不寝王子から剣ノ山経塚跡へ向かう途中、10分ほど進むと木の根が浮き出ている坂道があります。
足をとられそうで歩きにくいですが、このような光景に出会うのも古道を歩く楽しみの一つです。
・土がえぐられて根っこが浮かび上がっている坂道です。
木の根がごつごつと浮き出ていると足を引っ掛けそうになりますが、私たち11名の老体一行はゆっくりと注意しながら安全第一で登っていきました。
このような急坂を5~6分登ったところに「剣ノ山経塚跡」があります。
「剣ノ山経塚跡」
剣ノ山の上は、古くは神聖な場所とされていました。
ここから熊野本宮へかけて九品(くほん)の門が建ち、ここには最初の下品(げほん)下生(げしょう)の門があったといわれています。
この経塚跡は経典を経筒に入れ、それを壺に納めて地中に埋めたところだそうですが、明治末期に盗掘され、ここから出た常滑(とこなめ)製の壺だけが、いま古道館に展示されています。
滝尻王子の社前にある笠塔婆という石塔も元はここにあったようで、経塚の上に立っていたと推測されています。
「飯盛山(めしもりやま)」
「剣ノ山経塚跡」から木々に囲まれた中を歩き続けること20分余り、標高340.7mの飯盛山(めしもりやま)山頂に辿り着きます。
・飯盛山(めしもりやま)の山頂です。国土地理院の標識と340.7mの標が立っていました。
「飯盛山(めしもりやま)」の展望台」
杉木立の中をひたすら歩いてきた後に、標高340.7mの飯盛山(めしもりやま)の展望台に上がって周りの景色を見渡すと、広々とした視界にホッとします。
・飯盛山(めしもりやま)の展望台です。
展望台は少し狭いですが、さえぎるものが何もない絶好の休憩ポイントです。
清姫伝説で有名な槇山、笠塔山、富田川の母なる山といわれる安堵山、ふもとに龍神温泉がある虎ヶ峰などがパノラマのように見渡せます
・展望台から北方方面の眺望です。遠くに見える山は紀伊山地の果無山脈で、眼下には栗栖川の町が見えます。