近頃のニュースでやり切れないものは沢山あるが、その一つに「子供虐待」がある。
つい最近も女児二人を自動車に閉じ込めて酒屋を飲み歩いていた女とか、子供を家に閉じ込めて置いて男に会いにいった女とか、こうして書いているだけでも情けなくなるような残酷な話である。 以前も継子いじめの話はあったけれど、最近のはいじめというより残忍な殺害で、それも実の子供に対してだから言葉も出ない。よく犬畜生というが、畜生は我が子を親の欲望の犠牲にするような残酷なことはしない。
明治期に来朝したモースという学者は、日本人が子供を可愛がる姿に感動したことを記録している。万葉の憶良の歌を持ち出すまでもなく、日本人は「子宝」という言葉とともに子供に愛情を注いできた。それだけに昨今の悲惨なニュースの堕落した日本人にはやりきれない思いなのである。
いささか深刻な話になったが、浮世絵には「子宝」という文字を使ったタイトルで、母と子の姿、と言うより母の愛情を描いた作品が沢山ある。ただなかなか全作そろったものが無いのが残念だが、今週は「子宝」作品を眺めてみたい。
国貞のこの作は七福神に鶴亀と宝船で10点揃いのめでたい作品だがどうしても「恵比寿」がみつからなかった。
弁天 ・ 大黒 ・ 福禄寿
布袋 ・ 寿老人 ・ 毘沙門天
鶴 ・ 亀 ・ 宝船
※ 追記 「恵比寿」が見つかり、全部揃った。
ただ、上部の雲のような飾りが無いので別の版かもしれない。