三丁目の飛行機屋

飛行機マニアのオヤジが
撮影遠征記やマル秘コレクションの公開などをしていきます。

ネタ枯れ時の助け舟は~ 

2020年04月20日 | 編隊コレクション
だいぶ久しぶりの「編隊コレクション」です

飛行機ネタが諸般の事情で少ないので、こんな時の為に残しておいたコレクション ネタを


今回は米軍のサバイバル・ラジオを紹介

レスキュー時のみに使われるよう特化した機材

先ず紹介するのは、ベトナム戦争の頃に使われていた AN/URC-64
 
1960年代中頃から1980年代のあたま辺りまで使用されていたもの



アンテナを伸ばすとスイッチが入る仕様になっている
一見、怪我等をしていても簡単に使える~ と思えるが
これが災いして、接触不良により使えない事もあり
予備としてもう一台を装備していたパイロットもあったとか


とはいっても決して小さくもなく嵩張るのだが
自分の命の助け舟となる装備、疎かにはできなかったのだろう


昔(1988年)の映画、BAT 21 という、ジーン・ハックマン主演の映画があった
内容は 1972年にベトナムで実際に起きた撃墜 救出劇の映画化
映画内でのサバイバル・ラジオは、1980年代以降に配備された AN/PRC-90 が登場する
実際には、この AN/URC-64 が救出劇の準主役だったハズで

 自分は初めてこの映画を見た時に
 「PRC-90」が登場したとたん、見る気を失って退散してしまった
 わずらわしいヤツでした・・・(笑



上部から見ていこう

アンテナ部とバッテリーテスト ボタン
ラジオは防水ということでスイッチ類はゴムラバーで覆われている
ただアンテナ部からは浸水しそうな雰囲気

 
 画像は上がラジオの上部
 下画像が 下部です
 
 下部左に黒く見えるモノはバッテリーの頭で
 ギザギザがあるのはバッテリー押さえ
 その右にイヤホーンの装着接点が目立つ

 バッテリーは腐食してしまったので廃棄してしまったが
 頭部のみ切り離して保存したもの
 
バッテーリー収納部のアップです

右の画像、収納部の底に2つの接点が見えるのがおわかりだろうか

 ちなみにバッテリーは13.5Vと中途半端な電圧で長さが約 4inch
 
 ネットで拾ったバッテリー画像、右端がラジオから飛び出てるロック部分



正面には3つのロータリースイッチが縦に並んでいる
一番上がボリューム

次が通信モード選択スイッチで
V のボイス、T はビーコン
CW はコード・ワード(モールス信号)

ビーコンは「ウィ~ン、ウィ~ン」と軽い音も鳴ってしまうようだ
このURC-64 にはガードが付けられており(黄色 丸囲み)
CWモードにはスイッチが回らないよう制限されている
これは訓練に使われた機材だった為、との記述を見た記憶もある

その下にはラジオの周波数が選べるロータリー・スイッチ
A(アルファ)  243.0Mhz
B(ブラボー) 247.3MHz
C (チヤーリー)248.2MHz
D (デルタ)  282.8MHz

使用する順序が決まっていて、Aの国際救難周波数から
コンタクトできたらすぐにDに切り替えAを空けて他の要救者へ

ただしAチャンネルへは、ロータリーチャンネル間に飛び出ている
REL(リロケーション)ボタンを押せば一発で戻ることができる
B、C は予備のチャンネル

ただデジタル無線機ではないので、周波数を合わせれば誰でも聞ける
(いまでも緊急周波数はデジタル化はしない)
ということは敵も同様ということで
ベトナム戦時中はラジオを拾った敵が、あるいは負傷した捕虜を脅して
無線を使用して救助隊をおびき寄せ攻撃~ も実際にあり
(米軍は一人のパイロットを救出する為に全軍が対応し、志気を高めている)

今のオレオレ詐欺対応と同じで、事前にパイロット等個人の
確認暗号(例えば好きな車とか)を決めていたそうだ

ラジオの表面にはインストラクションが貼られており
見ながら使用することも可能になっている
(緊急時のパニックによる物忘れ等に対応)


左側面には、左手で持つと ちょうど親指がくる位置にトークボタンがくる
右側面にも、インストが貼られている



裏面には動作確認テストのチェックリストが



自分のコレクションにはイヤホーンが欠落していたが
もう一つコレクションしている AN/PRC-90 に装備されているイヤホーンが接続可能

AN/PRC-90 については次の機会に紹介します
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