「気が置けない」という表現があります。
この言葉は本来の意味を間違えて使用されることが多い表現のようです。
そこで今日はこの表現について調べました。
「気が置けない」の本来の意味を、皆さまはご存知だと思います。
恥ずかしながら、私は誤解していたようです。
例えば、
1.「彼は嘘つきだから、気が置けない人だ」
2.「彼とは何でも話すことが出来て、気が置けない間柄なんだ」
この2つの表現の内、本来の意味として正しいのはどちらでしょうか?
正解は「2」なのです。
「気が置けない」を広辞苑で調べると、緊張したり遠慮したりする必要がなく、親しく付き合いができる事の形容と説明し、
注釈として、「気が許せない」「油断できない」の意に用いるのは誤り。「気の置けない」とも言う。
と説明しています。
「気が置けない」という表現には、「ない」という否定語が入っているため、「気の許せない」という意味で誤用される人が多いようですが、本来の意味は緊張や遠慮する必要のない打ち解けたと言う意味になります。
その理由は、「ない」という否定語を取った「気を置く」とか「気が置ける」という言葉の意味を考えるとよく分かりやすいと思います。
「気を置く」とか「気が置ける」の意味は、①何となく打ち解けられない。遠慮する。 ②気にかかる。気になる。
となります。
つまり「気が置ける」とは、誰かに対して気が許せない、気を遣うときに用いる言葉であることが分かります。
これに否定語の「ない」がついた「気が置けない」は「気が置ける」の反対語となることから「気遣いの必要がない」「遠慮がいらない」という意味になります。
従って、「2」の「彼とは何でも話すことが出来て、気が置けない間柄なんだ」というのが正しい使い方になります。
「気が置けない」を「気が許せない」と言う意味で誤用すると、180度異なる人物像として伝わってしまう事になるので、使用する時には十分注意したいですね。