すみません

私の定期診療で使うバスの沿線には、障害を持つ子供たちが通う学校がある。
たくさんの、子供や保護者たちが利用している。

昨日、小学校低学年くらいの女の子と、お母さんが私の隣に座った。
体を自分で支えることが出来ず、バスの揺れと共に隣の私に寄りかかってしまう。
常に声を出していて、時々大声が出てしまう。
ただそれだけの事。

しかし、その度、お母さんが「すみません。すみません」と誤っていた。
「大丈夫ですよ」と私も答える。
このお母さんは、こうやって誤って、これまでの月日を過ごして来たのだろうか。

２０１６年「津久井やまゆり園」で、利用者１９人を殺害し、職員を含む２６人に重軽傷を負わせた
被告の初公判が開かれた。
途中、被告が暴れ出し中断、その後は被告不在となったようだ。
「生産性が無い、経済的価値が無い、意思疎通ができない」だから生きる資格が無い。

私が関わっている依存症回復施設なども、設立にあたって地域住民からの大きな反対があったようだ。
摂食障害回復施設も、近くのコンビニで万引き被害があると、真っ先に疑われるそうだ。

超高齢化が進む日本。多くの人が、どこかに不自由さを抱えて生きて行く事になるだろう。
考えて心にとめて、行動しなければ、私の問題としてとらえなければ、何も変わらない。