来ていたお客さんに挨拶されたんですが
僕は初めての顔出しでしたから恐縮。
白髪の紳士がシッカリ見てる E500 はまだ塗装も生きてて
ピカピカでしたがこの人がこんな過激な車に乗るなんて
信じられないほど穏やかな顔だったんです。
子供達も成長して遊んでくれなくなったし
奥さんには友人達との趣味があるから
自分は気楽に 男の子 になれるんだそうです。
互いに精神的に自立し認めあえる同士なんていいっすね。
もう無理に我慢し続ける年齢じゃないし
十分責任も果たした積もりだから自分の好きに生きるそうです。
来世なんて誰にも確かめようも無いし人生一度きりですもんね。
僕の世代以上の大方の男なんて普段は家庭で役に立ちゃしません。
僕はそれでもイイと思ってました。皆さんダメだのグズだの
言われたとしてもかまやしませんでしょ?
でも誰でもないオヤジの自分がやらなきゃならない時だけは頑張らなくちゃね。
所詮そんな事は一生のうちに何度も無いと
思ってますが口で言っても説得力ありませんし大事なことほど
僕なんか話が違う方向に行ってしまい結局最後は自暴自棄ですから
僕は黙って僕が何をしてるのかを見てもらうのが一番なんです。
学校の教育とは違いますが時々オヤジの背中を見せないとね。
そんな背中を見せといて「普段はグズでもダメオヤジでも
ヤル時はヤルんだよ」を伝えた次は・・・
今まで見せてきた父親の背中に最後は何を語らせるか・・・
そりゃ決まってんじゃないですか!
もういいんじゃないかなと思うほどオヤジのやる事ヤリ終えたなら
子供達に見せ伝える最後は「自分の好きに生きろ!」しか無いってね。
僕の背中のオヤジモニターにも大きなことでは残るは一つとになりました。
白髪氏は運転は下手ですから車体磨きやパーツの制作、取り付けが
趣味で命・・・なんだそうです。
V 8 5000のエンジンにはセルシオ用(リビルト物)の
トヨタ デンソー製オルタネーター(発電機)がいいそうで
取り付け部分を加工すればオリジナルのボッシュ以上の
性能を発揮するそうです。ワンオフのパーツは飛行機部品を
作ってる友人にお願いすれば大抵のモノは作れるそうです。
月に一度は仲間達で集まってエンジン見せ合いながら
飲むコーヒーが最高に美味しいそうです。
僕の取って置きの最後の一つとは違いますが穏やかで悪くないですね。
フロントフェンダーの張り出しがイケテると思うんです。
かなり昔の車ですがボディはハガネで作られていて
最近の環境問題を気にしながら作られた車とは
素材の次元が違うそうです。
室内にもロールバーやエンジンルームにストラットバーなどの
補強を入れなくても強靭な車体はシナル事もなく
パーツ交換すればいつでも新車状態になるそうです。
11000台生産されて残っているのは半分だとか。
ヒヤヒヤしながらコーナーに飛び込んでみることもなく
スッパっと曲がり踏み込めば強烈な加速は
若い子なんて目じゃないイケテル中年女性のような
魅力か魔力を感じます!
首都高出口直前で220から一気に130まで落とし曲がる
なんてブレーキをポンピングすればできてしまう車なんですね。
(たぶんというコトにしておきます)
師匠と話していてリアにもぐる為に後ろだけジャッキアップした124を
見ていたら「コレねぇこの状態でドアの開閉が出来るんですよ」と
前後のドアを開閉して見せた。
国産車で同じ事をすると車体がたわんでドアは開かないそうです。
初めて雑誌で見た時からかなりの年数が経過したけど
僕には今でもとても魅力的に見えて当時思った世界というか
史上最高のセダンだとの気持ちは全く変化してませんでした。
エンジンを削る時は国産工具が壊れてしまうほどの材質で
ボルト穴を開けるにも国産工具だと折れてしまいドイツ製工具を
使っているそうです。
今こんな車に乗ってる人達はルーレット族じゃあるまいし
無謀な運転をするとは思えませんから実際の速度以上に
イメージの速度を楽しまれているのかも知れません。
実際の性能は師匠に乗ってもらえばドレほどかが
分かりますからね。
話していて師匠は僕を普通じゃない人ですねなんて
言ってたけれどハンパじゃなく不器用なのは確かです。
新車では入手不可能でもイツカはと待ち続けた人達がいて
他じゃダメだと思い続けて新車オーナーよりも大切に乗り続けるなんて
裕福だったり苦労ナシの人には無縁の話かも知れませんが
自分の理想を持ち続け追い続けた人達と話していて
W124・E500 はなんて魅力的な車でやっぱりオーナーは
素敵な人達なんだと思いつつ工場を後にしました。
帰路運転していた友人に僕の着信音教えたら
「どうしたの?」とらしからぬとでも言いたげな顔。
そりゃそうでしょうけどバイトや仕事に明け暮れて
聞けなかった行けなかった頃の一種の懐メロが
僕らしからぬほど過激だとしてもまぁいいじゃないですか。
AMG7200ccV12エンジン
スクーターで出かけた帰宅途中で走った墨田公園沿いの道路は
バスまで停まって満車状態、お花見客で人人人の盛りだくさんでした。
そういえば師匠はロードスターと聞くとエラン?と言うあたり
師匠と僕は価値観近いと感じました。
工場にはいろんな人達が集まるんですが
見た目は紳士、ロッカー、仕事は?から危なく見える人まで
イロイロなんですが車好きの現役男の子達の目は輝きます。
2Fで もみじ饅頭とお茶やコーヒーを出してくれた
仕事も出来れば皆をちゃんと見て話題を振る社長の奥様の
元ミスさんとモデルもしてるらしい助手の可愛いお嬢さん以外に
ココを楽しいと感じる女性は極極少数かも知れませんが
現役女の子ならば車以上にココに集まるいい年した男の子達の
輝く目と素直さを可愛く感じるかも知れませんね。
な~んて男の子達の為に書いておきます。