らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

堂に入る

2016-02-28 | 雑学

NHKの連続テレビ小説「あさが来た」は人気があるようで、毎週23%以上の平均視聴率を保っているそうです。
私も毎日観ていますが、十分満足できるドラマ仕立てとなっています。
ヒロインのあさを演じる女優の波瑠さんと夫の白岡新次郎を演じる玉木宏さんのコンビが素晴らしく、そのお二人をとりまく俳優の人たちが非常によい演技をしています。
特に感心するのは、ヒロイン波瑠さんで、その役にあった演技を堂々と演じています。
彼女の演技力は日に日に堂に入ってきているように感じます。

彼女はドラマが始まる前の昨年9月28日に放送された「鶴瓶の家族に乾杯」にゲスト出演していましたが、その時の波瑠さんは普通のお嬢さんで、これから始まる6ヶ月間の朝ドラのヒロインが務まるのかなあと心配するような感じに見えました。
しかし、いざドラマが始まると流石女優です。
その演技力には回を追うごとに磨きがかかり、大隈重信演じる大俳優の高橋英樹やその夫人の大隈綾子を演じる松坂慶子らに対しても決して引けを取らない、正に「堂に入った」演技を演じていました。
このような迫力ある演技力も高視聴率を維持している要因の一つかもしれません。

さてその「堂に入る」と言う言葉ですが、技芸や学問を究める事を何故「堂に入る」と言うのでしょうか?
そこで調べてみました。
広辞苑によると、「堂に入る」とは、(「堂に升(のぼ)り室に入る」から)学術や技芸などが、その道の深くまで達し、すぐれている。また、手慣れていて、すっかり身についている。
と説明しています。

この言葉は『論語』先進篇の孔子が弟子の子路(しろ)の学問について、「堂に升(のぼ)り室(しつ)に入(い)らず」から出た言葉です。
「堂」は客間・表座敷の事で、「室」は奥の間の事です。
客間に上った程度では、奥の事など分からない事から「堂に升(のぼ)り室(しつ)に入(い)らず」は学問や技芸がかなりの水準には達しているが、奥義を極め得るには至っていない事を意味しています。
そして、「堂に入る」は、「堂に升(のぼ)り室(しつ)に入(い)る」を略した言い方で客間にのぼり、奥の間にまで入っていることから奥義まで極めている事を表していると言うことです。

ヒロインの波瑠さんの演技力は次第に「室(しつ)に入(い)り」つつあるように思いますが、如何でしょうか。