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田舎暮らしを夢見て、こつこつとお金を貯めています。

塔ノ峰からオロ山へ

2014-04-14 22:51:04 | 山歩き・山の写真
今回は塔ノ峰を目指してみた。初めてのことだ。
銀山平から最短のルートでということで、丸石沢に架かる橋付近から登りだすことにした。
というよりも、林道沿いの斜面はほとんどが法面になっていて、取り付けるとは思えない。
結局、橋付近から取り付くことしか思い浮かばないのだ。
で、橋のたもとあたりから登れればな、と。

銀山平を発ったのが6時50分頃、
二つ目の橋を渡ったところの岩場、ここからなら登れそうだ。 ちょうど7時になった。
ガードレールの奥側から登るのだが、落ちたら沢底まで、いやいや庚申川まで行っちまう、岩魚の餌になっちまう。


難なく登れ、餌になることだけは免れた。


登ってみると、立派な踏み跡がしっかり着いている。山仕事用の道だべか?
しばらく杉の植林地を進むが、間伐材だろうか切り倒された幹がごちゃごちゃになっていて歩きにくい。
杉林も終わり雑木の林になるが、このあたりから斜度が増してくる。かなりの急傾斜だ。
1296Pを目指していたのだが、今いる尾根はそのピークには向かっていないみたい?
一本北側の尾根に取り付いちゃったみたいだ。
まぁいい、時間短縮になるし、ピークに何かがあるわけでも無いだろう。

1455m三角点へ続く明瞭な尾根に出た。

しばらく進むと尾根は広がり、なんとも気持ちのよい斜面になってきた。  こんな具合にだ。


1455mを越えると、目指す塔ノ峰が見えてきた。  


さらに進むと、木に打ち付けられたブリキの板が出てきた。
左前方にはっきりと分かる道形が現れた。こんな所に道が?
道形の方へ進むとブリキが現れた。これって塔ノ峰に行くのかな?その先まで進んでみるが違うな。
藪も深そうなので、再び尾根に復帰。 



ちらほらと雪も出てきた。


白樺が多くなってきた。 残念ながら北風だ。


本日も快晴、風はまだ冷たいが、日差しは強く暖かい。半そでで歩いていてちょうどいい。


これってヤシオ?かな   1650m辺りか、 


このあたりから上は、ほとんど雪の上を歩くことになる。


9時10分にならないくらいに塔ノ峰到着。
標石に腰掛けてしばし休憩だ。ここまで取り付きから2時間ちょい、近くて良い所だ。
立ち木にちっちゃな山名板が遠慮がちにくくりつけてある。景観を痛めていない、こんなもんでいい。


しばし休憩後北西へ進み、中倉山側の見えるあたりまで進む。
あっちには全然雪がないんだなぁ~。 一人なので、今日はじめての発声練習をしてみる。


こうしてみると、庚申山とオロ山って意外と近いことが分かる。
このまま来た道を引き返すのはあまりにももったいない。皇海山手前に見える白い鞍部目指してオロ山へ行ってみることにする。
時間もたっぷりとあるし、おまけにそのほうが渡良瀬川最深部をつぶさに見ることも出来る。


気持ちのよい雪の斜面を1662P目指して下っていく。
スキーで滑りたいような斜面だ。


しばらくは雪の上を歩き続けることになる。 


のんびりと歩く。 ただただ気持ちがいい。


振り返り塔ノ峰、 これってヤシオツツジかな?


前方に見える最低鞍部を目指す。


程なくして鞍部到着。皇海山方面を撮りながら、オロ山を目指す。


このあたりには雪が着いていない。風で飛ばされてしまうのだ。


皇海山の右側、白い武尊山が、さらに右奥には真白な巻機山が見える。
撮影しながらなので、なかなか先に進めない。


ふたたび雪の中を歩くようになり、最後の斜面を登りきりオロ山山頂到着。10時46分なり。


日光白根はまだまだ真白けだ。


これから帰路に着くのだが、さてどうしようか?
当初の予定通り庚申山へ向かうか、それとも中倉山へ向かうかだ。
残雪のことを考えれば、中倉方面へ向かったほうが早いだろうし、問題も少ない。
だが、銀山平までの峠越えの林道歩きを考えると ・・・だ。やはり庚申山へ行こう。
岩場も南側だし、雪もそれほど残っていないだろう・・・  。が、しかし  だった。


11時過ぎ、NHK文芸選評の始まる頃に山頂を後にした。
目指す庚申山は、やはり近くない。 気温も多少上がってきているらしい、雪も緩んできている。
が、大変気持ちが良い。 帰りも皇海山方面の撮影を行いながら進むことにする。時間はたっぷりとある。


鞍部より庚申山側へ少し進んだこのあたりが、最も皇海山が尖って見える。



オロ山のちっちゃなピークも記念に撮っておく。


およそ1時間くらいで庚申山の展望台(?)へ到着。時間的には無雪期とほとんど変わらないで来られた。
鋸側へ少し下りたポイントで、しばし撮影。
はて?雪上に踏み跡が全くない。だれも歩かないのかな?


