豆本三昧我褸芥(がるぁくた)ノート & 美人画あれこれ

日本の名作文芸と東西の名画の自作豆本の内容紹介のほか、その資料として集めている東西の美人画をいろいろ紹介しています。 

Procris & Cephalus 2

2018年05月30日 | 今日の美女
 昨日の続き、惚れてくれた女神を振り切って逃げ帰る男の風上にはおけないケパロスだが、ちょいと道草を食うことにしてまずは下の四作品をご覧あれ。いずれも横たわる若者に女神が思いを寄せている図だがタイトルがそれぞれ違っている。
 上段二枚は昨日に出したものだが、実は右の絵は別タイトルでも広く知られていてすでに当ブログでも登場済みなのである。そして下段左も一緒に登場している。最後のダイアナのカップルも扱っているがこの絵は取り上げていない。つまりまったく同じような絵なのに三組のカップルがあるというわけである。そして二枚目のように二つの名前でしられていたりするとどのタイトルが正しいものか見当がつかない。見分ける方法があるのだろうかということになる。すべの絵がはっきり区別できるわけではないが、いくらかの手がかりがある。まず最後のダイアナは額の三日月によって間違いない。多くのダイアナの絵ではこの三日月の髪飾りが見られる。それとエンデミオンは羊飼いということで武器ではなく杖を手にしている。
 

   Aurora & Cephalus                             Aurora & Cephalus or Venus & Adonis
  

  Venus & Adonis                                     Diana & Endymion
  

※ 上掲一段目左と昨日も出ていた作品だが頭上に星が描かれている。それと一段目右の作も髪飾りのように星がある。これらが三日月ならダイアナだが、星で示される女神はだれかといえば、それは金星のヴィーナスである。
 つまりこれらの女神はエオス・アウロラではなく、男はアドニスと考えるのがただしいのではなかろうか。

  


※ 神話の中のアウロラは翼を持っているとされるので下のような姿で描かれるはずなのに、なぜか翼の無い姿の作品が多い。

    


 ヒロインが 登場した所で話を戻す。
 エオスは立ち去ろうとするケパロスの外見を変えて、プロクリスの誠実さを試すように促す。ケパロスの行方不明を心配していたプロクリスは現れた見知らぬこの男に親しと魅力を感じて愛を受け入れてしまう。するとすぐに元の姿に戻ったケパロスはその不実を責める。打撃を受けた彼女は森に逃げ込み狩りの女神ダイアナの侍女になる。プロクリスがお気に召したダイアナは彼女に必ず命中する投げ槍と獲物を逃さない猟犬を与える。その後プロクリスはこれらをケパロスに贈り二人の仲は戻った。
 で、めでたしめでたしと終わるはずだったのだが・・・・

                                              Alessandro Turchi
  

                             Louis Boullogne the Elder                  Gerard Hoet
    

   Philippe de Champaigne
  

   Louis Boullogne the Elder
    

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