”電気ブラン”
浅草。神谷バー。電気ブラン。
このシチュエーションは近代の多くの日本文学者に愛された。
息子が土産だと買ってきた。 良くこれを知っていたな。
私も聞いたことはあっても飲んだことはなかった。
電機ブランは電気ブランデーを縮めた呼び名。
神谷バーの創業者によって、明治15年に誕生した。
電気が珍しい明治の頃、新しいものには「電気〇〇」と名付けるのがはやったそうです。
でも酒にまで電気とは。今ならさしづめ「コンピーュータ〇〇」。
このラベルは復刻版。アルコール度は40度。
ブランデーをベースに、ジン、ワイン、キュラソー、ハーブなどがブレンドされていると言うが、配合は秘伝とのこと。
キャップを開けると、ジンの香りと共にほわんとする様な甘い香りが鼻から脳天まで突き抜ける。
これって嗅ぐ麻酔みたい。アルコールの強さ故か。
ロックにしてみた。初めての味です。悪くない。
120年前の人もこの香りに得も言われぬハイカラを感じたに違いない。
神谷バーに入ったこともない、知識だけだった世界に、一杯の酒で連れて行かれるとは。