空空
今日は子供の日。
天気予報によれば、ほぼ全国的に晴天に恵まれるそうです。
青空の下、各地の公園や遊園地、旅先などでは、子供さんたちのはしゃぎや元気に遊び回る姿が見られることだと思います。
ところで『空空』と書いて何と読むでしょうか? 「そらそら」?それとも「くうくう」?
今日は遥か昔、私が子供の頃に、実家の縁側に座って“うつらうつら”としたことを思い出しながらこの二文字を取り上げました。
この『空空』の二文字は、実は『うつらうつら』と読み、”ぼんやりしている様子”を表す言葉なのです。
しかし、この“うつらうつら”には、『現現』と書く別の漢字もあって、こちらの意味は【まのあたりはっきりとした様子】を表します。
同じ“うつらうつら”でも”ぼんやりしている様子”の場合は「空」の漢字を、“目の前がはっきりしている様子”の意味の場合は「現」の漢字を使用するようです。
意味によって使用する漢字が違うので、参考になればと思いご紹介しました。
なお「空」と「現」を『うつ』と読む言葉は他にもあります。
・『うつつを抜かす』という言葉がありますが、この“うつつ”は「現」と書き、“現実を抜かす”→“夢中になる”という意味になります。
・『うつけもの』という言葉は【不注意でぼんやりした人】のことをいいますが、このうつけは「空」と言う字を使って「空者(うつけもの)」となります。
元々【ぼんやりする】という意味の“空ける”(うつける)という言葉があって、この“空ける”から派生したといわれています。
・『うつせみ』という言葉は【はかないもの・空虚なもの】というイメージですが、万葉集では【この世】という意味で使われていたそうです。
元々は、【この世の人】という意味の『現身(うつしみ)』という言葉が“うつせみ”に転化し、その後『空蝉』という漢字が当てられ、【蝉(せみ)の抜け殻】から【はなかいもの・
空虚なもの】という意味に変化したのではないかと言われています。
・『夢うつつ』は【ぼんやりすること】ですが、この“うつつ”は、「空」ではなく「現」になります。
もともと『夢うつつ』は『夢か現(うつつ)か』が、省略された言葉で、このことから、「現」(うつつ)という漢字には、【現実】と【ぼんやりとした】ふたつの意味があるそうです。