親思う心にまさる親心

毎週、視聴率ランキングでトップを維持しているNHKの朝の連ドラ「マッサン」には、1週間ごとにその週の内容を反映したサブタイトルが付けられています。
今週のサブタイトルは「親思う心にまさる親心」です。

今週のあらすじは、マッサンの後継者にと考えていた熊虎の息子・一馬に赤紙（召集令状）が届き、出征までの4日間の本人や家族、そして周りの人たちの苦悩が演じられています。
そうした中、息子の一馬を戦争に送りだす壮行会を開き、父の熊虎は皆の前では「やっとお国のために役立つと気が来た」と言いますが、本心は「一馬を戦争になど行かせたくない」とエリーにだけ打ち明けます。
でも、そんなことを言って一馬が戦争に行くことに迷いを感じてしまう事が無いように、親として元気に送り出すしかないと父・熊虎は言うのでした。
今週のサブタイトルの「親思う心にまさる親心」を、父・熊虎を演じる風間杜夫さんの熱演が見ものです。

ところで、このサブタイトルの「親思う心にまさる親心」は、下の句があって「けふのおとずれ何と聞くらん」と続きます。
この歌は、今年の大河ドラマ「花も燃ゆ」に登場する吉田松陰が、29歳で処刑された時の家族に宛てた辞世の句として知られているものです。
意味は、子が親を思う心よりも、子を思いやる親の気持ちのほうがはるかに深いということです。

このサブタイトルを付けたその理由を推測すると、今年の大河ドラマ「花燃ゆ」と結びつくような気がします。
「花燃ゆ」の初回視聴率は16.7％で、過去15年で最も低く、その後も上がっていません。
一方の「マッサン」は毎週22～23％の高視聴率を維持している人気ドラマであることから、吉田松陰に関係する言葉や教えなどをサブタイトルとして利用することにより、大河ドラマ「花燃ゆ」を間接的にアピールしようとしているのではないかと推測するのです。

そこで一首、
「ディレクターの　思惑にまさる　視聴者の反応　視聴率アップを　何とするらん」
大河ドラマの担当ディレクターは視聴率アップに苦労しているのではないでしょうか？