アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

原初の光を見る

2022-12-07 10:37:46 | クンダリーニ・ヨーガneo
◎悟りを開いた人が悟りを開いた意識のままで

実際にクンダリーニ・ヨーガ修行で仮死になっている本山博氏が、死後直後の原初の光を見るということについて語る。

チベット死者の書では、人間が肉体死のプロセスが進行していく中で、どのタイミングでどのような大悟のチャンスがあるかを懇切丁寧に分析的に語っている。

死のプロセスにおける悟りのチャンスは、最初のチカイ・バルドーで最大のチャンスがやってきて、それを捕り逃がしても次のチャンスはやってくるけれど、最初のチャンスほどの大物ではない。

本山博氏は、やはり冥想修行を積んでいない者が、死んでいきなり登場する空からくるところの原初の光を見るのは困難であることを述べている。

よく言われることだが、準備もなしにその時を迎えて、神の名を呼んでも急には応えてくれるまいということがある。平素の冥想修行があってのいざという時である。

大人数の人が大量死を迎えるような究極のピンチに陥ったとして、何人が悟ることができるかという観点では、そのチャンスは生前にもあるし、死後まもない時期(チカイ・バルドー)にもあるが、どちらも冥想修行していないタダの人がチャンスを生かすのは難しいかもしれないということ。

さて人は死を迎えると、まもなくチカイ・バルドーと呼ばれる中有にまず入る。
『そういうふうなすべての存在のもとになっているものは、一切の存在が消えてしまうようなところであり、それが一切の存在を成り立たせている。そのように、本当の心の状態、心の原初の状態は空である。
その空の状態が、物を創造する、あるいは存在を創造するという時に、初めに光を発する。それをチベットの「死者の書」では原初の光と称するわけです。

そして、チカイ・バルドーの状態、心臓の中に微細身を持ったアートマンが入り込んでいった状態の時には、普通の人間の場合にはそういう光は長い間の行をしないと体験しにくいのだが、チカイ・バルドーの状態になった時には、原初の空の状態から発する光を体験する事ができる。

だからそのものすごい光を自覚できて、その中に融合できたら、いわゆるダルマ・カーヤという次元で悟りが開ける、と言うわけです。

ところが、私が実際に霊界の霊をみていると、自分の家族の事とか、家の事とか、痛かった肺癌の事とか、殺された時の恐怖とか、死の直前の思いにとらわれていて、自分の今の状態も、まわりの状態もわからないでいる霊がたくさんあります。

この世の人でも、ノイローゼになった人や、自閉症の人をみていると、自分の思いの中に閉じこもってしまって、周囲の事は一切わからない。ある想念とか感情、例えば愛情のようなものとか、反対に人に対する非常に強い憎しみとか恐怖とかというものにおち込んで、まわりの事は一切わからない。

死んだ場合にはそれがもっと極端になって、
自分の小さな薄暗い穴のようなものを自分で作り出して、その中にじっとちぢこまって潜んでいるような状態が多いのです、一つの執着を持って死んだような人は。

そういう人が、ここで言っているような心の本源である原初の状態というか、心の空性の状態から発する光がわかるわけはないと思うのです。この光がチカイ・バルドーの状態でわかる人というのは、結局は悟りを開いた人が悟りを開いた意識のままでチカイ・バルドーの状態になったら、多分、わかると思うのです。そうでないと、それはなかなかみられないと思います。

もし普通の霊の世界の霊、さっき言った、エジプトの「死者の書」に出てくる凶霊の世界でない霊が、もう一段上の霊の世界の光をみた時には、それは目がつぶれるほどまぶしくてみられないくらいなのです。

だから、もし今ここで言うような原初の光がみえたら、太陽が何万個も一ぺんに光ったような光で、原子爆弾が落ちたぐらいの光ではなくて、その何千倍も何万倍も明るい光で、とうていみられないし、怖いと思うのです。それで皆逃げちゃうのですね、もしみられたとしても。

そこが非常に問題なのですが、怖がらないで、これこそ本当の一切の存在を成り立たせる元から出ている光だと思って、その中に飛び込んでいけたら、解脱が一瞬のうちにできると(『バルド・ソドル』では)言うのだけれども、そういう人は覚者でないとむずかしいみたいですね。』
(カルマと再生/本山博/宗教心理出版P199-P201から引用)
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