
ヤマザキマザック美術館さんから今回の企画展のポールデルヴォーの招待券をいただいたので、ぜひ、見てみたいと思ったのも今回の名古屋出張の一つの理由。
シュールレアリスムは、ダリやマンレイ、ルネマグリットなど有名な人は知っていたが、残念ながらポールデルヴォーは知らなかった。
目に特徴がある絵なのだが、今回の企画展ですごいのは、彼が手がけたベルギー・サベナ航空社長ジルベール・ペリエ邸客間の室内装飾は、長い衣をまとった古代ギリシャの人々と夜会服姿の現代の人々、古代ギリシャの神殿と現実の建築が交錯する幻想的な空間となっており、デルヴォーの本領がいかんなく発揮されている。このペリエ邸が人手に渡った時、4点の扉絵が海を越えて日本にやってきだそうです。
《立てる女》《女神》《乙女たちの行進》の3点は姫路市立美術館に収蔵され、《ふたりの女》はヤマザキマザック美術館に収蔵されています。今回これら4点の扉絵が初めて再会を果たすことになったそうです。
遥か東の彼方で、こんなに長い月日を経て再開するとは、なんともロマンティックな話しです。
この部屋で4枚の扉絵はどんな話をしているのでしょうか?
そして、さらに興味深いのはポール・デルヴォー財団の特別な協力により、室内装飾の下絵4点や当時の客間内部の写真も同時に展示し、ペリエ邸装飾画の魅力に迫っています。
下絵にはカーテンや樹があって、ごちゃっと感があるのですが、実際の絵では、それらが取り払われています。
確かに、部屋の中に取り込まれた時には、無い方がすっきりしていて、開放感がでるような気がします。
実際にカーテンが消された後や旗が小さくなった後なども、絵画からは見受けられます。
下絵を見ながら実際にはどうなったかを観るのもなかなか面白い鑑賞の仕方でした。
それにしても、構図はそんなに近いはないが、ずいぶんと、細かいディテールは変更されるんだなぁと。よい勉強になった。
また、当時の図録なども展示してあり、ペリエ邸に存在していた頃の写真も見ることができました。
個人的には、壁はすっきりしていた方が好きですが、お金持ちの方のサロン的お部屋であれば、これだけ奇抜なものを好まれるのかなぁと…。
ペリエ邸の絵の他に、ポールデルヴォーで気になったのは、クロードスパークの『鏡の国』という小説の版画による挿し絵。
クロードスパークに頼まれて描いたらしいが、仲違いしたのか、本にはこの挿し絵が載ることなく出版されたらしい。
この『鏡の国』だが、奥様を亡くした夫があまりにも奥様を愛し過ぎて、奥様の亡骸を剥製にしようとする話。
ちょっと読んでみたくなってAmazonでさがしたが、売ってなかった。残念。
誰か知っていたら教えてくださいませm(_ _)m
初期の頃はこんな特徴的な絵のタッチではなかったようだが、列車の絵などのタッチは躍動感があって上手いので、普通に描けば上手いのだろう。
ポールデルヴォーの他にベルギーの作家やシュールレアリスムを集めた展示となっており、フェルナン・クノップフ、ジェームズ・アンソール、ルネ・マグリットらの作品23点が合わせて展示されていた。神秘的な世紀末美術から20世紀のシュルレアリスムにいたるまで、多彩な絵画世界が紹介されていた。
ベルギーの画家ジェームズ・アンソールの絵画(1888)にキリストのブリュッセル入城という作品があり、新約聖書のキリストのエルサレム入城を題材とし、不気味な仮面をつけたブリュッセルの群衆がキリストを迎える場面を描いたものです。
アンソールが世間から受ける疎外感がかなり影響している作品で、心もとないキリストの顔が印象的であり、民衆の顔が異様なほど鈍よりしている。
他の作品でも、普通ぽい絵の中で、よくみると端っこに風刺画ぽい挿し絵があったりと、ちょっと変わっている。
悪意を持って登場人物を書いているのか、鷲鼻でどれも人相が悪い。
魔女というか男性だから魔王ほど強くない、小悪さをしそうな魔男?だ。
薄気味悪い。
なかなかベルギーの作家さんの作品を観ることはないので、本当に、見れて良かった。
そして、イヤホンガイドが最近、あるので作品への理解も深まりますが、やはり学芸員の方や、精通した方にじかに解説していただくと、本当に造詣が深まる。