薮入り
2013-01-16 | 趣味
現在では殆ど聞かなくなりましたが、昔流に言えば今日1月16日は「薮入り」です。
「薮入り」とは、元々は嫁や入り婿が1月16日と7月16日に実家に帰ることを言っていましたが、都市化の進展に伴い商家の習慣へと転じ、奉公人が主家から休暇をもらって親元などへ帰ることを言うようになりました。
1月16日を「薮入り」と言うのに対して、7月16日は「後(のち)の薮入り」と言います。
藪入りがこの日となったのは、1月15日の「小正月」と7月15日の「盆」がそれぞれ重要な祭日であり、嫁入り先・奉公先での行事を済ませた上で、実家でも行事に参加できるようにという意図だったと言われています。
この薮入りの風習は、明治になって「週」の制度が入ってからも、外国系の企業を除いて昭和初期まで残っていました。
その頃は、商家の主人が奉公人に小遣いを持たせて家に帰し、戻ってくる時は母が送ってくるといったものもあったそうです。
「藪入りの語源」
・「藪入りの語源」は、藪の深い田舎に帰るからという説の他に、
・「宿入り」(宿は生家のことで生家へ帰る)からの転訛からとする説。
・更に、父を養うために帰るからという「養父(やぶ)入り」説。
・里の藪伐り(きり)や藪焼きを手伝いに帰ったからとする説。
・郷里の遠い人が、藪林(そうりん)・寺に入って遊んだからとする説(中国の風習)、
・祭祀には野巫(やぶ)と呼ばれる陰陽師が欠かせないので、「野巫要り(やぶいり)」からとする説、
などがありますが、いずれの説かはっきりしないようです。
いずれにせよ、正月と盆は先祖の霊を祀る大切な行事があるので、里に帰して参加させるという考えから始まった風習であると思われるそうです。