待するしかない!・・・か。
(因みに私は竜雷太さんです)
教員はやり甲斐のある職業です。
教育現場は、若い力を必要としています。