三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

【人口減少社会を直撃する「解体費」負担増】

2018年08月24日 07時25分03秒 | Weblog


きのう書いたブログについて、いろいろな反応をいただきました。
最後はFacebookへの投稿が消失したりまでした(笑)。
なんか、バグのようで夕方5時くらいから本日未明くらいまで閲覧できなかった。
けさ、チェックしたらふたたび閲覧できるようになっていました。
どうも最近、Facebookの運用が不安定のようですね。
ま、それは別として、人口密集地あるいは、過去の集積地に
残っている「空き家」と、その再生活用にあたっての困難のことです。

ご存知のように、日本人人口はこれから減少が急激になっていく。
これ自体は少子化の趨勢に歯止めが掛からない限り、
厳然たる事実として受け止めていかなければならない。
そうすると、経済規模が縮小していくことも受け入れなければならないのか、
ということになるわけですが、第2次安倍政権になって、アベノミクスという
経済拡大路線が打ち出され、その結果は株価や景気の上昇とか、
若年層の雇用の拡大などが生み出されてきている。明るくはなってきた。
しかし、そうではあるけれど少子化にブレーキまでは掛かっていない。
拡大する経済の結果、雇用で人手不足が進行して、いま現在の
外国人労働力は昨年末で127万人にまで拡大してきている。
という状況の中で、わたしたちは住宅業界にいて、
その条件下で将来展望なり、投資的活動を行っていかなければならない。
やはり将来悲観的にただただシュリンクしていくと考えるのか、
そうではなく、日本国内での国際化の方向で打開策を考えるのか
見方は分かれざるを得ないでしょう。
しかし、経済の基本を考えれば繁栄する社会が座して死を待つとは思えない。
社会資産としての住宅ストックについて、
それを維持し続けていくのか、更新していくのかについて、
その手法や、コスト検討はどちらであっても行っていかなければならないし、
社会としても、そこから打開策も見いだせるかも知れない。

そんな興味で、既存住宅を中古購入して建て主自ら解体を行ったという
そういう行動力に激しく反応してしまった。
で、施工に当たった藤井光雄工務店さんに「解体費外注の場合の見積もり」を
問い合わせたところ、上の2番目の写真のようなデータが寄せられた。
施主さんもこの金額を見て「たっけー、これなら自分でやる!」となったのでしょう。
On the AIRで消えてしまう費用にこんなに掛かるのであれば、
自分の労力提供でコストダウンできるならそうしたいと考えるひとは多い。
建設の側にしても、別にこのことでは利益はない。
むしろ人手不足時代に、消えてしまうコストは掛けたくない。当然。
もっといえば、こういった費用負担が社会資産としての都市環境維持には
総体としてコストが掛かっていくのだと考えると、
未来によりよい居住環境を残すために、みんなで考えるべきテーマ。
この解体費の増加には、現代の「ゴミ問題」が大きい。
きれいに「分別解体」しなければならないのでコストは増加せざるを得ない。
しかし、ゴミになるものを作った元々の世代はこのコストは負担していない。
これからの世代が、過去世代の尻ぬぐいをさせられているように思える。
そういった理不尽さが、このコストには感じられてならない。
現代の空き家問題もこの問題が大きい。
解体するにもコストが掛かって、それを現在所有者が負担しなければならない。
それならば、先延ばししたくなるのもよくわかる。
しかし、旧来の交通体系に寄生的に成立し衰退したシャッター街など、
この問題はきわめて深刻な問題になってきている。
さてこのテーマに三方一両得、というような回答はあり得ないのでしょうか?
コメント
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