らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

北枕

2015-03-10 | 雑学
よく「北枕は縁起が悪い」と言います。
これは、お釈迦様が亡くなった時に、頭を北に顔を西に向けた姿だったことから、死人を北枕に寝かせるようになったことがその理由のようです。
確かにお葬式などでは、亡くなった方をそのように寝かせていますが、本当に縁起が悪いのでしょうか?
調べてみました。

「北枕」は、冒頭にも書いたように、今から2500年前、お釈迦さまがインドで亡くなったときの姿ということです。

お釈迦さまは80歳の時、王舎城(おうしゃじょう)の霊鷲山(りょうじゅせん)というところから故郷のカピラ城に向かって、その老齢を押して最後の伝道の旅に出られますが、途中で食中毒にかかり、クシナーラ郊外のサーラ樹の林で静かに生涯を終えました。

その時の姿が「頭北面西右脇(ずほくめんさいうきょう)」の格好だったと今に伝えられているものです。
即ち、頭を北に、足を南に、右脇を下にして、顔を西に向けた姿ということです。

親鸞聖人や法然上人など、仏さまに仕える人たちが亡くなった時には、仏さまの教えをいただくものとして、お釈迦さまの姿に従われるようですが、仏さまの教えにあまり縁のない方は、ただ単に「これは人が亡くなったときの姿で、縁起が悪い」などの理由で嫌うだけのようです。

実際のところは、北枕、即ち、頭北面西右脇(ずほくめんさいうきょう)は、頭を寒い北に向け、足を暖かい南に向けるので「頭寒足熱」の理にかなった安眠できる姿勢であり、右脇を下にというのも胃の形の関係から内蔵が休まるよい姿勢といわれます。

お釈迦様は、人間の心も体も深く見極められ、真理を体得され、悟りを開かれた方であり、その言葉、姿に何一つ縁起の悪いというものがあろう筈はなく、亡くなる最後まで、私たちに生命の安らかなる姿を示されたのであることから、北枕で寝ることにについて全く気にする必要はないということです。