◎ジェイド・タブレット-07-06
◎天国まで-06
◎【天国志向と積善】-2
◎地上天国、千年王国の入り口
ドン・ボスコは、19世紀イタリアのカトリック神父。ナポレオン後の政治的不安定の時代に、当時産業革命の影響で、イタリアでは、職のない若者が街で数々の悪事を行うことが多かった。今でも治安が悪いというのは、もともと若者の失業、無業が多いということで、この不景気の日本も程度の差はあれ、状況は似たりよったりである。
ドン・ボスコは、こうした若者のために職業訓練校をつくり、かわいそうな若者たちを不品行と不敬虔から守る手助けをした。職業訓練校は今では珍しくないが、当時は徒弟制度のもとで、若者は、親方に叩かれたり殴られたり、下男下女同然にこき使われ、平均寿命も短かったようだ。
こういう篤志の人物は、篤志の出てくるところの根源に深く純粋なものを秘めている。
ドン・ボスコ(ジョバンニ・ボスコ)は、神学校に入った当初、「生活を変える7か条」を自ら定め、自分に課した。
『一、ダンス、演劇、見せ物を避ける
二、手品、曲芸、狩りは二度としない
三、飲食と睡眠の点で節制を守る
四、宗教書を愛読する
五、純潔に反する考え、談話、言葉、読書を避ける
六、毎日、黙想と霊的読書のひとときをもつ
七、毎日、ためになる出来事や考えを口に出して語る』
(完訳 ドン・ボスコ伝/テレジオ・ボスコ著/ドン・ボスコ社P115から引用)
シンプルである。シンプルであることは誰にでもわかるが、これにより外部からの余計な洗脳、悪い交友からの影響を受ける余地がなくなることのほうが、現代においては意義があることだと思う。
今なら、さしあたり、テレビは見ない、スマホは触らない、更に残った時間を冥想と宗教書の読書に充て、飲食と睡眠を節制するというようなところだろう。
地上天国、千年王国の入り口は、いつの時代もこういうところにあるのであって、巨富や強権力やマスコミの祭り上げるスターダムなどにあるのではない。