らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

宋襄の仁

2017-10-27 | 時事

今度の衆議院選挙は自民党の圧勝で終わりました。
告示前までは小池都知事が立ち上げた希望の党が政権交代可能となる勢力に拡大するかどうかで大いに話題になりましたが、結果は御承知の通り惨敗でした。

選挙前までは自民党の苦戦が予想されていたことから、選挙後の希望の党との協力を考えていたのか、選挙運動の序盤では安倍総理は希望の党へ少なからぬ情をかけていたように感じました。
しかし、小池代表が森友・加計学園問題などで安倍総理の批判を繰り返し、自民党への攻撃が激しさを増すにつれ、一転して反撃に転じたのです。
選挙運動で無用の情けをかけることはあり得ないと思いますが、無用の仁義だてしたばかりに失敗した故事があります。

「宋襄の仁」
「宋襄(そうじょう)の仁(じん)」とは、宋と楚(そ)との戦いの際、宋の公子・目夷(もくい)は楚が布陣しないうちに攻撃しようと進言したが、襄公(じょうこう)は君子は人の困っているときに苦しめてはいけないといって攻めず、楚に敗れたという故事から、不必要な哀れみを施してひどい目にあうこと。無益の情けのことを言うようになったという故事です。(出典:左氏伝)

「故事」
紀元前638年、中国の宋の襄公(じょうこう)の軍が鄭(てい)を攻撃している時、峡谷の楚(そ)が鄭に援軍を繰り出しました。
襄公はこれを河南省の泓水(おうすい)に迎え討つべく布陣を構えました。
一方、楚の援軍はぞくぞく川を渡っている途中であり、陣容は整っていませんでした。
その様子を見た公子で宰相の目夷(もくい)は、今のうちに攻撃をかけようと進言しましたが、襄公は「余は、こう聞いているぞ。君子は手負いの者を再び傷つけず、白髪交じりの者を捕虜にせず、人を危険な場所に押し付けず、人に狭い場所で迫らず、敵が陣列をしかないうちに攻め太鼓を打たぬ、と。いま、楚人がまだ川を渡りきらないのにこれを攻めれば義を害するであろう。敵がすっかり川を渡り、陣列をしてから太鼓を打って兵を進めよう」と言って、退けたのです。
結果は目を覆うばかりでした。
川を渡りきった楚軍は陣を完成させ、宋軍を散々に打ち破り、襄公自身も太股に矢傷を負ったのでした。
この事から、つまらない無益の情け、無用の仁義だてをしてひどい目に会うことを「宋襄の仁」というようになったそうです。

「情けは人のためならず」と言いますが、競い合っている時の無益の情けや無用の仁義だては、ひどい目に会うことがあることを肝に銘じなければなりませんね。