三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

日射の取り込みと遮蔽

2008年02月08日 05時42分54秒 | 住宅性能・設備

先週の新住協Q1.0住宅見学会から。
勇和建設さんの事例の写真です。
「日だまりの家」というコンセプトらしく、
ほぼ真南に面して、玄関や居間などの大開口が開かれている住宅です。
それも右側写真のように、居間は吹き抜けていて、
ダイナミックな空間が広がっています。
そうでありながら、室内の上下温度差は、測定している温度計を確認してみると、
なんと、1度にも満たないレベルになっています。
窓は樹脂サッシを使用していて、
開閉などもきわめて容易な仕様。
引き違いではないのですが、床までの大きな建具で、しかも
1階、2階とも連続して大きく開口しているのです。
家全体として、気密断熱がしっかりしているので、
空気の流動感も感じられなくて、
まさに自然な、春のひだまり、という雰囲気。

で、冬はこのように、費用のかからないエネルギー・太陽日射を
たっぷりと室内に取り込んで暖房エネルギーを削減させ、
こんどは夏になると、右側の写真のように2階のデッキテラスが
1階居間に対して、庇の効果をもたらしてくれて、
日射を遮ってくれます。
たいへん、単純な「パッシブソーラー」が建築装置的なもので実現できる。
もちろん、ディテールでは窓の性能の検討や、
冬のあいだの窓面からの冷輻射対策が肝要になってきます。
ここでは、1~2階のあいだの梁や、1階床面下に冷輻射予防の
暖房がさりげないデザインで装置されています。
また、大きな窓面からの夜の熱損失を抑えるために
高性能な断熱効果の高い「ハニカムサーモスクリーン」が装置されています。
さらに他の部位からの熱損失を全体としてバランス良くするように
断熱気密を図っていることは当然。
そうした建物としての性能の上に立って、
暖房でも、ヒートポンプの低温水タイプで十分なあたたかさが確保されています。
ディテールに色々な工夫が見られる住宅ですね。

なんか、ここんとこ、読者の方からのコメントが増えている感じ。
って、わたし、あんまりコメントを返したりしていませんでしたが、
心を入れ替えて、なるべくコメント返すようにしたいと思いますので、
ぜひ、いろいろなご意見、聞かせてください。お願いします。ではでは。
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