いい眺めだ。


12時半、下ろう。  山頂を記念に一枚。
付近に全く踏み跡がない? 夏道で下りようと考えている。
この雪の量だと、踏み跡でもなきゃ~下り口がわからねぇ~ぜ。発声練習をしてみる。

赤い印を探しながら下り口を探すが、途中わからなくなった。
下れそうな斜面に行き着いた。尾根の先を見てみるが、どうも下の展望台(名前が分からない)へ続く尾根のようだ。
下れなくなさそうだが、今回は庚申山の岩場を是非とも見てみたいのだ。
今いる北東側をなおも探してみる。 あった! 慎重にたどっていくと、無事下り口へたどり着いた。
ここだここ、 発声練習が続く。
が問題も、夏道が氷で覆われているところが出てきた。
スリップがヤバイ! 今日は布靴、ピッケルもアイゼンもなし。
なおも問題が、残雪が多い。
こんなことなら、中倉山へ向かえばよかったな、なんて弱気にもなりだし始めた。

滑落に注意しながら、展望の利く知った岩場を目指す。

袈裟丸連山から小法師尾根がよく見える。


塔ノ峰も見える。


もう展望の利くポイントはないはずだ。 慎重に雪の斜面を下る。

夏道を外してしまったか? 下る先が読めなくなった。
残雪のため、印象が夏と全く違う。あたりまえだが。
下手に下っていけば、そこは必ず岩壁の上だ。ここは慎重に。
左の斜面が急だがトラバースできそうだ、だがその先がどうなっているか分からない。
行ってみることにする。ルンゼ状の斜面には雪がびっしり、おまけに急傾斜ときている。
慎重にステップを切りながら進む。もしスリップでもしてこれが岩壁の上のルンゼだったら一直線、間違いなくカラスの餌になっちまう。
上手いこと渡りきったぞ、そこから下へ向かうが、夏道らしきものが全くない。先がスパッと切れているのが分かる。
しまった!岩壁の上に出ちまったぜ!
仕方がない、今一度さっきの斜面を戻ろう。そう言い聞かせて、再び雪の斜面を登ることにした。
この斜面を向こうに見える赤茶色の木のところまで戻る。
ピッケルとアイゼンを持って来なかったことを後悔した。 が、仕方がない。餌にならぬよう慎重になるしかない。

なんてことはなかった。 はじめの位置からすぐ右側に夏道はあったのだ。確認もせず、すぐに左だろうと判断したことが不味かった。
まっ 餌になることは免れたので良しとしよう。

と、なおも慎重に雪の急斜面を下っていくと、おっと!
滑り落ちてしまったのだろうか、それとも岩を落ちたのか? 首が折れている。かわいそうに。


ルンゼの中を通る夏道には残雪がびっしりだ。おまけに硬い。
後ろ向きになり、ここでも慎重にステップを切りながら下ってゆく。


一の門無事通過した。ここも雪がびっしの急傾斜だ。


雪の詰まった急なルンゼをなおも下ると、やっとまともな夏道が出てきた。
と、おったまげた!寸前まで全然気づかなかったぜ! さっきのもそうだが、うら若き乙女だ。かわいそうに。 



やっと悪場は抜けたようだ。



と、巨大ツララが。 夏道はツララの裏側に続いている。
小さなツララがぱらぱらと落ちている。こんなところは通過できない。
落下してきたツララが頭にでも刺さったら、餌にもしてもらえない。


見るだけならば美しい。 こんなのが見たかったのだ。


夏道を外れてツララの下まで行き、そこで夏道に戻ることにする。
危ないが、もっとツララの近くまで行きたい。


これが限界、ツララが崩落したらニホンザルの餌になっちまう。 ここでやめとこう。


先へ進むことにする。 
もう悪場はない。あとはのんびりと、一の鳥居を目指すだけ。


小屋付近に足跡がある。人一人分、イエティのものでは無さそうだ。

やっと一の鳥居が見えてきたぞ。小屋からここまで、だらだら下り、ちょっと退屈になる。


ここからがまた長い。ゆっくり歩くと1時間はかかる。 
疲れてきた。もう速く歩きたくはなくなった。


ここら辺はまだまだ早春、遅めの春を見つけながら、さらにのんびりと歩くことにする。


4時を少し過ぎた頃、青い隼くん号に帰還できた。

風が乾燥していて、ひんやり気持ちがいい。
折りたたみ椅子に腰をかけ、しばらく風に吹かれていた。
駐車場には青い隼くん号のほか一台も無い。
一日、誰とも遇うことは無かった。

Nikon D700  AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR